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zoom RSS WTBが3T! 関学、決定力を誇示する初勝利・関西Aリーグ第2節 関西学院大学vs同志社大学〜花園

<<   作成日時 : 2012/10/17 06:00   >>

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画像 10月14日、花園で関西大学Aリーグの4試合がおこなわれた。第1グラウンドの第2試合に組まれていたのは、関西学院大学vs同志社大学の1戦。メインスタンドには両校OBを中心とするそれぞれのチームを応援するファンが多数詰めかけ、上々の賑わいであった。関学は初戦、天理が大方の予想に反して長い時間、FWで勝負するアタックを繰り出したのにきっちり対処し、粘り強い防御で接戦に持ち込んだ。後半、自陣からの左展開一発で取ってきた天理に屈したものの、一定の地力を示す内容だった。同志社は、フィジカル、とりわけFWの強化が目立った近大の圧力に手を焼き、大学ラグビー史上初めて同校に敗れる、平常心をいささか乱される開幕。ボールを動かすラグビーは昨年と同様のポリシーで、2戦目を迎え、順当に良化を示すかどうかが注目された。両チームは開幕前、優勝争いに加わるとみられていて、ともに初戦を落としているだけに、生き残りを賭けた1戦という見方もできた。

画像 同志社のキックオフで始まった。入りに主導権を握ったのは同志社。5分、中央線を挟んだ蹴り合いのあと、キックキャッチから右へツーパス。突破力は関西有数、bW西林宏祐が裏へ抜けた。カバー防御の左WTB金尚浩(きむ・さんほ)を引きつけてから、パスを放すと、右にシャトルランした右WTB鳥原将司が右中間へトライ。さらに8分、リスタートキックのキャッチからボールを継続し、右に左にボールを動かして関学のディフェンスラインを翻弄したあと、右オープン。SH中山裕介−左CTB長井一史−SO垣内悠輔−右CTB林真太郎−左PR森田恭平−HO山下祥平−鳥原のつなぎで、右中間へフィニッシュした。林が1人をハンドオフで外しただけでなく、前列2人によるショートパスが、関学の防御を寄せる働きをした。関学は鳥原のもとへSH徳田健太、右CTB松延泰樹が急行したものの、慌てふためいたスライド。それを見た鳥原は、冷静に内へステップを切って、2人をかわした。また、山下がライン参加するトライシーンは近大戦でも観られている。BKのアタッカーが足りないときにはハンドリングの巧い山下がラインへ加わる、という約束事があるのだろう。

画像 2連続トライで0×10。同志社としては申し分のない立ち上がりである。リスタートキックのキャッチで同志社にノックオンがあり、敵陣10メートルと22メートルのあいだ、右隅でスクラムを得た関学は、HB団の連係から左CTB春山悠太がそばに走り込むアタックを皮切りに、反撃をうかがう。しかし、同志社は低いタックルで対抗。12分、徳田が左へパスアウト、SO安部都兼の右にスイッチで入った松延へ瞬間的に反応し、ノックオンを誘った左FL田淵慎理の好守備が光った。

 このスクラムで関学にアーリーエンゲージがあり、同志社はFKをタップで仕掛けた西林がクラッシュ。自陣からひと仕掛けを入れたあと、キックの応酬は、FB宮島裕之が蹴ったボールがインゴールへ。ドロップアウトとなり、とりあえず蹴り勝つ形になった。14分、カウンターで右へ振り、1人を外した西林のランを合図に、同志社のチャンスが広がる。途中、パスが乱れるシーンはあったものの、左展開の隅、徳田と右WTB畑中啓吾にスペースを埋められた左WTB中村高大が後ろへ生かしたボールを右PR才田智がセービングしたあと、16分、垣内はピッチ右へ向かってアーチを架けるキックパスを蹴った。190センチの左LO森山雄が待ち受け、鳥原もすぐそばへつく。長身の森山を先発で使ってきただけに準備したプレーだったと思うが、落下点は2人が追うわずか先。金尚がキャッチして、マーク。ドロップアウトになった。関学はタッチキックを蹴る。

画像 このラインアウトから、さかんにボールを動かして機を狙う同志社。しかし18分、左へ振って9−15−12−13−8、西林にボールを託して前進したまではよかったが、背後から左FL徳永祥尭のタックルを受けて、ハンドリングエラー。マイボールとした関学は大きく左へ振り、春山のロングパスが金尚へ。鳥原をハンドオフで外して前方が開けた金尚のビッグゲインのあと、左ショートサイドに安部がつき、さらにbW中村圭佑へオフロードパスをつなぐ。一瞬の切り返しで仕留め切る中村の左中間へのトライと畑中のコンバージョン成功により、関学が3点差に迫った。さらに、安部のキックをキャッチした西林からパスをもらった同志社、中村のカウンターランを、HO金寛泰(きむ・がんて)が足元に入って止め、次のチャンネル1、右LO冨田賢司をノットリリースザボールに陥れて、攻守交替。敵陣22メートル手前でラインアウトを得た関学は、3フェーズ目に取り切った。左展開、HB団の手を渡ったパスを、FB高陽日(こう・やんいる)が開いて受け、防御を2人引き寄せると、金尚がフリー。金尚は左中間へ回り込むトライ。コンバージョンの2点を併せ、14×10。関学、逆転である。

 26分、同志社は蹴り合いを制して、敵陣10メートル地点でラインアウトを得た。ここでノットストレートがあったものの、スクラムでFKをもらい、西林が仕掛けて、攻勢に。28分、関学のオフサイドでショットを選択。PG成功で1点差に詰めた。しかし関学は31分、天理を彷彿とさせるようなBKの躍動で、中央線近辺からトライを奪う。宮島のキックをキャッチした畑中から高、春山、金尚、松延とつなぎ、松延のランでゲイン。もともとはWTB。東芝の宇薄岳央、昨年の高校ラグビーシーンを沸かせた近藤英人など、東海大仰星のWTBの片方はだいたいこのタイプという腰の強い走りで22メートル内へ入ると、即座に右へ振った。9−12−10−14。畑中は前傾姿勢を作って西林を吹っ飛ばし、2人目も外して中央へトライ。コンバージョンも決まり、21×13とリードを広げた。33分、同志社は徳田のボックスキックをキャッチした西林が自陣から果敢に仕掛けたものの、ハーフウェイ手前でボールを失う。関学は2フェーズ目、チャンネル1でLO藤原慎介がスピンを使って前進したあと、徳田がパスダミーを入れて裏へ抜けた。宮島に止められた刹那、ボールを浮かしてオフロードを狙ったが、すぐ左についた右FL安田尚矢にボールがつながらず、ノックオン。同志社はピンチを逃れた。以降、スコアが動かないまま、前半終了の笛が鳴った。

画像 後半は関学のキックオフ。このボールを藤原が好捕してマイボールとし、松延のゲインでトライライン寸前まで迫った関学だったが、同志社は一瞬の隙をついてターンオーバー。関学のノットロールウェイによるPKをタップで仕掛け、敵陣を席巻する。2分、林が止められたポイントで関学にハンドの笛が吹かれると、ショットを選択。PGを決め、ビハインドは5点になった。しかし関学は4分、中山が蹴ったキックのイーブンボールを獲得すると、8フェーズの連続攻撃。ピッチ左へ攻め込むと、畑中がショートサイドへ回り込んできた。徳田のパスを受け、ミスマッチの森山を外して左コーナーへトライ。26×16とすると、10分、ハイパントキャッチの同志社、中村に金尚と藤原、第2波で安田以下が圧搾機にかけるようにして襲いかかり、ターンオーバーの危機に焦った同志社のハンドを誘うと、PKをタッチへ蹴り出し、残り10メートル地点でラインアウトのチャンス。近場に拘った攻めでトライをうかがった。13分、ラックで同志社にハンドの判定が下ると、ショットを選択。PG成功により、リードを13点にまで広げた。

 リスタートキックは、関学の左LO竹村俊太がキャッチ。安部が上げたハイパントを西林がキャッチした同志社は、右へ振り、林の前進からチャンスを拡大した。2フェーズ後の右展開、長井のパスをもらった林がまた前へ出て、敵陣22メートルの中へ。テンポを上げた同志社のアタックに対し、ラインオフサイドを連発する関学。15分、18分と同志社は2度、敵陣奥でマイボールラインアウトを得た。18分のラインアウトで競りかけた竹村にノックオン。19分、同志社は残り5メートル地点左でスクラムのチャンス。西林の右8単を手始めに近場を攻めたあと、右へ。代わっていたHB団、SH岩村昴太からSO渡邉夏燦のパスをもらった長井がパスダミーを入れて突破を図った場面は、春山の好守備に阻まれたものの、チャンネル1で冨田のスピンを入れたあとの右は、渡邉が状況をよく把握していた。右隅で1人余っていた途中出場の右WTB廣瀬哲馬に、カットパス。コーナーへのトライをアシストした。渡邉はニュージーランドから帰国した選手で、「SO製造工場」の異名さえある、クライストチャーチボーイズ高校卒の1年生。経歴どおりの視野の広さと一瞬の好判断を披露した。

画像 コンバージョンが左のポストに嫌われて失敗に終わったものの、29×21とした同志社は23分、廣瀬のゲイン、さらに左オープンを攻め、ステップを切って春山を外した中村の前進で関学陣22メートル内へ進出。直後の右展開、岩村−長井−渡邉−途中出場の右FL金本航のパスムーヴは、右に2対1のシチュエーションができあがっていただけに外へ放していれば、と思わせた。金本のクラッシュののち、左へサイドチェンジ。中村が竹村に捕まったところで、関学にラインオフサイドの笛が吹かれ、同志社はタップキックで仕掛ける。ラックからパスアウトする岩村の至近距離へ走り込んで仕留めに行った西林だったが、連係が合わず、ボールは関学、金寛に入ってしまった。キックでエリアを戻した関学はほどなくボールを強奪してマイボールとし、右PR幸田雄浩、金尚らが縦につないであっというまに敵陣22メートルの中へ侵入。さらにボールを継続して、残り5メートルまで迫った。同志社は左ショートサイドを狙った徳田にプレッシャーをかけ、ノックオンによって命拾いした。

 このプレーをきっかけにエリアで優位に立った関学だったが、30分、近場中心の連続攻撃の中、チャンネル1を左PR石川裕基が突き、途中出場のHO秋山哲平にボールへ絡まれかけたラックで、オフサイドの位置にいた選手がプレーしてしまう。同志社はこのPKをタッチ→自陣10メートル地点のラインアウトを得た2フェーズ目、宮島が左スペースへキックを蹴って、エリア獲得を狙った。バウンドするボールを処理して蹴り返すのは高。同志社は中村がチェイスして、プレッシャーをかけた。チャージしたボールは同志社側から見て左へ撥ね、タッチへ。関学ボールのラインアウトをスチールして絶好のチャンスを迎えたかに思えた同志社だったが、右へ振り、内へステップを切った林が捕まったあとのサイドチェンジ、左のチャンネル1で金本が縦に突っ込んだところへ、徳永が好タックル。金本の手からボールがこぼれ、マイボールとした関学はタッチキックを蹴った。この同志社ボールのラインアウトが合わず、関学に入る。同志社のチャンスがいったん潰えた。

画像  35分、徳田のキックが宮島に入り、中村へパス。同志社が反撃を開始しようとしたところへ関学は松延、左CTBに入っていた水野俊輝がダブルタックルを決め、徳永らが迅速にポイントへ到着してターンオーバーしたが、ほどなくペナルティ。クイックタップで仕掛けた同志社は右へ展開する。が、外にオーバーラップができていたものの、秋山がタックルに捕まってしまった。しかし、以降、8フェーズに及ぶアタックを繰り出す。37分の左展開、岩村と長井の連係のあと、宮島がカットパスで中村にフィニッシュを託した局面は、飛ばさずに1人ずつつないで内側へ防御を引きつけたほうがよかったかもしれない。中村が畑中によってタッチの外へ出されてしまった。39分、徳田の位置で蹴られたタッチキックによる同志社ボールのラインアウトは敵陣22メートル手前で、早いうちに1本取って、インジュリータイムにリスタートキックのキャッチから攻め直せばまだ逆転の目はある、という状況。右オープンを皮切りに攻めたてたものの、40分、ハンドリングミスが発生。関学にボールを奪われてしまった。関学は箱入り娘を守るかのようにボールキープに集中し、近場一辺倒。この戦術へ入ったときに味方サポートに押されて倒れ込んでしまうことがままあって、自陣で遂行するのは決して安全ではないけれども、まんじりとしない時間をノーペナルティでやり過ごした。44分、ラックアンプレイヤブルの笛が吹かれ、この関学ボールのスクラムで関学にコラプシング。時間的に逆転は無理だったが、同志社は意地のトライを挙げるべく、西林がタップキックで仕掛けた。ところが、タックルを受けて浮かせたボールを、関学にセービングされてしまう。徳田がタッチへ蹴り出したところで、試合が終わった。最終スコアは、29×21。


    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

画像 まずまずのテンポでボールを動かし、関学のラインオフサイドをずいぶんと誘った同志社。ディフェンスでも近大戦よりは前へ出られていたし、一応の良化を示したといえそうだけれども、個人的な思いを綴れば、チームの仕上がりが遅れているように感じる。ボールを動かすスタイルなのは一目瞭然だが、本当の意味で相手にとって怖いアタックを繰り出すシーンが少ない。後半23分、廣瀬のゲインをきっかけとした右オープンの場面で外側の2対1へ振らなかったのと、同37分の左展開で宮島が中村へカットパスを通したシーンにいささかの疑問を呈したけれども、ほかにも外のスペースを有効にする術はあったのに、と思わせるシーンが何度もあった(廣瀬のトライを導いた渡邉のカットパスは正解)。ボールを放すのが少し早い分、関学のスライド防御にスペースを埋められる場面が目立つ。また、受け手が立ち止まるか後ろでパスをもらって、ラインアタックのスピードが滞るシーンも散見された。ひと試合ごとにこうした面は改善されるだろうと推測するが、これで2敗目。優勝争いのデッドラインに立たされただけに、そろそろ急上昇のカーブを描かなくてはならない。もし自信まで失って、ダークホース的存在の大体や立命あたりにも敗戦を喫すると、大学選手権出場すら危うくなる。ちなみにトップリーグの第6節、リコーvsNEC戦でリコーが大勝した試合は、強いボールキャリアーのみが縦を突き、押し込んだラックからワイドに球を散らすというシンプルなアタックがベースだったので、同志社にヒントを与える要素が詰まっているのではないかと考える。ピックアッププレーヤーは、1年生の林を。同志社香里時代からトイメンと勝負して突破することに長けていた選手で、この試合でも伸び伸びとプレーしていた。今後の同志社を背負う逸材であるのは間違いなく、彼の好調をなんとか勝利につなげたいところだ。

画像 先ほど、同志社のテンポについて触れたが、関学も上々だった。初戦の天理戦においてスローダウンするシーンが多く、オープン側の、実はトライチャンスだったという局面を何度か見過ごしていただけに、こちらの場合は勝因としてクローズアップされる。すぐに修正してくると思ったので、天理戦の観戦記では糾弾ではなく、穏やかに指摘する程度にとどめたけれども、関西学院高時代から能力が高く評価されていた徳田が、2戦目で堅さが抜けたのか、一変してきた。このチームは、1度ボールが動けば、タレント性は同志社以上かもしれない。安部=春山の巧いホットラインに決定力のあるアウトサイドCTBの松延とバックスリーという配合は、バランスがとれている。FWではキャプテン藤原の、黙々と、激しく下働きに従事する姿に好感を抱いた。徳永が攻撃能力だけでなく、FLとしての才をアピールしているのもいい。潜在能力が花を開けば(たぶん開くと思う)、このチームはもっと高い評価を得るだろう。気になったのは、後半に修正してきたとはいえ、前半、ファーストタックルのミスが目についたこと。同志社に入りの主導権を握られる要因となった。あとは、ラインオフサイドを連発したような規律の乱れを正すことが求められる。

付記 本文中、選手名の敬称は省略としました。


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