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zoom RSS チーフス、クルセイダーズを貴重な勝ち星 NZ首位へ浮上〜スーパーラグビー第15節(1)

<<   作成日時 : 2016/07/05 05:55   >>

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画像 1日、フィジーの首都、スバで当地初となるスーパーラグビーの公式戦、チーフスvsクルセイダーズ戦がおこなわれた。フィジー代表、NECで活躍したクルセイダーズのネマニ・ナドロを始め、両チームにはフィジー系の選手が複数いて、あいにくの雨にもかかわらず、スタジアムはほぼ満員の盛況だった。

 フィジーの試合ではなぜか画面の時計表示がフルタイムになっても試合が続行することがよくある。かつて日本代表がPNCで試合をしたときもそうだった。この日もタッチキックで前半終了と思いきや、まだ時間が残っていて、そのあいだにクルセイダーズがトライを挙げた。フィジーは時空が歪んでいるのだろうか。ただ、この試合のケースは、レフリーの時計とタイムキーパーの連係が不十分ということだったと推測する。

 NZグループは激戦が続いている。3位チーフスとしては、プレーオフ進出へ前進するとともにレギュラーシーズン首位通過へ向け、1位クルセイダーズを是が非でも叩いておきたい1戦だった。


    ☆ ☆ ☆

 【○チーフス23×13クルセイダーズ●

 クルセイダーズは前半1分、3分、4分と相手PKにより、敵陣奥でラインアウトの大チャンスをつかんだ。3度目のラインアウトモールにはBKも入り、左WTBネマニ・ナドロがボールキャリア。チーフスは右LOブロディー・レタリックがナドロに働きかけ、地面でノックオンを誘ったが、スクラムから速くボールを出した9−12の左、インサイドCTBのアントン・レイナート=ブラウンがノックオン。6分、クルセイダーズは残り5メートル左でスクラムと絶好機が続く。しかし、チーフスは右FLサム・ケインがスクラムのこぼれ球を奪ってターンオーバーした。クルセイダーズはこのキックカウンターでハンドリングエラーを犯し、しばらくのあいだ、地域で不利を蒙ったが、14分、相手ハイパントをFBイズラエル・ダグがキャッチし、14−7−10と左へ展開、SOリッチー・モウンガの右についたSHアンドリュー・エリスが敵陣奥へゲインし、再びチャンスを迎える。2フェーズ後の左展開、タップパスをもらったナドロが、レタリックのタックルを受けながら左FLジョーダン・タウファにオフロードパスをつないだプレーに観客が沸いた。6次の右ワンパス、7番マット・トッドがSOスティーブン・ドナルドに阻まれた接点のボールがこぼれたものの、チーフスのSHブラッド・ウェバーがインゴールへボールを持ち込むキャリーバックにより、16分、クルセイダーズは残り5メートル左端でスクラムと絶好機が継続。ホールディングのアドバンテージが採用された18分、モウンガが手堅くPGを決め、クルセイダーズが3点を先制した。

 19分、クルセイダーズはナドロがキックカウンターの右CTBセタ・タマニヴァルをアンクルタップで倒し、左LOスコット・バリットがジャッカルに入った。ところが、バリットはボールを奪い切れずにノックオン。敵陣10メートル過ぎ右でスクラムを得たチーフスは、2フェーズで仕留める。bWトム・サンダースの左8単から9−10−13と左へ展開、相手FBが上がっているのを見据えていたタマニヴァルが左裏へグラバーキックを蹴った。20分、チェイスの左WTBジェームズ・ロウが左中間インゴールへ転がるボールを押さえるトライ。FBダミアン・マッケンジーのゴールも決まり、7×3と逆転したチーフスは29分、オフザゲートのPGを追加し、10×3で迎えた32分、トライ&コンバージョンでリードを広げる。クルセイダーズはリスタートの蹴り返しを処理したダグがカウンターラン。右ショートサイドへ放したが、14番チョネ・マジライが敵陣10メートルと22メートルの中間でタッチへ踏んでしまった。チーフスはオールメンのラインアウト、手前の右PR山下裕史にスローを合わせる意外なサインから9−10と右へ回し、ドナルドが左裏へキック。クルセイダーズはキック処理から左へワンパス、ダグがハイパントを応酬した。チーフスは自陣10メートル付近で弾んだボールをマッケンジーが手中に収めると、目前にいたのが3、4というミスマッチを衝いて突破。敵陣22メートル手前でダグのタックルを受けながら右にオフロードパス、サポートしたウェバーが左中間へ駆け込んだ。この場面は最初にキャッチしようとしたチーフスの選手が捕球し損なったことにより、マッケンジーへ最初に対峙するクルセイダーズの防御がFWになったのが響いた。

 17×3とされたクルセイダーズは42分にトライを返す。チーフスは39分、マッケンジーがハーフウェイ手前からロングDGを狙ったが不成功。その後は蹴り合う展開、モウンガがタッチキックを蹴った時点で40分に達していて前半終了と思われたが、まだ時間が残っていた。チーフスはハーフウェイでラインアウト。レシーバーのウェバーが左裏へキックを蹴る。クルセイダーズはマジライが捕球した自陣奥のラックから9−10−12と左へ展開し、左CTBデイヴィッド・ハヴィリがキックを蹴った。当たりが悪くハーフウェイ付近左までしか飛ばなかったのが、かえって吉。ナドロがキャッチして右へ放し13−15−9−4と順目につないで敵陣へ入った。そしてオフロードでバリットが後方へ放したパスをもらったエリスから2−6と右へフラットに展開。タウファが右タッチ沿いを走り、左にサポートしたマジライが右中間を陥れた。モウンガのコンバージョンも成功、17×10となったところで前半が終わった。

 後半のキックオフはチーフス。左へコンテストキックを蹴り、ウェバーがボールを手中に収めて敵陣で攻撃権を得たチーフスは3フェーズ後、9−15−12と後ろを通して右へ展開した。クルセイダーズはタウファがレイナート=ブラウンを倒し、すぐにボールを絡んでターンオーバー。ピンチを脱出すると、4分、相手ノックオンにより、敵陣10メートルを越えた位置中央でスクラムを得た。スクラムを押し込んでからbWキアラン・リードの右8単に始まる8−9プレー。さらにクイックハンズで15−14と順目へつないで前進したが、左順目を折り返した3フェーズ後、エリスが13番キアロン・フォノティアへ放した股下パスを、SOスティーブン・ドナルドにインターセプトされてしまった。テンポを保ちたかったのだろうが、ちょっとフィフティー・フィフティーの軽いプレーだったかもしれない。パスをもらったHOヒカ・エリオットが右裏へキック。右WTBへはいっていたサム・マクニコルがチェイスして地面のボールを足にかけ、これをマッケンジーが手中に収めて敵陣奥へゲインする。ナドロのタックルを浴び、左内へリターンパス。23−12とつながって右中間へ到達したが、マッケンジーはボールを放す前にタッチを割っていた。それでも、このプレーをきっかけにエリアで優勢に立ったチーフスは5分、ラインオフサイドのPKでショットを選択。しかし、PGは右へ逸れて不成功に終わった。

 8分、チーフスはハーフウェイ中央のスクラムでコラプシングのPKを得ると、タッチキックと思いきや、マッケンジーが意表を衝いてタップキックで仕掛け、右へパスを放した。途中出場のSOアーロン・クルーデンがゲインし、左リターンパス。4番ドミニク・バードが敵陣10メートルと22メートルのあいだまで来た。ただ、以降は勤勉な戻りで防御ラインを揃えたクルセイダーズに対して攻めあぐね、7次、9−22と左ショートサイドへ回して、クルーデンがロウをチェイサーとするグラバーキックを選択。ロウの再獲得はならなかったものの、ディフェンスシステムが発達した現代ラグビーにおいて、チェイスつきのキックはきわめて重要である。戻るのがカバー防御1人か2人という相手にしてみればカウンターできないシチュエーションだから、少なくとも地域を制することができる。14分、チーフスは相手ノックオンによる敵陣22メートル左のスクラムを起点に連続攻撃。5フェーズ目、SOの内側の防御が空き始めた隙を衝き、9−4の右からポップパス、6番タレニ・セウが残り5メートルまで肉薄した。レタリックが左サイドを突いたあと、ピッチ中央で9−7の左。ここでクルセイダーズは横入りの反則を犯す。17分、チーフスはPGを追加。20×10とした。

 クルセイダーズは20分、スクラムコラプシングのPKにより、残り5メートルでラインアウトの絶好機を迎えた。バリットにスローを合わせたモールを押し切れず、近場のチャンネル0を2フェーズののち、9−10の左、モウンガが左中間インゴールへキックパスを蹴った。ナドロが外から内へ追う形、マッケンジーと競り合う。ナドロ194センチ、マッケンジー175センチの身長差が仮になかったとしても、先に落下点へ入った相手に対し、チェイスが助走してジャンプすれば断然有利という局面。すべてが理想的だったが、ナドロも、そしてマッケンジーも捕球できず、弾んだボールをマクニコルが確保してドロップアウトとなった。その後、チーフスはエリアを意識した手堅いゲームメイク。しばらくチャンスをつかめなかったクルセイダーズだったが、26分、ノーボールタックルのPKにより、敵陣10メートルと22メートルのあいだへ進出した。ここでチーフスはラインアウトジャンパーに対する空中でのチャージ。28分、残り6メートル地点のラインアウトとクルセイダーズのチャンスが拡大する。リードにスローを投入してドライビングモールの構え。ところが、いつのまにか密集内でレタリックにボールを奪われていた。「おい、あいつがボールを取ってるぞ」。モールへ加わったほとんどの選手がボールの喪失に気づかない中、右LOサム・ホワイトロックがレタリックを指差した。ズラかるという表現がぴったりのターンオーバーでハーフウェイ付近左までゲインするレタリック。13−23と右へつないだ所でマクニコルがノックオンしたのは惜しい。ハンドリングエラーがなければ、一気に持っていった可能性も十分だっただろう。ピンチを逃れたクルセイダーズは33分、オフサイドのPG。20×13、とりあえずルーズポイントがもらえる7点ビハインドまで差を詰めた。

 チーフスはリスタートの蹴り返しをキャッチしたカウンター攻撃で、SHへ入っていたタウェラ・カーバーローが左にいたオフサイドプレーヤーへパスを当てた。狙いどおりにオフサイドのPKを得た35分、残り5メートルでラインアウト。クルセイダーズにとどめを刺す絶好機を迎えた。レタリックに投入したミドルボールをバリットにスチールされたものの、インゴール内でキック態勢のナドロに3人が襲いかかる。レタリックがチャージダウンに成功。ボールはデッドを割ってキャリーバック、残り5メートル右でスクラムとチャンス継続のチーフスは、1次でbWへ回ったケインが左へさばき、カーバーローの右リターンパスをもう1度手にしたあと、FWの近場勝負。ところが6次、左サイドを突いたレタリックがHOコーディー・テイラーのタックルに倒された接点で、ボールが外へこぼれ出た。右FLマット・トッドが反応してラックアンプレイヤブル。38分、クルセイダーズは自陣5メートルやや左でスクラムを得たが、左サイドを突いた途中出場のSHミッチェル・ドラモンドが、ケインとブラインドFLへ入っていたミッチェル・ブラウンに潰された。痛恨のノットリリースザボール。自陣奥から打開を狙う場面でSHがサイドを突くのはうまくいかないことが多い。ステイ系のディフェンスのチームであってもBKのアタックへプレッシャーをかける局面ゆえ、1度、前でポイントを作りたい気持ちはわからないでもないが、それならコンタクト後のひと粘りが効くリードの8単のほうが適切であろう。40分、チーフスはPGをきっちり。23×13とし、クルセイダーズにルーズポイントを与えない勝利を得た。




 クルセイダーズは試合の入りに主導権を握った。ショートサイドを多用したのは、12節、5月13日のハイランダーズ戦と同様。チーフスの防御は見やすいFWフェーズに対するラッシュは苛烈だけれども、BKに対しては原則、ステイ系。ショートサイド攻めは、1対1で前へ出てオープン側の出足を鈍らせるのに効果的で、チーフスを相手に使ってもハイランダーズ戦ほどには功を奏さない。それでも、プレッシャーのない所でボールを手にできる分、攻めやすいということはいえる。ただ、ダグ以外のBKに、相手防御を引きつけてパスを放すのに長けた選手がいない。リードがタッチ際から2人目ないし3人目に立ってその役目を務めるケースも、今季は少なくなっている。フォノティアの突破力は魅力だし、ハヴィリは先を読んでチャンスになりそうな場所へポジショニングするセンスもあるが、2人とも完全開花とまではいかないようだ。そして、FWフェーズで前へ出られないのが気になる。このチームの鍵はピッチ中央に配した1、3、4、5の前進にある。ここでアタック有利の状況を作り切れないことが、前節終了時点でNZグループの首位ではあるものの、NZ同士の対戦で煮え切らないゲームが多くなっている要因だ。かつて席巻したターンオーバーやキックキャッチに始まるアンストラクチャー局面は、いまやどのチームも守備の進化が著しい。ピックアッププレーヤーはブレイクダウンとフィールドプレーに好プレーを見せたタウファ。

 チーフスは途中、規律が乱れて防戦が続く場面はあったが、キックの質で総じてクルセイダーズを上回り、平均して陣地を取れたことをまず勝因としたい。SOとFBのキックが安定しているところへ、左足キッカーのロウの存在が効いている。蹴り合っていれば自然に蹴り勝つという関係だった。また、マッケンジーとロウはカウンターアタックも脅威だし、チェイスつきのキックの使い方でもチーフスがクルセイダーズより1枚上をいっていたように思う。劣勢が予想されたスクラムは、押されるケースもあったとはいえ、上々の踏ん張り。山下がかなりチームへフィットしてきた。ディフェンスは相手のFWフェーズをきっちり前で止め、守備側不利の局面を迎えるケースが少なかった点に好感。ラッシュすべき場面でケインが好タックルを連発していた。MOM級の活躍といえば、運動量とプレーの質からいってレタリックも捨てがたい。後半28分、ピンチのモールでターンオーバーしたプレーは、ここでトライを許していれば敗戦もありえただけに特筆ものである。マッケンジーの切れのいいランも相変わらずだった。

付記 本文中、選手名の敬称は省略としました。

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