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zoom RSS 早稲田、出色の完成度! 同志社に大差の勝利・京都ラグビー祭 同志社大学vs早稲田大学〜西京極

<<   作成日時 : 2012/05/29 06:00   >>

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画像 5月27日、盛夏を思わせる烈日の中、京都の西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場で、第41回京都ラグビー祭が催された。メインに組まれたのは、同志社大学vs早稲田大学の1戦。隣のわかさスタジアムでは関西学生野球の宿敵対決、同志社と立命の「同立戦」がおこなわれていたこともあって、同志社の現役一般学生とおぼしき観客の姿は少なかったものの、地元京都の熱心な同志社ラグビーファンがスタンドを埋めた。そして、早稲田のアカクロジャージを着たファンの姿も。5月6日、花園に明治がやってきた際に紫紺のジャージ姿のファンが見受けられたのと同様、名門の全国区人気をひしひしと感じた。中には、東京から応援に来たという人も、いたかもしれない。

 同志社のキックオフで試合開始。1分、いきなり早稲田が先制パンチを浴びせる。早稲田のSO吉井耕平のハイパントをキャッチするトイメン10番、渡邊夏燦にFB片山大輔らが好プレッシャー。ターンオーバーして敵陣深くへ蹴り込むと、右WTB中隆彰が鋭いチェイスでマイボールとしたポイントから、左へ展開した。SH西橋勇人がパスアウト、吉井の、ディフェンスを吸引する間合いを伴うパスを受けた右PR垣永真之介が、悠々とポスト下へトライ。さらに早稲田は、リスタートキックを右LO芦谷勇帆がノックオンして、自陣でピンチを迎えたかと思われたのもつかのま、FWがスクラムで力強いヒット。同志社のヒールミスを誘った。ボールを拾い上げた西橋がインゴールまで駆け去っていく、70メートルの独走トライ。5分には、同志社のスローフォワードで得た敵陣10メートルと22メートルのあいだのスクラムを起点に1フェーズ目、リターンパスを受けた右CTB中西康がいいスピードで走り込んだあと、HB団の連係で吉井がパスダミーから裏へ抜け、片山へパスを通す右中間のトライを挙げた。コンバージョンも3連続成功。0×21とし、相手の出鼻を完全に挫いた。

画像 同志社の最初の失トライは、キック処理における緩慢に映るプレーが発端だったが、すぐさまたたみかけた姿に、春季交流戦で完勝が続く早稲田の好調がひしひしと伝わってきた。9分以降の連続攻撃においても、デコイランナー、エディー・ジャパンふうにいえばシェイプを入れる、防御の照準を絞らせないアタックが冴えた。10分、9フェーズ目に左隅のポイントから西橋が右へ鋭いパス。あいだの左LO近藤貴敬を飛ばしたところへ、右FL大峯功三がいい角度で入ってくるトライを追加。ディフェンスでも好プレーを連発し、激しく前へ出て圧力をかけては、同志社のミスを誘っていった。自陣へ攻め込まれた19分、左LO前田修吏にHO須藤拓輝がタックルし、垣永、左FL金正奎がブルドーザーのように乗り越えてターンオーバーしたのは圧巻。そして21分、敵陣22メートル手前、ピッチ右のスクラムから一発で仕留めた中のトライには惚れ惚れした。9−10−14の左展開。かんたんに取ったように見せるには、技術とセンスが必要だ。吉井のパン生地をこねるかのようなパスの間合いが絶妙で、中の角度を伴った走りが心地よい重奏をかなでた。

 2人の連係には目を瞠るものがあり、27分には左隅でスペースがなかったものの、中は右WTB藤巻賢太郎とFB前田康次郎のカバー防御を巧みなボディーコントロールでかわし、インゴールの地面へボールを着けた。前半終了間際、最後は片山が短いパスを受けたトライの左展開においても、直前は9−10−14。吉井の「間」と中の「角度」に唸らされた。33分に垣永がシンビンにより一時退出となったにもかかわらず、同志社につけ込む隙を与えないまま、0×45。早稲田が大量にリードして、前半を折り返した。

画像 早稲田は後半3分、同志社ボールの自陣10メートル前のスクラムを苛烈に押して、ターンオーバー。西橋のパスを受けた中がギャップを突き破り、ポスト右まで走り切った。そして、後半のアタマから、FBに藤田慶和が投入されていた。6分、同志社の途中出場のSO森脇悠輔がキックパスを空振りして早稲田ボールとなると、藤田は自陣から敵陣へ一瞬の加速と大きなストライドでゲイン。西京極のスタンドが沸いた。アジア5ヵ国対抗のUAE戦、高校時代を過ごした博多での試合という理由により、入場セレモニーで桜の戦士の先頭を切って入場した藤田は、実は京都出身である。18歳にして凱旋の土地を二ヶ所持つ人なのだ。

 前半、やられっぱなしだった同志社は10分以降、早稲田の踏み込みの鋭いタックルに晒されながらも、ランかパスか、が相手にとって読みづらい森脇の存在が効き、ボールを継続する余裕が生まれていた。12分、相手ペナルティのPKをクイックタップで仕掛けたあと左へ展開し、2フェーズ目、SH下平凌也が未整備の防御を突くラック右サイドのスワーヴランにより、初トライを挙げた。森脇が入ってテンポがよくなった同志社は、ここでハーフも代えた。清鶴勘太が、下平に負けじと巧みなボールさばきを披露。15分、相手反則のタップキックを起点に、清鶴のパスを受けた森脇がパスダミーで裏へ抜けると、左にシャトルランがきっちり。右CTB宮島裕之、左WTB中村高大とつないで左隅へトライを挙げた。歯車が噛み合い始めた同志社は21分、さらに1トライ。清鶴−左CTB長井一史−森脇−宮島と振った左隅へのフィニッシュは、2人を飛ばした森脇の矢のようなフラットパスが見事。このパスでなければ、スライドしてくるディフェンスによって宮島の走路が塞がれていたはず。同志社らしい仕留め方である。この試合はすでに大差をつけられてしまっていたけれども、拮抗した戦いでは、このようなトライの有無で勝敗が決することがよくあるので、大切にしてほしいプレーのひとつといえよう。

画像 19×52。3連続の失トライを立て直した早稲田の姿勢に、好感が持てた。24分、敵陣22メートル地点でマイボールスクラム。左展開で12番、布巻峻介がラインブレイクしたあと、ボールを動かしつつも内側で真っ向勝負のクラッシュを繰り出した。体を当てるプレーは、原点の新鮮な気持ちを蘇らせる基本。同志社のディフェンスを完全に寄せて、左へ展開すると、西橋−吉井−藤田−垣永で左隅。昨季もしばしば観られたが、こうした局面において、PRがフィニッシャーとしてWTBの位置で満を持すのが、早稲田の特色だ。背番号に関係のない陣形を敷けるのは、各プレーヤーの能力が高い証拠でもある。このトライによって再び勢いを得た早稲田は28分、藤田が来た。バックスタンド寄りを豪快に走り抜け、左コーナーへトライ。35分には自陣10メートルのスクラムから一発。右へ振ると、デコイランナーの幻惑によってフリーでボールを受けた左WTB原田季郎が、巧みなコース取り。指一本触れられることなく、インゴール中央まで到達した。ロスタイムにも敵陣5メートルのスクラムを起点に、9−11。原田のトライで有終の美を飾って19×78、早稲田の完勝に終わった。

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画像 同志社としてみれば、出帆してほどなくマストが折れてしまったかのような、入りの失点が痛かった。セットプレー、とくにスクラムに苦しんだうえ、ブレイクダウンでも苛烈なプレッシャーにさらされた。後ろを通したり、最初から外のスペースを求めた局面でターンオーバーされる、もしくはスローダウンを余儀なくされた場面が多く、なかなかリズムに乗れなかった側面も。早稲田の守備を褒めるべき部分かもしれないが、宮本監督の好むスタイルからいえば、少人数で効率的にボールを出し、どんどんボールをつないでいくラグビーを目指していると推測する。2人目、3人目の有効な働きに磨きをかければ意図どおりに攻めるシーンがもっと増えるはずだ。崩し方そのものはいいので、対関東勢を見据えた場合、1にも2にも生きたボールの供給力が鍵を握るだろう。ピックアッププレーヤーは、経過を記す中では1度も触れることができなかったが、キャプテンのbW西林宏祐。昨年、CTBからbWへコンバートされた選手で、178センチ、100キロの分厚い肉体は早稲田を相手にしてもまったく遜色なく、個で勝負する局面では互角以上に渡り合っていた。

画像 早稲田は、この時期としては出色の完成度。この試合を観た率直な印象をいえば、敵は我にありではないのか、ということ。昨年の対抗戦で筑波、帝京に敗れ、選手権では関東学院との接戦を落として2回戦で姿を消したが、当時をふりかえってみて、思い通りにゲームを運べないときにナイーヴさが露呈した感がある。個々の全力を結集する姿勢を貫けば、かんたんには負けないはず。まずはFW勢を称えたいが、セット、ブレイクダウンに厚みを与える左PR上田竜太郎、垣永、芦谷らはもちろんのこと、金、大峯、bW中野裕太のパワーを兼備したワークレートが光った。3列が強い気持ちを持ち続けることが、このチームの鍵を握るような気がしてならない。今年冬の全国高校大会の閉会の辞で、森喜朗ラグビー協会会長が大学選手権の結果に触れた際、早慶明について、

 「名門に胡坐をかいて……」

 とコメントしていた。言葉の綾のようなものだから過敏になることもないのだが、そんな形容を他者に言わせてしまうような負け方をしないためには、彼らがいつでもどこでも屈強であることが第一。そこへもってきて、前半37分、チャンネル1の右FL金本航を西橋が好タックルでがっちり止めたように、ハーフの守備力も高い。優秀な3列にディフェンスのいいハーフがいるのは堅実な強さを発揮するチームの条件なので、華麗なBK展開に目をやると同時に、このゾーンの選手たちを注視していきたいと思う。反省点として挙げられるのは、後半の失点。人間がやることである以上、大量リードに気が緩むのはやむをえない部分もあるが、オブザゲートの反則が相次ぎ、規律面の乱れが見られたのは修正が必要だ。

画像 吉井の「間」と中の「角度」を絶賛したが、BKの各選手の能力は素晴らしいを経て「凄まじい」へ達しそうな勢いがある。吉井のポジションには小倉順平というファンタスティックな司令塔がいて、首脳陣は起用に迷うところではないだろうか。OBの宮澤正利(現ヤマハ)や坂井克行(現豊田自動織機)のイメージで吉井をCTBへ使えば、小倉−吉井のホットラインはいくらでも相手防御を崩せるぞ、と夢想したりもするが、ディフェンスの強さでインサイドCTBを選ぶなら、この試合に先発した布巻である。また、FBには藤田だけでなく、ラグビーマガジン7月号で特記された廣野晃紀もいて、層の厚さも早稲田の魅力。いずれにせよ、早稲田が今季、帝京の選手権4連覇を阻む最有力候補としてクローズアップされることだけは、間違いないであろう。

付記 本文中、選手名の敬称は省略としました。なお、藤田選手は後半39分、タッチへ出された際に足を負傷して、ピッチを去りました。試合後の整列にも加われなかったのですが、誰の肩も借りずに1人で歩けていたので、大ケガではなかったと思われます。

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