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zoom RSS サンウルブズ、前半食い下がるもワラターズに大敗〜スーパーラグビー第15節(2)

<<   作成日時 : 2016/07/05 06:00   >>

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画像 2日、秩父宮ではスーパーラグビー第15節、サンウルブズvsワラターズの1戦が組まれていた。冬にさしかかったオーストラリアから蒸し暑い東京へ移動しての試合は、ワラターズにとっては過酷な条件だったに違いないが、その影響をまったく感じさせず、オーストラリア・グループの首位を争うチームにふさわしいパフォーマンスを見せてくれた。

 ワラターズのHOタタフ・ポロタナウは叔父が元日本代表のポポイ・タイオネさんということがあってか、日本通として有名である。ワラビーズに選ばれたあとも、日本へ行っていたらもっといいことがあっただろうと言っていたくらいで、僕は、キャリアの後半になって呼ばれもしないのに来日してクラブチームでプレーするタイプだと想像していた。しかし、サンウルブズの誕生により、ポロタナウは思わぬ形で日本の地を踏んで試合をすることになった。今回はすぐにシドニーへとんぼ返りする日程で、ゆっくり観光している暇はなかったはずだが、彼には特別な感慨があった、と推測する。

 また、試合終了後、パナソニックのコーチでもある田邊淳BKコーチとWTBタンゲレ・ナイヤラヴォロが立ち話をしていた。ナイヤラヴォロはパナソニックへ加入することが決まっている。190センチ超、100キロ超の大型WTBはTLに旋風を巻き起こすに違いない。


    ☆ ☆ ☆

 【●サンウルブズ12×57ワラターズ○

 ワラターズのキックオフで試合が始まった。サンウルブズは右WTBパエア ミフィポセチがキャッチ。8、6に倒されたラックから9−6−8と左へつないでポップパス、左FLリアキ・モリがオフロードパスを放したが、左PR三上正貴が捕球に失敗した。敵陣でルーズボールを獲得したワラターズにチャンス到来。5次、9−10−15−6の後ろを通した左展開で左FLジャック・デンプシーが残り10メートルへ迫る。サンウルブズは右ワンパス、5番ウィル・スケルトンを2人がかりで阻んだあと、9−7の右、右FLマイケル・フーパーを、7番の安藤泰洋と左LOファアティンガ・レマルが止めた。bWエドワード・カークがジャッカル。ボールを奪ってラックアンプレイヤブルとなり、自陣5メートル過ぎ右でスクラムを得た。ここで8−9−10−13−10−12−11とループを使って左へ展開したのは、相手がキックに備えていただけに効果的。BKをコントロールするSO田村優とインサイドCTB立川理道は、この形でチャンスメイクしたスコットランドとの第2戦におけるトライに味をしめたのだろう。自陣10メートル付近まで巻き返した5フェーズ後、右へ展開して13番デレック・カーペンターがグラバーのタッチキック。手堅くエリアを獲得したサンウルブズは、直後のラインアウトでワラターズがノットストレートを犯したことにより、3分、敵陣10メートルと22メートルの中間右でスクラムの好機をつかみ、テンポのいいワンパスのアタックで攻める。ところが6次、9−15の左から内返し、プッシュアウトの防御から逃れるべく外側へのアングルチェンジで入ったカーペンターに投じた、FBリアン・フィルヨーンのパスがスローフォワードとなった。

 しかし、SHマット・ルーカスのダイレクトキックにより、7分、サンウルブズは敵陣22メートル手前でラインアウトとチャンスが継続。手前のレマルからHO木津武士へ戻すサインプレーを皮切りに攻め、7次、9−6−10の後ろを通した右展開。スペースのある所でボールをもらった田村が前進した。ところが、右サイドを突いたSH茂野海人がルーカスのタックルを受け、オフロードパスが前へこぼれてノックオン。このスクラムでコラプシングのPKを得たワラターズは9分、自陣10メートルのラインアウトを起点に一発で仕留めた。2−4−9−10−11と右へ回し、右WTBタンゲレ・ナイヤラヴォロ(常に番号とは逆の位置にいた)が右にオフロードパス。もらった左CTBロブ・ホーンがステップで裏へ抜け、順目についたスケルトンへパスをつないだ。スケルトンが左へオフロードパスを放し、7番マイケル・フーパー、左についたルーカスとつないで左ポスト下へ流れるようにトライ。SOバーナード・フォーリーのコンバージョンも成功し、0×7と先制したワラターズは13分にも見せ場を作る。敵陣10メートル左のスクラムを起点に攻めた4次、9−10−13−15−11の左展開でゴールラインへ肉薄。最後のパス2つはともにオフロードだったが、FBアンドリュー・ケラウェイのパスが前方へ流れた。

 17分、サンウルブズはハーフウェイ左のスクラムから、8−10−12−10−15−14とループを使った右展開。この場面も、位置的にいって相手がキックに備えたポジション取りをするケースで、端のスペースを狙うサインプレーが功を奏した。パエアが残り10メートルまでゲインし、右ショートサイドで9−13。しかし、ワラターズのディフェンスは戻りが速く、折り返しの左側3フェーズに難なく対処する。5次、9−10の左でスローダウンさせたが、8次、右サイドを突いた茂野に対し、スケルトンがハイタックル。アドバンテージ採用後の20分、サンウルブズは田村のPG成功で3点を返すと、22分には、フィルヨーンが自陣10メートル過ぎから、ホールディングのロングPGを決めて大観衆の度肝を抜いた。6×7としたサンウルブズはリスタートキャッチの2次、ループを駆使して左オープンへ振り、スペースを埋められたタイミングで左WTB笹倉康誉が左奥へキック。いいプレーだっただけにボールがデッドを割ったのが惜しまれたが、アシスタントレフリーからレポートが入る。ナイヤラヴォロが笹倉にレイトチャージ、交わされざまに後ろ向きで足を引っかける小狡い反則まで犯していた。ナイヤラヴォロはシンビン。レイトチャージ自体は軽微だったので、後者のプレーがなければ注意で済んだと思う。24分、サンウルブズは田村がPG。9×7と逆転した。

 ワラターズはこのリスタートを左へ蹴り、キャッチしたパエアを14、8がタッチへ押し出した。リスタートでパエアを執拗に狙ったのは、パエアがハイボールのプレッシャーに強くない、もしくはプレッシャーを受けるとフィフティー・フィフティーのプレーをするといった事前分析があったと思うが、この場面は狙いに沿った敵陣での攻撃権獲得である。22メートル地点でラインアウトを得たワラターズは連続攻撃の末、9フェーズ目に取り切った。ピッチ中央のラックから9−13−6の右展開。防御に詰められた右CTBイズラエル・フォラウが2人を飛ばすタップパスで即座に対応、ディフェンスラインとズレて立ち、ギャップを狙う位置にいたデンプシーが捕球と同時に加速した。あっさり裏へ抜け、右中間へトライ。フォラウのことだから、デンプシーがもっとも即トライの可能性が高いアタッカーであることを認識したうえでのタップパスだろう。ゴールも成功し、9×14。ワラターズが再びリードを奪った。

 31分、サンウルブズはオフサイドのPG。12×14として食い下がったが、リスタートキャッチ後のエリア獲得に失敗した。フィルヨーンがキャラウェイのプレッシャーを受け、凡キック。32分、ワラターズは敵陣22メートルを越えた位置でラインアウトを得た。ここでスローのキャッチミス、後ろへ流れたボールへ木津が反応したサンウルブズだったが、弾んだボールをノックオン。33分、ワラターズは敵陣22メートル手前左でスクラムとチャンスが続く。9−10−12−13の右展開、フォラウが田村と立川に2人がかりで阻まれたあと、9−10−15と右へ回す。サンウルブズは笹倉がキャラウェイを倒し、フィルヨーンのジャッカルでターンオーバー。田村のタッチキックで窮地をしのいだが、直後の34分、ワラターズは敵陣10メートルのラインアウトを起点に一発で仕留めてきた。スケルトンがスローを捕球できず、後ろに並んでいた選手がタップ。ルーカスが左へ放したパスが地を這うといった具合にミスが続いたものの、フォーリーの足に当たったボールがフォラウに入った。地面のボールに反応し、防御ラインが乱れた所でフォラウ……サンウルブズにとっては不運だった。フォラウがそのままスペースを中央まで走り切るトライ。ゴールも決まり、12×21としたワラターズは38分にもトライを追加する。ハーフウェイ左のスクラムに圧力をかけ、PKをもらって敵陣22メートルを越えた位置へ進出。左LOディーン・マムにスローを合わせたモールから9−12−10−15と後ろを通して右へ振った。10と15のあいだにはフォラウがデコイランナー。キャラウェイが、外詰めでボールへコンタクトしてきたフィルヨーンを逆にぶちかますようにして外し、カバーの2人もかわして右コーナーへ。12×26として前半を折り返した(ゴールは不成功)。

 後半の入り、ワラターズは立て続けにトライを挙げて勝負を決定づける。前半3分、スクラムコラプシングのPKによる敵陣22メートルのラインアウトモールをドライブ、残り4メートルまで迫ったあと、左順目を3フェーズ。9−10−13−15−14の左展開で、左WTB(番号は14)リース・ロビンソンが左隅を陥れた。サンウルブズは要警戒のランナー、フォラウに3人が寄ってディフェンダーが足りなくなり、フィルヨーンが内のキャラウェイへ寄らざるを得ず、ロビンソンを完全フリーにしてしまった。さらにリスタートキャッチの3次、ワラターズは9−10−15−13と後ろを通した右展開で、フォラウが左についたbWデイヴ・デニスへオフロードパス。ハーフウェイを越えて左へ折り返した2フェーズ後、9−10−2と左へ振る。フォーリーの飛ばしパスをもらったHOタタフ・ポロタナウが上がってきたレマルの外側をすれ違いで抜け、パエアと田村のタックルを受けながらオフロードパス。左にサポートしたロビンソンが左中間へ駆け込んだ。レマルの外側のディフェンダーが連動して上がっていれば、フォーリーの次のプレーを察することができて、ポロタナウに対して無策ということはなかったかもしれないが、この場面は相手とズレて立ったポロタナウを褒めるべきか。コンバージョンも連続成功し、12×40としたワラターズはなおも攻勢。13分、ホールディングのPKによる残り5メートルのラインアウトモールはモリに割られ、3フェーズ後、9−5−10−15−12−11の右展開で、ナイヤラヴォロが左のフォーリーに放したパスがスローフォワード。一頓挫したものの、17分、ハーフウェイ右のスクラムで得たアーリープッシュのFKを速攻して仕留める。2次、9−2−22−6の左展開でデンプシーが前進。カークとカーペンターにコンタクトされた左オフロードパスが途中出場のSOデイヴィッド・ホーウィッツにつながり、右にサポートはルーカス。ルーカスがホーウィッツの右リターンパスをキャッチし、左中間へトライ。ホーウィッツのコンバージョンも決まり、12×47となった。

 サンウルブズはこのリスタートを短めに蹴って再獲得を狙ったが、スケルトンにキャッチされた。1対1で前へ出るワラターズは4フェーズ後、9−22−23の後ろを通した右展開から左リターンパス。キャラウェイが敵陣10メートル中央へ前進した。そして9−22の右、ホーウィッツがラックサイドの立ち遅れを見逃さずに内へ切れ込んでから右へ放し、9−8と右順目へ。そして右CTBに入っていたマット・キャラーロがデニスの左リターンパスをもらい、右中間へトライと、やりたい放題になってきた。このトライはラックサイドの穴を埋めにいって後手に回る典型。12×52(ゴールは不成功)とされたサンウルブズはミスが出てなかなか好機をつかめなかったが、29分、倒れ込みのPKを得て敵陣10メートルと22メートルの中間へ進出した。しかし、ラインアウトスローを獲得できず、左CTBロブ・ホーンに好タッチキックを蹴られてしまう。エリアを制したワラターズは31分、敵陣22メートルを越えた位置のラインアウトを起点にフィニッシュした。デンプシーにスローを合わせたモールから21−11と右ショートサイドへ。途中出場の9番ニック・フィップスがSHへ入っていた矢富勇毅を引きつけてからパスを放し、ナイヤラヴォロとカバーの笹倉とのあいだに1対1を作った。ナイヤラヴォロが笹倉のコンタクトをもろともせず力強く右隅へトライ、12×57(ゴールは不成功)となった。サンウルブズは40分、相手ノックオンによる自陣22メートル内左のスクラムから意地のトライを目指す。8−10−22−13の右展開で、アングルチェンジのカーペンターがラインブレイク。田村がループで移動するダミー、前半からループプレーを何度も使っていただけに、カーペンターにボールを持たせる裏のプレーが効いた。左についた途中出場の右FL金正奎、さらに左、矢富がゲインし、敵陣22メートルでもう1度、金とつないだが、ロビンソンに阻まれ、ラックのボールを足にかけられてしまう。ボールがタッチを割ったところで試合終了の笛。ワラターズが9トライ、ボーナスポイントを挙げる一方でサンウルブズをノートライに抑えて完勝した。




 サンウルブズは前半、食い下がった。仮に勝てなかったとしても、プレーオフ進出へ向けて大勝したいワラターズにボーナスポイントを与えない、嫌がらせみたいな健闘に期待したのだが、それもうたかたの夢。12×26で迎えた後半、これ以上の失点が許されないという気持ちが局所的な執着心を生み、逆に相手アタックの全体図を見られないことにつながっていた。後半4分、フォラウに3人が寄ってオーバーラップを確定させたこと、同6分、外側から上がっていたレマルのさらに外側の防御の連動がなかったあたりは、その象徴といえる。また、後半には1対1で食い込まれるシーンも目立った。セットプレーの劣勢もいかんともし難いが、前半のFWフェーズに対するディフェンスは褒めていい。ブレイクダウンの2人目の寄りも良化していた。アタックに関しては、相手がキックに備えている状況におけるループプレーが効いた。ここから速いテンポで攻撃を継続できればいいのだが、相手防御の戻りが速く、いったんスローダウンすると、もうノーチャンス。今季のワラターズはBKのディフェンスの連係があまりよくないので、テンポを保っているうちに後ろを通してカーペンターやフィルヨーン、ブラインドWTBがスペースでボールを持つアタックを繰り出せたら、もっと見せ場を作れたと思う。ピックアッププレーヤーは相変わらず献身的でハードワークが目立つカーク。ひと月の休養期間を経てリフレッシュされていた。田村と立川も好調をキープしていた。

 ワラターズは運動量が最後まで落ちなかった。蒸し暑い7月の東京ということですぐにバテるかと思っていたのだが、ゲームを切らずにクイックスローインで再開するなど元気一杯。フィットネスでむしろサンウルブズを上回っていた。それは戻りの速いディフェンスで面を揃え、サンウルブズをノートライに封じたことにも表われている。前半、FWフェーズ、とりわけスケルトンがマークに遭って梃子摺った。スケルトンは203センチ、140キロの超大型だが、ヒット後の推進、ダウンボールするまでの身のこなしに課題が残る。イングランドとの代表戦では1対1で簡単に止められたようにペネトレーターとしては超のつく一流ではなく、サンウルブズの力量なら2人がかりで行けば“ポテ倒れ”させるのは比較的容易だ。スケルトンを囮にして、ポロタナウと左PRパディ・ライアン(前へ出る力をもっとも有するのはライアンだろう)にクラッシャーを託すのがいいかなと思ったが、後半はもっと組み立てを変えて、ボールを動かしながら1対1を制する策へ転じた。サンウルブズが場当たり的に必死だったこともあり、外側のスペースへスムーズにボールを運んだのが大勝の因。ただ、キックに備えた陣形で数的不利だったとはいえ、ループプレーに対する内側への寄り方を見ると、BKのディフェンスの連係にはまだ課題が残るといわざるを得ない。プレーオフへ進出できるかどうか、あるいはプレーオフへ進出できたとして、その後に勝ち進められるかどうかの鍵の1つは、BKラインの守備とみている(今回は優勢だったものの、強敵相手に劣勢であることが多いスクラムもキーポイントに挙げられよう)。ピックアッププレーヤーはホーン。WTBで出場することが多い選手だが、安定したプレーでBKのアタックを引き締める役目を果たしたと思う。フォラウの存在感もさすが。ケラウェイもスペースでボールを手にして相手との間合いを計りながら的確なプレーをしたし、FWではデンプシーが運動量の多さで猛アピールした。

付記 本文中、選手名の敬称は省略としました。

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