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help RSS 関学、慶応に大敗も希望はあり〜関西学院創立120年/慶応義塾創立150年・創部110年記念試合

<<   作成日時 : 2009/05/12 00:51   >>

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画像 5月10日、近鉄花園ラグビー場で関西学院大学vs慶応義塾大学の試合がおこなわれた。関西学院創立120年、慶応義塾創立150年・創部110年を記念した試合。両校の交流戦は75年ぶりとのことである。両校に共通するのは、おしゃれなイメージ。試合前の校歌斉唱では多数詰めかけた関学関係者(OBOG、現役学生、選手の父兄に友人知人)が一斉に立ち上がり、神妙な面持ちで校歌を口ずさんでいた。オジサンたちはともかくとしても、ご婦人がたはみんな、関学という校名が醸し出す特別な気品を漂わせていらっしゃる。交流戦とは思えない熱い視線が集中する中、慶応のキックオフで試合が始まった。

 先制したのは慶応。bW小澤直輝がスピンを使って前進すると、安定した球出しと正確なパスワークによる連続攻撃へと移行して左WTB三木貴史が7分にトライ。しかし関学も、SH芦田一顕がラックへの素早い寄りから好リズムを演出し、ボールを動かす。11分には敵陣22メートルライン付近で芦田からFB渕本伸二郎、右LO小原正とつないで左へ展開。数的有利な状況を作ったかに思われたが、正面タッチ際に待つ左WTB片岡将へのパスに慶応のディフェンダーがよく対応、片岡をきっちりと止めた。内へ切り返した関学のサポートは不十分。慶応にボールを奪われてしまう。小原の前が開いていたし、タックルに来られてもミスマッチという局面。素直に順目へパスしなくても、と思わせるシーンだった。

画像 慶応は、ゴール前のラックそばへ走り込む左PR川村慎にSH藤代尚彦がパスを合わせてトライを追加。18分にも近場での連係が冴え、ギャップを抜けたSO竹本竜太郎に三木がタイミングのいいサポートラン。コンバージョン成功で0×19と差が広がった。

 関学の反撃は25分。キックによる地域戦を支配し、敵陣へ居座ろうとしていた。蹴り合いの中、マーク!の叫び声がスタンド中段にいる僕にも聞こえた竹本のフェアキャッチをレフリーがなぜか認めない。そのポイントを急襲してターンオーバーに成功すると、芦田、SO小樋山樹、bW大滝真史、HO緑川昌樹の手をボールが渡り、パスをもらって再びボールを手にした芦田が自ら勝負。ラックになると今度はFWに拘った。最後にインゴールへボールを叩きつけたのは左FL山本真慶。昨シーズンの快進撃をVTRで観ているかのような、BKとFWの共同作業によるトライである。渕本がゴールを決めて7×19。この時点では、うまくすれば食い下がっての接戦も可能と思わせたのだが……。

画像 慶応が1Tを追加し、7×24で前半を終了。後半、関学はエリア制圧を目論んでキックを多用するものの、ことごとくダイレクトタッチとなって地域を戻されてしまう。前へ出る関学ディフェンスとのすれ違いのプレーでラインブレイクした左CTB落合陽輔に渕本が低いタックルを突き刺し、次のフェーズのラックからボールを奪って展開するなど、苦しい中で奮闘したが、10分、右CTB松本昌士が竹本の渾身の一撃に倒されてノットリリースザボール。慶応はクイックタップから右WTB保坂梓郎がフィニッシュして、コンバージョンにも成功。7×31とし、その後も攻撃の手を緩めずに3T1Gを追加。最終スコアは7×48。75年ぶりの交流戦は慶応の圧勝で幕を閉じた。

 両校の、昨年度の公式戦ラストゲームのメンバーを確認してみた(慶応は大学選手権1回戦、対帝京大。関学は同2回戦、対法大)。慶応FB仲宗根健太、関学WTB長野直樹(法大戦はケガで欠場)の両タレントの名前はないものの、昨年度のラストゲームに先発した選手が慶応8人、関学11人。メンバー構成と内容から感ずるに、両校ともがモチベーションを高くして臨んだ試合であったということはいえる。おそらく秋もこの日出た選手とさほど変わらないメンバーになると思われるので、この試合から感じたこと、分析したことは無駄にはならないはず。いくつか書き記してみよう。

画像 まずは勝利チーム、慶応から。関学と比較して決定的に上であることを痛感したのは、前へ出る強さ。とくに小澤は目立っていた。キャプテンの左FL松本大輝も仕事をすべき場所へ常に顔を出す。この2人に加えて、両PRも昨年のラストゲームの先発組、川村慎と廣畑幸太朗で、このうち川村はランニングスキルを有するばかりか、意外にもキックのセンスがある1番だったりする。フィールドプレイヤーとしての活躍が楽しみだ。FWはスクラム、ラインアウト、運動量の3つともに合格点。あえていうなら、早稲田、帝京、明治と戦った時に“軽さ”が出るかもしれない、ということくらいか。

 FWの献身的な働きを掘り起こしてきて他者の眼前へと突きつける。そんなシブ系ファンであっても、この試合のMOMは竹本を推したくなるのではないだろうか。昨年は川本祐輝(現NTTコム)という技能者がいて主にCTBでの出場だったが、サントリーの竹本隼太郎選手の弟さんという良血は伊達ではなく、観客を湧かせるプレーを幾度となく見せつけた。この人、パスに拘りがあるのかな、と個人的に感じる。おのれの眼が最高に正確な物差し、という域に達した工芸職人が最終チェックのひとにらみでゴーサイン、それと同時に作品へ魂が入る。そんな匂いのするフラットパスに、スピードに乗ったランナーが角度をつけて走り込んでくるのだ。ハーフレンジでこのプレーを仕掛けてくるのが、敵にとって読みづらく、脅威となろう。総体的には堅実なSO。いい男にたとえるなら、その気になれば3、4人の女を弄ぶのは朝飯前なのに案外一途、というタイプに映った。が、後半途中になって、味をしめたかのようなステップで自ら抜いていくシーンもあって、悪女に遊ばれないだけのしたたかさは持っている。今後チームの顔としてクローズアップされることだろう。慶応ファンの立場を代弁すると、

画像 「同学年の早稲田、山中亮平に負けないよ。玄人受けするのはこっち」

 と啖呵を切りたくなる選手だ。ほかにもBKには有能な選手が揃っていて、例年どおり、点の取れるBKという印象である。

 大敗を喫した関学の方がどうか。チームの方針はちっとも間違っていない。芦田は、3年前の田中史朗(京産大、現三洋)とキム・チョルウォン(大体大、現近鉄)のレベルへ達する可能性のある選手だと思っている。意図するように事が運ばないシーンも多々観られたが、ボックスキックやキックパスに臆することなくトライしてほしい。小樋山、渕本、片岡と効果的なキックを蹴れる選手が複数いる。チームのテーマとして、飛び道具のキックに磨きをかけてほしい。

画像 関西勢に共通する課題はフィジカル面だといわれている。運動量が落ちてきた後半に重量感が薄れた感はあったが、絶望的なフィジカル負けではない、と僕は思う。地上にあるボールをめぐる攻防であっさり乗り越えられる、めくられる、が、なかったからである。ボールが動くと慶応、は揺るぎのないところ。ボールキャリアーに自由にさせないコンタクトを研究する必要がある。関学は粘り強いディフェンスが持ち味で、タックルそのものは低く鋭い。ボールにも絡める。ただ、倒し切る強さと2人目の的確な入り方がほしい。それがあれば、間違いなくこの試合は接戦だった(そこがいちばんの課題なんでしょうけど)。サポートに優れ、ボールキャリアーのA、短いパスをもらうと思われるB、その次にボールへ触れるであろうC、というトライアングルを常に形成してくる慶応に空中でつながれたのは痛かった。緑川、右FL西川征克、大滝が地味な仕事に忙殺されてしまうのは惜しい。ひとたび彼らがアタックへ参加すると、慶応とてタジタジだからである。bP、bQになれそうな女の子が皿洗いや表の掃きそうじばかりしているのはもったいない。そうした滅私的シーンにグッとくる心理もあるにはあるが、まあ、関学の場合はそうじゃないんですよ。関西リーグにおいて、人数をかけないブレイクダウンを観る機会を得た人は、このことをきっと理解してくれるはず。この3人に、いい選手だなァ、と唸ることは必至。とにかく嗅覚が鋭いのである。

 前半押されたスクラムも、後半は巻き返しに転ずるシーンがあり、ラインアウトもまずまず。FW勢はこの時期に慶応と当たっていい勉強になったと思う。BKからはイの一番にピックアップした芦田のほかに片岡。横幅があって頑健。いいディフェンスをする。11番に入った時の東芝、オト・ナタニエラ。あんな感じの働きを期待したい。あと、昨季の“関西大学ラグビー界の吉田大樹”が同志社の宮本啓希(現サントリー)だったならば“忠伸的存在”といえた小樋山がSOに、SOだった渕本がFBへ回っていた。ずっとこの布陣で行くのかな? ちょっと気になるところである。メンバー表をひと目見て、えっ!?と声が洩れたのがそこだったので。

 どうしても、慶応をチャンピオン、関学をチャレンジャーとして観てしまうので関学寄りになってしまったが、ご了承願いたい。最後に、両チームともクリーンファイトの清々しい試合で、点差よりも楽しめた試合であったことをつけ加えておく。

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ノーシードの星を目指して・関西学院高等部vs天理〜近鉄花園ラグビー場
 関西学院創立120年/慶応義塾創立150年・創部110年記念の関西学院vs慶応義塾大戦についてはすでに観戦記をUPした。当日、花園で配布されたパンフレットの表紙には「同時開催/関西学院ラグビーカーニバル」の文字がある。午前中、第2グラウンドを使用して兵庫県のラグビースクールの子供たちによるトーナメント大会が開かれ、そのあとにカーニバルのメインイベントとして、第1グラウンド、12時半キックオフでおこなわれたのが関西学院高等部vs天理高校の1戦である。 ...続きを見る
ワンダーランド・なぎさ亭
2009/05/13 00:37
スクールの子供たちの試合を観る
 5月10日におこなわれた関学大vs慶応大、関学高vs天理の観戦記をたてつづけにUPした。もうヘトヘトである。当日、東花園の駅へ着いたのは11時過ぎ。街は東大阪市民ふれあい祭りで賑わっている。神輿が練り歩くラグビーロードをすり抜け、屋台が犇めくラグビー場前の公園の人波をかき分けて、チケット売り場へと辿り着く。メインスタンドに腰を下ろし、持参のスポーツボトルで喉を潤しながら第2グラウンドの方を見ると、そこではラグビースクールによるトーナメント試合の真っ最中。初夏の陽射しが照りつける中、さっそ... ...続きを見る
ワンダーランド・なぎさ亭
2009/05/13 21:49

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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
 おはようございます。
 関学、昨年2回ほど仕事関係で行きました。ワタシはもともと東京の下町育ち(生まれも)ですが、それでもその高名は轟き渡っていました。初めて見る神戸の上品な大学、一発で気に入ってしまいましたよ そう言えば、神戸大学も素敵でした。やっぱり神戸はお洒落だなあ
ウルトランナー
2009/05/12 07:05
 ウルトランナーさん、コメントありがとうございます
 関学に神戸大って山の手の方に建ってますよね。それなのにキャンパスからは遠くに海が見える。海が見える高台っていうのは、人間の心をきれいにする何かがあるんですよ、きっと。
なぎさ
2009/05/13 00:30
はじめまして。
私も花園で観戦しました。関学関係者席のすぐ後ろ中央でした。
素晴らしい観戦記に脱帽です。
いつまでたってもミーハーなファンだと再認識しました。
ありがとうございました。
関学がんばれ、点差は開いたけど 収穫のあるゲームだったと思います。
英斗
2009/05/13 08:58
 英斗さん、はじめまして。コメントありがとうございます
 当日は好天にも恵まれ、絶好のラグビー日和でしたね。関学の“らしさ”は出ていたのではないかと思います。両校ともに秋へ向けての成長が楽しみになる1戦。本格的なラグビーシーズンの到来が待ち遠しいです
なぎさ
2009/05/13 22:02
お早うございます。仕事のため関学・慶応戦が行けなかったので、観戦記本当に楽しく読ませて頂きました。ただ今年の関学は、SOとFBが入れ替わっていて驚いています。こんなことってよくあるんですか?

西宮恵比寿
2009/05/16 05:45
 西宮恵比須さん、はじめまして。コメントありがとうございます
 SOとFBの入れ替え……昨年のトップリーグ、NECにおいて本来SOのヤコ・ファンデルヴエストハイゼンがFBに、FBに入ることが多い松尾健がSOに、というシーンがありました。リコーのラーカム選手は豪州を代表するSOなのですが、トップイーストのシーズン後半になってFBが定着。チームの方針によってSOの選手がFBへ下がるのはままあります。関学も何か意図するものがあっての布陣なのだと思いますね。その意図が何であるかはちょっとわかりませんけど。
なぎさ
2009/05/16 23:39

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