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zoom RSS ブルーズ、前半リードで折り返すも クルセイダーズ、慌てずに逆転勝ち〜スーパーラグビー第14節(4)

<<   作成日時 : 2016/06/03 06:00   >>

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画像 ウインドウマウス前の最終第14節のTV観戦記(4)は,28日のブルーズvsクルセイダーズ戦について。(3)、同日のブランビーズvsサンウルブズ戦の前文で書き漏らしたが、同カードの解説を担当した野澤武史さんの声がとても弾んでいた。何か楽しいことがあったのかなと思っていたら、野澤さんは、昼間の練習試合、サントリーvs東芝戦を観戦してきたとのこと(この日はOB戦もおこなわれた)。これで合点がいった。昼に現地観戦し、夜に映像で別の試合を観る……TLが開幕するとそういうことがよくあるけれども、生観戦の余韻が心に残る状態のTV観戦は本当に楽しい(花園から帰ってきて同日に組まれていた秩父宮の試合を観るといった具合に、夜に観るのはたいてい録画だが)。たぶん、野澤さんもそういう心理状態だったのではないだろうか。


   ☆ ☆ ☆

 【●ブルーズ21×26クルセイダーズ○

 前半1分、ブルーズはラインアウトでエアチャージのPKを得て敵陣22メートルへ進出した。ラインアウトスローが合わず、後ろでキャッチしたbWスティーブン・ルアトゥアが倒された際にノックオンしたものの、SHミッチェル・ドラモンドがテイクンバックのダイレクトキックを蹴ったことにより、同位置でラインアウトと好機が継続。ところが、右順目を攻めて左へ折り返した4次、ワンパスのHOジェームズ・パーソンズがドラモンドに倒され、左FLジョーダン・タウファに絡まれてターンオーバーされてしまった。この場面でパーソンズは最初の関門、屈強な両LOのダブルタックルをもろともせず前進していた。それなのにSHのタックルに沈んだのは、エベレストを征服した登山家が生駒山で遭難するようなものかもしれない。だが、タックルは懐へ正しい姿勢で入れば必ず倒せるという好例でもあった。

 クルセイダーズは4分にもブルーズの左展開、13番ジョージ・モアラに左CTBライアン・クロッティが詰め、内側からアシストでbWキアラン・リードがスライドタックル。右CTBキアロン・フォノティアのジャッカルでターンオーバーし、ピンチを脱出した。しかし6分、ブルーズはフォノティアがキックキャッチに失敗してノックオンしたことにより、敵陣22メートル手前左でスクラムの好機を迎える。2次、9−10の右展開でSOイハイア・ウエストが裏へグラバーキック。クルセイダーズはタウファが戻ってボールを確保すると、左ショートサイドへ回した。9−11。ここでFBイズラエル・ダグが左WTBネマニ・ナドロの右内へ素早くサポートしたのは好プレーだった。急な攻守交替の際、突破できる位置へ上がってくるのは現代のFBに必要不可欠なスキル。裏へ抜けたダグから左の13、右についた12、ポップパスを媒介にドラモンドとボールが渡り、クルセイダーズは一気に敵陣22メートル内まで巻き返す。ドラモンドが左WTBテヴィタ・リーにタッチへ出されたものの、8分、クルセイダーズはこのキックカウンターで再びチャンスメイク。捕球したナドロの左ショートサイド側へ回り込んだダグの動きが素晴らしかった。ダグは右WTBマット・ダフィーを弾き飛ばして前進。6フェーズ目にフィニッシュする。9分、9−8−11と左ショートサイドへ回し、リードのクイックハンズパスをもらったナドロが左隅へトライ。ブルーズは、守る人数はいたので、ナドロのトイメンに立っておきたかった。

 SOリッチー・モウンガのコンバージョンも決まり、0×7。ブルーズは15分、モウンガのキックを左FLジェローム・カイノが敵陣でチャージダウンした。クルセイダーズはダグが戻り、手渡しでモウンガがボールをもらったが、ポイントを乗り越えられてしまう。残り4メートル。ラックのボールが自軍側へ現われてターンオーバーしたブルーズは、モアラが左へさばき、9−10と左へ回すと、ウエストが慌ててスライドしたタウファをカットインでかわし、左中間を陥れた。タウファはウエストの内側の肩を押さえたかったし、内側のディフェンダーが前へ出てみんな無効化してしまう粗相はたしかにあったが、この緊急事態で守備側を責めるのは酷であろう。5×7(ウエストのゴールは不成功)。

 クルセイダーズは18分、モウンガが狙った40メートルほどのDGがクロスバーへ届かなかったところでノットロールアウェイのアドバンテージ採用、残り10メートルでラインアウトの絶好機をつかんだ。しかし、モールのデリバリーミスから1〜2パスの縦中心のアタックがブルーズに抵抗され、15次、右ワンパスの3番オーウェン・フランクスが3、2のダブルタックルを食らってノックオンした。このキックキャッチの2次、クルセイダーズは9−10−5−4の右展開で左LOルーク・ロマノが落球。ブルーズは左CTBピアース・フランシスがルーズボールを獲得し、ハーフウェイ付近で右についた7番カラ・プライアーへパスを放した。すれ違って形勢逆転の好機。ところが、プライアーがボールをこぼす。クルセイダーズはドラモンドが地面のボールを拾って左へ展開し、ナドロがキックを蹴ってチェイス。処理するFBメラニ・ナナイのキックをチャージダウンした。ナナイが後方へ戻ってボールを確保、事なきを得たブルーズだったが、地域の優勢はクルセイダーズ。25分、プレーオンザグラウンドのPKにより、クルセイダーズに敵陣22メートル内でラインアウトのチャンスが到来した。しかしモールから9−12の左、裏を狙ったクロッティのチップキックがうまく当たらずに足元へ転がっただけで、ブルーズボールとなった。ブルーズは27分、敵陣10メートルのラインアウトで、カイノがタップしたボールをキープするSHビリー・ガイトンがリードに捕まり、ターンオーバーされる。2フェーズ後、ブルーズは、クルセイダーズの9−10の右、モウンガに対してフランシスがラッシュタックル。ポイントを乗り越えようとしたが、ボールを奪い切れず。ターンオーバーを狙ったブルーズがポイントに人数をかけた分、クルセイダーズにとってはチャンスメイクの好機会だったが、直後、9−12−5の左展開で前進した右LOスコット・バリットが5番ジョシュ・ベックハイスに倒された所で、ガイトンのジャッカルを剥がそうとしたフランクスがオフザゲートを犯した。このPGで敵陣へ進出したブルーズは30分、ラック成立後に手を使うハンドのPG。8×7と勝ち越しに成功した。

 ブルーズはこのリスタートをキャッチしたダフィーのタッチキックが伸びず、エリアを戻すことができなかった。31分、敵陣22メートルでラインアウトを得たクルセイダーズはボールを大きく動かしながらの連続攻撃。ブルーズは防御ラインへ勤勉に立って耐え、とくに8フェーズ目、9−10−12のカットパスを入れた左展開から右リターンパス、14番ジョニー・マクニコルを、右PRチャーリー・ファウムイナがプッシュアウトタックルで仕留めたのは見事だった。そして13フェーズ目、ブルーズはガイトンが右サイドを突いたドラモンドに絡んでターンオーバー。直後のキックカウンターの2次、9−10−3の左展開をベックハイスらが阻み、モールアンプレイヤブルに陥れた。34分、ブルーズは自陣22メートル中央でスクラムとひと息ついたが、クルセイダーズは37分、キックチェイスに対するオブストラクションのPGを追加。8×10とした。しかしブルーズは38分、敵陣10メートル付近で相手パスミスのルーズボールを獲得し、ウエストが右奥へグラバーのタッチキック。クルセイダーズの選手に触れたことにより、敵陣22メートルでラインアウトを得ると、2−5−9−10−14の左展開、ダフィーがモウンガの外側を抜け、ゴールラインへ迫った。左についたフランシスへパスすれば即トライだったかもしれない。残り1メートルでダフィーがナドロに止められたラックから9−10−13の左順目。5対4くらいの数的優位ではあったがスペースはなく、鋭くてフラットな飛ばしパスを投じない限り、攻撃側が有利とはいえない状況だった。ビッグゲインされたあとにもかかわらず、守れる態勢を作ったクルセイダーズを称えたいところである。しかし、この場所なら角度を使った流れ込みを狙える。モアラがわずかに斜め外へ走り、狭い所を抜いて左中間へトライ。コンバージョンの2点を併せ、15×10、ブルーズの5点リードで前半が終了した。

 後半のキックオフはクルセイダーズ。ここでブルーズは、ファウムイナがチェイスを妨害するオブストラクションを犯した。直後のPGは右へ逸れて不成功に終わったものの、2分、クルセイダーズはノットロールアウェイのPKを得て残り6メートルでラインアウトの絶好機を迎える。ブルーズがモールディフェンスを焦ってラインアウト解消前に密集へ入ろうとするオフサイドのPKにより、3分、残り5メートルでラインアウトとクルセイダーズのチャンスが継続。ブルーズはラインアウトスチールに成功し、ビッグプレーが飛び出したと思ったのもつかのま、1次の右ワンパス、左LOパトリック・トゥイプロトゥが4、7のダブルタックルを食らってノックオンした。ボールへコンタクトした右FLマット・トッドのファインプレーだ。クルセイダーズは左PRジョー・ムーディーが地面のボールを拾い、10−12と左へ回してクロッティが左斜めラン。スイッチで入ったフォノティアが左中間へなだれ込む。16、6に阻まれてグラウディングはならず、4分、クルセイダーズは残り5メートル左のスクラムで仕切り直し。右8単から順目へ放し、ナドロが中央へ突っ込んでいった。8、11に寸前で倒されたあと、密集から抜け出たナドロがピック&ゴー。しかし13、7らに止められ、TMOでもグラウディングは認められなかった。ここでプレーオンザグラウンドのアドバンテージが採用され、6分、「今回はこれぐらいにしといたるわ」とばかりにPG。15×13となった。

 ブルーズは9分にハンドのPG。すぐに取り返し、6分にクルセイダーズがPGの3点で勘弁してくれてよかったという流れになりそうだったが、12分、ウエストが右奥を狙ったキックがデッドラインを跨いだナドロに処理された。せめてインゴールで止まってドロップアウトになっていれば、と悔やまれる。クルセイダーズは敵陣10メートルと22メートルのあいだでスクラム。しばらくのあいだ、地域戦で不利に立たされたブルーズだったが、18分、キック処理のナドロからオフロードパスをもらった途中出場の右LOジミー・トゥポウを、ルアトウアがタッチへ押し出したことにより、敵陣10メートルでラインアウトと、形勢逆転の足掛かりをつかんだ。ところが3次で右へ折り返してワンパス、カイノがリードとトッドに抱えられてモールアンプレイヤブル。ハーフウェイ右でスクラムを得たクルセイダーズは21分、6フェーズに及ぶ連続攻撃で仕留める。ピッチ右を1〜2パスで重点的に攻めたのち、21−12−13と左オープン側へ振り、フォノティアがウエストをタックルブレイク。SHへ入っていたアンドリュー・スミスが右へサポートし、リーに捕まりながらも左中間へトライ。ゴールも成功して18×20、クルセイダーズがリードを奪った。

 ブルーズは24分、敵陣10メートルのラインアウトを起点に攻め、10次、9−4−10−13とロングパスを交えて左へ展開した。人数が余っておらず、モアラは簡単に捕まったが、直後、途中出場のHOクエンティン・マクドナルドが空いていた左サイドをピック&ゴー。裏へ抜けて22メートル内へ入った。ところが、左へ放したパスが味方へ通らない。クルセイダーズはフォノティアがルーズボールを獲得し、ハーフウェイまでゲインしてカイノが追いかけてきたタイミングで右裏へキック。自らチェイスして処理するダフィーを潰し、ノットリリースザボールのPKを得た。26分、クルセイダーズに残り5メートルでラインアウトの絶好機が到来。このチャンスはトゥポウが倒れ込みを犯して頓挫したものの、28分にハイパントキャッチのダグがラン。そして21−12と左へ回し、クロッティが外へ飛んだ21の内側を抜く。次フェーズ、21−11−17の右展開でノックオンしたものの、TMOに諮られた結果、接点の攻防でブルーズはフランシスがノーバインドで肩から相手にぶつかっていく狼藉をはたらいていた。29分、クルセイダーズは手堅くPGを追加。ブルーズとしては、最初にダグがカウンターランで勝負した場面で、前方にいたエリスがタックルの邪魔になったのをオブストラクションにしてほしかったに違いない。スロー映像で見ると明らかにオブストラクション。だが、レフリーは瞬間的に、ブロックする位置の選手へわざとタックルしてPKをもらいにいく行為であると判断してしまったのかもしれない。

 クルセイダーズは34分にもオフザゲートのPG。18×26とした。残り5分で8点ビハインドは重い。37分、ブルーズはハーフウェイ過ぎの相手スクラムでコラプシングのPKを得ると、ショットを選択した。とりあえず5点差にし、トライ&コンバージョンで逆転という目論見。しかし、ウエストのPGが右へ逸れて不成功に終わったことにより、逆転勝利の可能性が潰えた。ブルーズは41分、レイトタックルのPG。21×26とし、なんとか7点差以内の負けに与えられるボーナスポイントを確保した。




 ブルーズとしては、ワイルドカードでプレーオフへ進出するために是が非でも勝ちたかった1戦。ボーナスポイントの勝ち点1を追加したとはいえ、痛い敗戦である。まずは美点のほうを指摘しておきたい。この試合はディフェンスが良化。防御ラインへ勤勉に並んでいた。前半32分、クルセイダーズの連続攻撃を受けたピンチ、9−10−12の左展開から右リターンパス、ブラインドWTBのマクニコルを、ファウムイナがプッシュアウトのタックルで仕留めた場面は白眉。フェーズを重ね、FWの動きが鈍ってくるころに内返しを狙った組み立てに対し、きっちり止めて見せたのだ。昨季までなら間違いなく抜かれていたケースだろう。後半4分に攻守交替、ゴールラインを背に守った1次攻撃、左斜めランのクロッティにスイッチで入ったフォノティアに、内側からマクドナルドとカイノが駆けつけてヘルドアップインゴールにして耐えたシーンにも、成長がうかがえる。接点を見切るのかファイトするのかの判断もよくなってきた。今日のメンバーでいえば10、12の守備に課題が残るし、クルセイダーズと比較すれば戻ってくるプレーヤーが少ないといった面はあるけれども、NZカンファレンスの完全な1弱という屈辱的な地位を脱して戦える体制が整ってきたことを裏づけるゲームだった、といっていいだろう。それでも負けたのは、後半にペナルティが嵩んだことと大事な局面で出たミス、試合全般を通じたキックの拙さを指摘しておきたい。キックに関しては前半から相手にとってカウンターしやすい、危なっかしい凡キックをいくつも蹴っていて、ディフェンスの粘りでなんとか耐えていたという感じだった。アタックはFWをグループ分けして攻めるポッドシステムだが、それ以前に、ラインアウトを起点にしたストラクチャーのインパクトが物足りない。ここでBKへ展開する際、モアラのセンタークラッシュとブラインドWTBを絡めた駆け引きを主体にしていたけれども、オールメンで並び、手前に投じたスローからパスムーヴを仕掛けるのはよくない。レシーバーのパスが長いと、相手に時間的な余裕がある。また、オールメンでFWがみんなラインアウトに貼りついている分、1次のエキストラが少ないうえ、2次以降でFWを使う場合も動けるFWのみが順目へ回り込む状態で、アタックが見やすくなっていた。他カンファレンスとの対戦なら、モアラのセンタークラッシュを軸に組み立てればそれで十分だと思うが、NZ国内との対戦ではひとひねりが必要である。あと、横のアタックラインが深すぎる場面が多々あった。後半25分、マクドナルドがピック&ゴーでゲインする直前の左展開や、同38分の後ろを通した右展開が顕著な例で、クルセイダーズに余裕をもってドリフトされていた。前へ出るディフェンスを警戒したのかもしれないが、防御ラインとのあいだにスペースがある場合はアドリブでドーンと縦に仕掛ける、あるいは斜めランからスイッチといった方法を画策したほうがいい。もう1点、SHとワンパスでボールをもらうFWの呼吸が今ひとつ合っていなくて単調だった。ここが改善されれば、チャンネル1で崩す場面が増えてくるはずだ。ピックアッププレーヤーはハードワークが光ったファウムイナとベックハイス。

 クルセイダーズは途中でビハインドを背負っても動じない落ち着きがあった。ディフェンスセットの速さも秀逸。後半になってブルーズの精度が徐々に失われていくのを尻目に、堅守をベースに負けないゲームをした。また、前述したようにキックコントロールでも両者に差を感じた。ピックアッププレーヤーは出場停止明けのナドロ。当たりは強いし、オフロードパスも巧い。タッチ際のアタックにインパクトが加わった。ダグもFBとして的確なプレーに終始。この2人が好調だと、キックカウンターで主導権を握ることができる。また、フォノティアも気風のいいゲインが目立った。このチームにはクロッティが先に縦を突いたあと、10番起点でディフェンスの穴に目を光らせながらプレー選択するという形があるけれども、クロッティのクラッシュはどこかアリバイ的で、ピッチ中央に立つ1、3、4、5のボールキャリーに比重がかかり過ぎているきらいがある。別の思惑はあるだろうが、フォノティアにももっと縦を突かせるべきだろう。FWではリード、タウファ、トッドのバックロー3人がソツなく激しくオールアウトのパフォーマンス。充実していた。

付記 本文中、選手名の敬称は省略としました。

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