WTBが3T! 関学、決定力を誇示する初勝利・関西Aリーグ第2節 関西学院大学vs同志社大学~花園
このスクラムで関学にアーリーエンゲージがあり、同志社はFKをタップで仕掛けた西林がクラッシュ。自陣からひと仕掛けを入れたあと、キックの応酬は、FB宮島裕之が蹴ったボールがインゴールへ。ドロップアウトとなり、とりあえず蹴り勝つ形になった。14分、カウンターで右へ振り、1人を外した西林のランを合図に、同志社のチャンスが広がる。途中、パスが乱れるシーンはあったものの、左展開の隅、徳田と右WTB畑中啓吾にスペースを埋められた左WTB中村高大が後ろへ生かしたボールを右PR才田智がセービングしたあと、16分、垣内はピッチ右へ向かってアーチを架けるキックパスを蹴った。190センチの左LO森山雄が待ち受け、鳥原もすぐそばへつく。長身の森山を先発で使ってきただけに準備したプレーだったと思うが、落下点は2人が追うわずか先。金尚がキャッチして、マーク。ドロップアウトになった。関学はタッチキックを蹴る。
26分、同志社は蹴り合いを制して、敵陣10メートル地点でラインアウトを得た。ここでノットストレートがあったものの、スクラムでFKをもらい、西林が仕掛けて、攻勢に。28分、関学のオフサイドでショットを選択。PG成功で1点差に詰めた。しかし関学は31分、天理を彷彿とさせるようなBKの躍動で、中央線近辺からトライを奪う。宮島のキックをキャッチした畑中から高、春山、金尚、松延とつなぎ、松延のランでゲイン。もともとはWTB。東芝の宇薄岳央、昨年の高校ラグビーシーンを沸かせた近藤英人など、東海大仰星のWTBの片方はだいたいこのタイプという腰の強い走りで22メートル内へ入ると、即座に右へ振った。9-12-10-14。畑中は前傾姿勢を作って西林を吹っ飛ばし、2人目も外して中央へトライ。コンバージョンも決まり、21×13とリードを広げた。33分、同志社は徳田のボックスキックをキャッチした西林が自陣から果敢に仕掛けたものの、ハーフウェイ手前でボールを失う。関学は2フェーズ目、チャンネル1でLO藤原慎介がスピンを使って前進したあと、徳田がパスダミーを入れて裏へ抜けた。宮島に止められた刹那、ボールを浮かしてオフロードを狙ったが、すぐ左についた右FL安田尚矢にボールがつながらず、ノックオン。同志社はピンチを逃れた。以降、スコアが動かないまま、前半終了の笛が鳴った。
リスタートキックは、関学の左LO竹村俊太がキャッチ。安部が上げたハイパントを西林がキャッチした同志社は、右へ振り、林の前進からチャンスを拡大した。2フェーズ後の右展開、長井のパスをもらった林がまた前へ出て、敵陣22メートルの中へ。テンポを上げた同志社のアタックに対し、ラインオフサイドを連発する関学。15分、18分と同志社は2度、敵陣奥でマイボールラインアウトを得た。18分のラインアウトで競りかけた竹村にノックオン。19分、同志社は残り5メートル地点左でスクラムのチャンス。西林の右8単を手始めに近場を攻めたあと、右へ。代わっていたHB団、SH岩村昴太からSO渡邉夏燦のパスをもらった長井がパスダミーを入れて突破を図った場面は、春山の好守備に阻まれたものの、チャンネル1で冨田のスピンを入れたあとの右は、渡邉が状況をよく把握していた。右隅で1人余っていた途中出場の右WTB廣瀬哲馬に、カットパス。コーナーへのトライをアシストした。渡邉はニュージーランドから帰国した選手で、「SO製造工場」の異名さえある、クライストチャーチボーイズ高校卒の1年生。経歴どおりの視野の広さと一瞬の好判断を披露した。
このプレーをきっかけにエリアで優位に立った関学だったが、30分、近場中心の連続攻撃の中、チャンネル1を左PR石川裕基が突き、途中出場のHO秋山哲平にボールへ絡まれかけたラックで、オフサイドの位置にいた選手がプレーしてしまう。同志社はこのPKをタッチ→自陣10メートル地点のラインアウトを得た2フェーズ目、宮島が左スペースへキックを蹴って、エリア獲得を狙った。バウンドするボールを処理して蹴り返すのは高。同志社は中村がチェイスして、プレッシャーをかけた。チャージしたボールは同志社側から見て左へ撥ね、タッチへ。関学ボールのラインアウトをスチールして絶好のチャンスを迎えたかに思えた同志社だったが、右へ振り、内へステップを切った林が捕まったあとのサイドチェンジ、左のチャンネル1で金本が縦に突っ込んだところへ、徳永が好タックル。金本の手からボールがこぼれ、マイボールとした関学はタッチキックを蹴った。この同志社ボールのラインアウトが合わず、関学に入る。同志社のチャンスがいったん潰えた。
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付記 本文中、選手名の敬称は省略としました。

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