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zoom RSS 細田退場のピンチにも動じず ジャパン、終盤の反撃をしのいで白星発進〜テストマッチ カナダvs日本

<<   作成日時 : 2016/06/16 06:00   >>

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画像 日本時間の6月12日朝、バンクーバーでカナダvs日本のテストマッチがおこなわれた。ジャパンはbWリーチ マイケル、FB五郎丸歩など一部主力に故障者が出ていて、HO堀江翔太が今回の遠征には不参加だったものの、海外クラブ組、サンウルブズ組、アジアラグビーチャンピオンシップで代表チームとして戦った面々が集結した。FWが全員、日本生まれの選手で構成されていることもあって、興味津々の1戦。僕は、アジアラグビーチャンピオンシップのメンバー、あるいは今まで代表での活躍がなくてサンウルブズできっかけをつかみつつあるプレーヤーのメディアを通して伝えられる言葉から、選手のマインドが以前よりもポジティブな方向へ変わっていると感じている。彼らが代表の新たなスパイスとなるはずだ。また、今年から代表は長期合宿型ではなく、テストマッチシーズンに合わせて短期間のセッションを繰り返すスケジュール。1年間でチームを作っていくスタイルに慣れ切った選手が多いと思うが、今後は効率よく力を結集、早くチームへフィットすることが重要になる。僕は、アジアラグビーチャンピオンシップのメンバーに関し、短期間でまとまりを得るという面において合格点が挙げられると思っている。これがジャパン全体へ波及することを願わずにはいられない。1人、得難い選手がジャパンへ加わったと思うので、名前を挙げておこう。金正奎。まるで、廣瀬俊朗がFLになって帰ってきたかのようだ。


   ☆ ☆ ☆

 【●カナダ22×26日本○

 前半2分、ジャパンは右WTBパエア ミフィポセチの好タッチキックをきっかけに地域で優位に立ち、3分に敵陣10メートルと22メートルのあいだのラインアウトから左順目を3フェーズに渡って攻めた。しかし、右へ折り返してワンパスの4次、左FL細田佳也のポイントで2人目のサポートが遅れた。bWアーロン・カーペンターと右CTBブロック・ストーラーに倒されてノットリリースボール。ブレイクダウン要員の右LO小瀧尚弘がHOレイモンド・バークウィルにブロックされる不運はあったが、FWがフラットに並んでいたのが、サポートが遅れる根本の原因。このPKにより、敵陣10メートルでラインアウトを得たカナダは4次、右FLルーカス・ラムボールがピック&ゴーで躍動感たっぷりに前進、左PRディージャスティス・シアーズデュリュへオフロードパスをつなぐなど、近場のFW勝負でゲインを重ねる。そして11フェーズ目にフィニッシュ。6分、ラムボールが右へさばき、左LOジェイミー・カドモアの順目オフロードパスをもらった左WTBテイラー・パリスが右中間へトライ。カナダが5点を先制した(SHゴードン・マクローリーのゴールは不成功)。

 ジャパンは7分に左LO宇佐美和彦がSOパトリック・パーフリーのキックを敵陣でチャージダウンしたのが効き、主導権を握った10分、SO田村優がオフサイドのPG。3点を返した。カナダは12分、敵陣10メートル過ぎのラインアウトから2−5−9−10−12と右へ展開し、アングルチェンジで左CTBニック・ブレビンズがクラッシュしたあと、9−15と左へ回し、FBマシュー・エヴァンスが左裏へグラバーキック。ストーラーがチェイスする。逆目の裏は順目に気をとられた守備側のキック処理陣形が疎かになることがままあるし、地域獲得を思えばこのプレー選択は正解である(個人的な好みをいえば、ラインアウト起点でセンタークラッシュ後に逆目を攻めるなら、組織防御しづらくてミスマッチができやすいという状況を踏まえたパスムーヴが一番。場所的にいって、キックを蹴るのはちょっともったいない。チェイスが13単独ではなく複数なら大賛成だが)。ジャパンはパエアがしっかり裏のスペースをケアしていたが、ノックオン。12分、カナダは敵陣22メートルを越えた位置左でスクラムのチャンスを迎えた。ジャパンはSH田中史朗がこぼれ球に反応し、マイボールとしてピンチ脱出。さすがは田中、という好守備だった。15分、相手ダイレクトキックにより、ジャパンは敵陣10メートルでラインアウト。ところが、16分、こぼれ球をセービングした田中がノットリリースザボールをとられ、再び劣勢になった。カナダはこの敵陣22メートル手前のラインアウトで人数を合わさないFKを得て、ピッチ右でスクラム。3次、9−10−13−11の左展開で残り6メートルへ肉薄したあとは、近場をゴリゴリと突いた。オフサイドのアドバンテージが採用された19分、マクローリーが速攻し、チャンネル0を攻めた4フェーズ目、バークウィルが低い姿勢で左中間へ潜り込んでいった。

 コンバージョンも決まり、12×3。カナダは23分、ジャパンのラインアウトミスによって敵陣10メートルでマイボールとした3次、9−15−12−13と右の狭いほうへ回した。1人多いオーバーラップでタッチ際をストーラーが前進、敵陣22メートル内へ入ったが、FB松島幸太朗のコンタクトを受けてノックオン。窮地を逃れたジャパンは26分、SHに対するキックチャージを妨害するオブストラクションのPKにより、敵陣22メートルへ進出した。ところがスチールされ、bW堀江恭佑がマクローリーのキックを捕球後にタッチを割ったという判定で逸機。28分にはキックカウンターの4次、9−13−11の左展開で敵陣22メートルへゲインした左WTB笹倉康誉が14、12に捕まってタッチへ出されるといった具合に、もどかしい場面が続いた。しかし、停滞ムードは好守備のターンオーバーによって一掃される。30分、ハーフウェイのラインアウトから2−4−9−12と左へ展開するカナダ。ジャパンは右FL安藤泰洋がブレビンズへタックルすると同時にボールをもぎ取った。そのままゲインし、敵陣22メートル付近へ。ノットロールアウェイのアドバンテージ後、残り5メートルでラインアウトと絶好機を迎えた。コラプシング、オフサイドと、カナダはドライビングモールに対する反則を繰り返す。33分、ジャパンは安藤にスローを合わせたモールをドライブし、HO木津武士が左中間でボールを押さえた。コンバージョンも成功し、12×10。

 さらにジャパンは40分、ノットロールアウェイのPG。12×13と逆転して前半を折り返すと、後半開始早々、キックオフキャッチのポイントでノットロールアウェイのPKを得た。0分、ハーフウェイ過ぎのラインアウトから2−5−21−10−12と左へ展開したあと、田中の負傷によってSHへ入った茂野海人が右の逆目へさばき、木津が左リターンパス、13番ティム・ベネットが裏へ抜けた。木津の右には田村がループ状に移動していて、ループを使ったバリエーションの豊富さに定評のあるアイルランドのようなサインプレー。ここまで逆目を使っていなかったこともあり、カナダの防御は混乱。ところが、ベネットが倒されたポイントで後続がオフザゲートを犯し、このラインアウトで細田がスチールに成功した3フェーズ後、21−10−15と右へ展開してスイッチで入った松島が落球と、ミスが続く。カナダは3分、地面のボールの争奪戦に勝ってパリスが左奥へキック。自らチェイスし、処理したパエアをインゴールへ押し込んだ。キャリーバックにより、残り5メートル左でスクラムの絶好機をつかんだカナダは5分、左8単からカドモアが左サイドを突き、小瀧と細田のタックルをもろともせず左中間へトライ。17×13、再びリードを奪った(ゴールは不成功)。

 ジャパンは7分、キックキャッチを起点にボールを動かす。この局面で1、6がピッチ左へ残っていたのを見ると、ポッド系のグループ分けを採用しているのは明らかだったし、田村の内側にリンクプレーヤーを常に置こうとしていた。おそらく現在のジャパンが取り組んでいる陣形だったと思う。10分、パスに手を出したカナダのノックオンにより、敵陣22メートルやや左でスクラムを得たジャパンは8−10−11と右へ展開。笹倉が角度を変えて突っ込んだ。ここでカナダは、カーペンターが倒れたままボールへ働きかける悪質な反則。シンビン処分を受けた。ジャパンは手堅くPG。17×16とすると、12分にキックキャッチの2次、21−10−12−10−15−11とループを使った左展開で笹倉が残り8メートルまでゲインした。右ワンパスを2フェーズののち、21−10の左、人が少なく組織もなくなっていたカナダの防御の隙(しかもミスマッチ)を衝き、田村がステップでゲイン。左中間へ肉薄する。トライは時間の問題かと思われたジャパンだったが、ラックのブローに入った細田がノーバインドでマクローリーの首へコンタクトしてしまった。ラフプレーを咎められ、レッドカードで退場処分。チャンスを逃しただけでは済まない痛恨の反則だった。

 カナダは17分、18分と続けてPGを外し、追加点はならず。21分、ジャパンは松島がハーフウェイ付近で相手ハイパントを好捕したポイントから21−10の右、田村がギャップを抜けようとした。茂野のパスにスローフォワードの判定が下ったのは惜しい。しかし26分、ラックにおけるネックロールのPKを得て敵陣22メートルへ進出。このチャンスは5次の左ワンパス、右PRへ入っていた垣永真之介のノックオンで頓挫したものの、28分に途中出場のSHジェイミー・マッケンジーのダイレクトキックにより、敵陣10メートルと22メートルのあいだでラインアウトの好機をつかむ。2−20−21−10−8の右展開でセンタークラッシュ。21−20の右で縦を突いたあと、茂野が順目へ回るディフェンスの不備を見逃さなかった。右サイドを突破。その右にはラピッドスピードの加速で松島が現われる。29分、茂野のパスをもらった松島が右中間へトライ。ゴールの2点を併せ、17×23、再逆転したジャパンは36分にノットロールアウェイのPGを追加。17×26とリードを広げた。

 しかし、ホームでぶざまな敗戦を喫するわけにはいかないカナダは粘りを見せる。ホールディング、モールサイドのオフサイドと連続PKを得た38分、残り10メートルでラインアウトの絶好機を迎えると、ドライビングモールでカーペンターが左コーナーへトライ。DKで狙ったコンバージョンは外れたものの、22×26として残り時間は20秒ほど。逆転勝ちに一縷の望みをつないだ。そしてリスタートキャッチを起点に自陣から猛攻。ビッグゲインこそなかったが、ボールを動かしながらの縦でじわじわとゲインを重ね、敵陣へ攻め込んでいく。ホールディングのPKを22メートル付近から仕掛けてワンパスでクラッシュしたあとは、ピック&ゴーオンリーで11フェーズ。強みであるFWの強さを存分に生かし、シアーズデュリュが右ポスト下をうかがったが、14、19らにグラウディングを阻止された。ヘルドアップインゴールとなったところで試合終了。ジャパンが辛くも勝利を手にした。




 カナダの追い上げは見事。2011年W杯で引き分けたときの終盤を思い出した。今のチームもここ一番の集中力に優れているということはいえよう。ただ、BKのパスがあまり巧くなくて止まって受ける形が多く、怖いランナーも少ないことから、武器はほぼFWの力勝負オンリーに限られていた。コツコツと近場を突いて取り切るか、そこで内へ防御を集め、下手なパスでもトライになるオーバーラップを作るか、という形でしかトライを奪えない状況だった。抜き所を心得ているCTBのDTH・ファンデルメルヴァ、パスを放すプレーヤーの選択に独特のセンスがあって自身でも突破を狙い、内外の駆け引きで相手防御を攪乱する巧さのあるSOネーサン・ヒラヤマがいれば、少しは変わったと思うけれども。セットピースもまだ整備し切れていないし、モールディフェンスの弱さ、後半になると運動量が落ちてディフェンスが完全に後追いになるなど、課題はいくつも見えたが、個々に焦点を当てると、ヨーロッパで長らく活躍するベテラン、カドモアに続きそうな素質ある選手が何人もいる。とりわけ、シアーズデュリュとラムボールの前へ出る力は目立った。シアーズデュリュはまだ22歳。フランスのエディ・ベン=アルースを彷彿とさせる機動力の持ち主で、スクラムの強さに磨きがかかれば面白い存在だ。オーストラリアのチームあたりなら、すぐに獲得意思を示してもおかしくはない。BKではエヴァンス。キックの飛距離と高度は世界レベルで、この日のBKメンバー中、唯一ランナーとして魅力を感じた。どことなくウェールズのFBリーアム・ウィリアムズに似ている。

 ジャパンは細田が後半13分に退場処分を食らったにもかかわらず、落ち着き払っていた。このメンタルの強さをまず評価したい。前半は順目主体にボールを動かして堀江恭や立川が楔を打ち、後半になると内返しやスイッチ、逆目を交え、疲れた相手をさらに惑わせた攻撃の組み立てには好感が持てた。経過を記す中でも触れたが、後半7分から10分にかけての連続攻撃におけるピッチを大きく使ったグループ分けと、SOの内へリンクを置く陣形を絡めたアタックが、現在のジャパンが軸に据えたい形だと推測する。スクラムも安定。ディフェンスもよく前へ出ており、後半はキックキャッチでも好プレーが何度かあった。課題は田中のキックに対するチェイスの鈍さか。ただ、田中は負傷によってスコットランドとの2連戦で欠場を余儀なくされ、ほかのSHのプレースタイルからいってハーフの位置で蹴ることはあまりないと思われる。この日、好調だった田村(別の選手がSOで先発するかもしれないが)が同じように質の高いキックを蹴り、相手にカウンターアタックのビッグゲインを許さないことがスコットランド戦で勝つための絶対条件。もちろん、スクラムとラインアウト、セットピースの出来も鍵を握り、とくにラインアウトはまだ不安が残る。ピックアッププレーヤーは松島。ディフェンス、キック処理、ライン参加の3点が良好で、この出来を見ると、WTBではなくFBで使ってみたくなる。

付記 本文中、選手名の敬称は省略としました。

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