TL第4節のTVマッチ4試合の感想を記しておきたい。10月11日埼玉熊谷、10月13日東京秩父宮の4試合をJ−SPORTSが放映した。しかし、放映カードの選択に僕はすこぶる不機嫌だった。熊谷は三洋電機vs九州電力、東芝vs近鉄で、秩父宮といえば横河武蔵野vsヤマハと日本IBMvsサントリー。こう言ってはなんだが、上位チームが負けることはまずないと思われる本命サイドの4試合である。10日のNECvsクボタとか11日の神戸製鋼vs福岡サニックスとか、ほかに流すべき試合があるだろうに。事実サニックスは神戸に勝利している。なんとかならないものかな。 まず熊谷の第1試合、三洋電機vs九州電力について。九電が三洋と戦えているシーンは細切れにしか訪れなかった。65×8ほどの凡戦ではないけれども、この点差は両者の力関係が率直に表われたものでもある。 この試合からは三洋のLOをクローズアップしたい。右LOのダニエル・ヒーナンの実力はすでに実証済みだが、無限の可能性を秘めていると思ったのは左LOのユ・ヨンナム。アジア5カ国戦で韓国代表として日本と戦った時、ボールに対する反応がよく、ディフェンスの嗅覚が韓国選手の中では傑出していると感じたけれども、TL開幕後は試合を重ねるごとにチームにフィットし、何かのきっかけでとんでもないレベルに突き抜けていくぞ、と思わせる段階にまで来ている選手である。東芝の大野均みたいな……いやいや南アフリカのマットフィールドを目指してもらいたい。運動神経だけならTLに所属するLOの選手の中ではいちばんではないかな。 はたして三洋を止めるチームは現われるのか。もうサントリーとはやっちゃったしなあ。東芝……? まじめなチームってあかんような気がするんです。単なる賑やかしみたいなチームが暴れまわるしかない。ストップ・ザ・三洋の最有力候補は僕の中ではトヨタなのだ。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 10月13日秩父宮の第1試合は横河武蔵野vsヤマハ。29×55、ヤマハ順当勝ち。MOMに選ばれたマレ・サウはヤマハBK陣のいいアクセント。また、過去にあまり記憶がないかもしれないけど、このチームはSO大田尾竜彦がボールを持って前に出るといいリズムが生まれるので、この試合でうまくいった部分は今後大事にした方がいいと思う。というのはヤマハのWTBはダイナミックな走りをする選手がいるのに、目の前にすでにディフェンダーが待ち構えていてあっさり止められるケースがしばしばある。突破できる選手がゲインして相手の裏へ出てWTBへパスという形の方が確実だ。そしてこの試合、絶賛すべきはやはり左FLで先発出場のルーベン・ソーン。黙々と仕事をし、誰も選手がいないところでボールに触れるべく画面に飛び出す。これが世界一流のプレーなのだ。 横河武蔵野は後半に3トライを返したことでいくらか自信を取り戻したと思う。強い外国人選手にSH小池善行の巧さが絡めば結構決め手のあるチームだ。課題はディフェンス。ハードタックルができないわけではない。ただ、ファーストタックルが甘いからボールキャリアーがいつまでも元気、第2第3のタックルが準備不足で戻りながらなのでピンポイントに入らないという悪循環に嵌まってゲインを許してしまっていた。こうなるとすべてが後手にまわって人数をかけざるを得ず、外のディフェンスはガラ空きになる。的確なファーストタックル、早い集散、反応の鋭さ。今後横河武蔵野の試合を観る人は、この3つを注視してほしい。そこさえTLレベルになれば観客のハートに火をつけることのできるいいチームになる。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 第2試合、日本IBMvsサントリーは24×43でサントリー○。サントリーとしては決して満足の内容ではないと思う。今季は三洋、東芝、サントリーのトップ3だと考えるが、サントリーが次位のダークホースグループに陥落する可能性は十分ある、と僕は観ている。故障者がいるせいもあるが、全体的にミスが多くてリズムが悪い。ここにIBMのFB高忠伸がキッキングゲームを仕掛けてサントリーを蜘蛛の巣にかかった蝶のようにしてしまえばおもしろかったのだが、セットプレーでこれだけ劣勢を強いられるとミス連発のサントリー同様、バタついたラグビーになってしまう。冷静なIBMに慌てるサントリーといった展開で是が非でもロースコアの勝負に持ち込みたかった。 途中出場のサントリーSHジョージ・グレーガンはチームにフィットしてようやく上昇気配がうかがえる。来週はヤマハ戦。ルーベン・ソーンとのワラビーズ主将vsオールブラックス主将の顔合わせが待っている。そこはみんなが注目するところであるが、個人的にはFBウチ・オドゥーザが不気味だ。この人がボールを持って走ると荒野を駆け回る大型野生動物であり、武器を持たない人間ではどうにも止められないような規格外の強さがある。bWトマシ・ソンゲタはソーンや久保くん、木曽くんが体を張ってくれると思うけど。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 10月11日熊谷の第2試合はあえて最後にもってきた。東芝vs近鉄。コアなファンを魅了してやまない近鉄であるが、さすがにトップ3の一角相手ではダブルスコアの大敗を覚悟、と思いきや、24×3から一時は1点差に迫るイケイケぶり。SHキム・チョルウォンとSO重光泰昌のHB団の柔軟な思考をベースにした巧さと左CTBジェフリー・イエロメのランニングが噛み合い、大型WTB角濱嘉彦がここへきて絶好調である。FW陣は相変わらずいい仕事をするし、アウェーの熊谷なのに花園でやっている時と同じ危険な香りを発していた。44×35で東芝○のスコアは、39分にbWタウファ統悦が決めたトライのコンバージョンに成功して7点差以内のボーナス点がほしかったと悔やまれる。しかし、この試合を観た人は心の中で近鉄にボーナス点をあげたことだろう。気持ちが先行しすぎて、キックチェイスやディフェンスがカブッてしまうシーンが何度かあったが、いいんじゃないのかなァ、これくらいは。冒頭に本命サイドの4試合のみ放映というJ−SPORTSにケチをつけたけれども、この試合だけは、中継してくれてありがとう、である。ラグビーファンの琴線に触れるいい試合だった。 熱戦に興奮気味の解説、村上晃一さんが、 「近鉄と東芝って手が合うんでしょうね」 といったことを仰っていた(発言をいくつか聞いていると、村上さんは隠れ近鉄ファンのような気がする)。そうね、直情的な接点の攻防は近鉄の得意とするところ。こらあかんわ、というようなターンオーバーのされ方は1度もなかった。東芝SH吉田朋生は文句のないパフォーマンスだったけれども、横に動いてギャップを突くタイプではない。SOデイビット・ヒルは堅実なキッカーだし、左CTBオト・ナタニエラは典型的な直線的プレーヤー。近鉄とすればやりやすいチームではある。そうしたメンバー構成にあって、復帰緒戦のFB立川剛士のような選手は近鉄がもっとも苦手とするタイプだ。象徴的だったのは後半17分の廣瀬俊朗のトライを演出したシーンで、いったん内へ行って相手ディフェンダーを引きつけてからパス、近鉄のディフェンスラインをあっさり崩してみせた。近鉄攻略のお手本となるプレーだ。 来週は関西ダービー。花園で近鉄と神戸が激突する。開幕前は100%神戸と思っていたけれど、もう五分五分なんじゃないかという気さえしてきた。だって神戸と東芝が試合してもこんないい試合にはならないだもん。なんだかんだいって今年の神戸FWは強いから近鉄と対等に渡り合えると思うけど、BKがなァ。イエロメ&マイレーの強力CTBに対抗できますか。攻撃の起点、SH後藤翔太のひらめきに期待しよう。近鉄は今までどおりのコテコテ路線、神戸はやっぱり巧さで、って感じの試合になるのか。もし誰かに、神戸はもう巧くないやん、って言われたら反論できませんけど……。 来週第5節は関西ダービーのほかにヤマハvsサントリーが花園の第2試合に組まれ、東芝vsNECなど好カードがひしめく(詳しいカードはhttp://www.top-league.jp/game/2008/schedule901.html参照)。TL最初のヤマは第5節。行ける人はラグビー場へ走れ! 付記 アメリカ代表とのテストマッチを前にして、セレクションマッチがおこなわれますね。日本代表と代表入りを狙う選手たちの試合。この4試合の8チームの中からチャレンジャーチームにぜひ入れてほしい選手の名前を挙げておきます。入江順和(三洋)、松下馨(ヤマハ)、竹本隼太郎(サントリー)、成田秀悦(サントリー)、高忠伸(日本IBM)、望月雄太(東芝)、豊田真人(東芝)、大室歩(東芝)、重枝孝二(近鉄)、重光泰昌(近鉄)。どうです、キャップを持たない人の中では代表レベルに肉薄しつつある選手だと思いますが。 |
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こんばんは。 |
クラッシックラガー 2008/10/15 21:30 |
ユ選手、運動能力が高く、凄みがあって頼もしいLOです。ヒーナン選手、トニー選手と並んでいるとS14を見ているようです。 |
縁 2008/10/15 22:32 |
クラシックラガーさん、コメントありがとうございます |
なぎさ 2008/10/16 00:41 |
縁さん、コメントありがとうございます |
なぎさ 2008/10/16 00:57 |
おはようございます。 |
ウルトランナー 2008/10/16 05:44 |
ウルトランナーさん、コメントありがとうございます |
なぎさ 2008/10/17 00:41 |
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