ワンダーランド・なぎさ亭

アクセスカウンタ

zoom RSS 天理猛追も4季ぶり黒星 大体、逃げ切って歓喜の勝利・関西Aリーグ第1節 天理大学vs大阪体育大学

<<   作成日時 : 2013/10/01 06:00   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 8 / トラックバック 0 / コメント 0

画像 9月29日に全4試合がおこなわれて開幕した関西大学Aリーグ。鶴見緑地球技場の第2試合に4連覇を狙う王者、漆黒のジャージが姿を見せた。天理大学である。HO芳野寛(現リコー)、WTB宮前勇規(同NEC)、FB塚本健太(同サントリー)といった面々が卒業していったが、13番にトニシオ・バイフ、11番に松井謙斗の名前があり、10番をつけて先発するのは昨年の高校王者、常翔学園のSO後藤大輔。どんなラグビーを見せてくれるのか、期待を抱かずにはいられないメンバー構成で臨んできた。相手は大阪体育大学。ヘラクレス軍団のニックネームにふさわしくFWにパワフルな選手が顔を並べ、先発に4年生が15人(天理は4人)と経験豊富なプレーヤーが揃う点も魅力だった。夏の名残の暑さが失せない中、午後2時、風下に立つ大体のキックオフで試合が始まった。

 天理は前半1分、ノットリリースザボールのPKをタッチへ蹴り、敵陣22メートル内でラインアウトのチャンスを迎えたが、キャッチミスで相手にボールを渡してしまう。大体のタッチキック後、敵陣10メートルと22メートルのあいだのラインアウトで仕切り直しとなったが、3フェーズ目の左展開でバイフのクイックハンズパスをbW内山朝日がノックオン。好機を逃してしまった。6分、天理は大体の右チャンネル1、右LO秋山陽路にバイフがタックル、ボールへ絡みに行ったが、四つん這いになってしまい、自立していないという判定で反則をとられた。このPKにより、敵陣10メートルと22メートルの中間でラインアウトを得た大体は、左展開で右FL竹内擁騎が縦にクラッシュしたあと、左チャンネル1、左LO川崎大翔が1人をかわす力強い走り。さらに順目、SH河口太一がさばいたボールをもらったSO三瀬憲二朗がハンドオフで防御を退けて、裏へ抜けた。左中間へトライ。左WTB沢良木僚平のコンバージョンも成功し、大体が7点を先制した。

画像 天理は10分にラインアウトミス、13分に敵陣22メートル内のラインアウトからのBK展開では積極的に前へ出る大体のディフェンスに手を焼き、最後にピッチ左のラックそばへ左FL李淳也、松井が移動してきて9−6−11とショートサイドを攻めた場面で松井がFB水田健吾に捕まり、膝を着いたのにボールを放さないタックル成立のノットリリースザボールをとられるなど、なかなか波に乗れない。さらに16分、PKでノータッチを蹴り、これを大体がタッチキックで応酬したラインアウトはノットストレート、そして大体の自陣10メートル手前右スクラムで再開された守備局面ではラインオフサイドと、ミスがずっと続いた。反面、大体は20分にノットロールアウェイのPGを決めると、リスタートキックキャッチから攻める天理に対し、体を張ったディフェンスで流れをつかんでいく。22分、左オープンの先、4番フィリモニ・コロイブニラギを3人がかりで止めたあとの右チャンネル2へ、HO長崎健太郎が低いタックル。すかさず秋山が絡んでノットリリースザボールのPKを得て、敵陣22メートル手前まで進出する。左を攻めて防御を集めた4フェーズ目、三瀬が右へキックパスを蹴って、右WTB佐藤耕貴に追わせた。ワンバウンドしたボールが天理、松井に入ったものの、直後の天理のアタックを鋭い出足で止めて後続が襲いかかり、ターンオーバーして再攻撃。9−14−15、佐藤にサポートした水田の連係で縦にゲインを重ねたのち、スペースが生じた左へ振った。9−10−12。先ほどハンドオフによる力強いトライを挙げた三瀬が、今度はディフェンスを2人引きつけて柔らかいパスを放す。このムーヴでフリーになった左CTB奥聖貴が、左中間から中央へ回り込んでいった。コンバージョンの2点を併せ、0×17。大体のリードが広がった。

画像 このリスタートキックで10メートル飛ばないミス。天理の動揺がみてとれたが、31分、ノットリリースザボールのPKでハーフウェイ過ぎまで地域を戻したアタックを、天理は最終的にトライへつなげた。33分にもPKを得て、敵陣22メートル過ぎへ。192センチのコロイブニラギへスローを合わせ、9−10−13の右展開でバイフが縦を突く。直後、9−10−12と順目。大体はバイフに竹内と三瀬、松本にも奥ら2人が前を詰めてよく止めたが、天理は右ショートサイドのチャンネル1、右FL梶間の縦を挟んだあと、左オープンへ。9−10−13。左に松井と右LO吉崎隼人が待っていたが、バイフはパスをつないでも取り切れぬと判断したか、自らクラッシュした。このラックのボールを、SH藤原恵太が右へさばく。そこにはあらかじめギャップを狙ったアングルチェンジ、梶間が加速してきていた。裏へ抜けて、左ポスト下へトライ。コンバージョンも成功し、天理はようやく7点を返したが、リスタートキック後、自陣からのアタックで大体のペナルティに助けられ、39分にハーフウェイ手前まで地域を戻したものの、効果的なアタックを繰り出すことができず、左チャンネル2、コロイブニラギが長崎の低いタックルに倒され、右PR高見優太のジャッカルに遭う。大体は敵陣10メートルラインを超えた位置でショットを選択。沢良木が距離のあるPGを決めて7×20とし、前半を折り返した。

画像 後半最初の得点は大体だった。2分、自陣22メートルと10メートルのあいだのラインアウトから攻め、奥が叩きつけるようなグラバーキック。大体はカウンターしやすいキックを簡単に蹴らないゲームメイクをしていたが、この場面も途中出場のFB野村宏輝の前で不規則で撥ねて、狙いどおり。処理にモタつくあいだにチェイスが追いつき、野村はタッチキックを蹴るしかなかった。敵陣10メートル地点のラインアウトから2−8−9−6、左FL松本直樹のパスに対して天理がインテンショナルノックオンを犯し、大体は沢良木が手堅くPG。5分にはオフザゲートのPKで敵陣へ進み、ノックオンの一頓挫はあったものの、天理がスクラムの8−9でハンドリングミス、敵陣22メートル以内でボールを獲得するやいなや、ディフェンスラインをそのままアタックラインに切り替えた左オープンで仕留める。河口−三瀬−奥−沢良木。沢良木が右WTB東丈太郎に捕まりながらも、巧みなボディコントロールで体を回転させ、左隅へボールを置いた。角度のあるコンバージョンも決まり、7×30。

画像 天理は12分、バイフが左展開の先、秋山を止めたポイントでターンオーバーに成功すると、ハーフウェイを超えたあたりで連続攻撃を開始。3フェーズ目の右展開、バイフの突進を足元に入って止めに行った長崎が頭を強打し、レフリーが試合を止めた敵陣10メートルと22メートルのあいだ右のスクラムで、3番から1番へ回っていた王鏡聞(わん・きょんむん)のコラプシングによるPKを速攻したが、ほどなくノックオン。チャンスを逃してしまう。大体は直後の蹴り合いを制し、敵陣10メートルと22メートルの中間でラインアウトを得ると、14分、左展開で右CTB吉野晃平が力強い走り。タックルをもろともせず、左隅へトライ。ここでも沢良木が難しいコンバージョンを決め、7×37、大体のリードは30点に広がった。

画像 今季の下馬評では優勝争い筆頭に推す声こそ少数派だったとはいえ、3連覇中の天理が後半14分の段階でここまで離される展開は、予想外だった。19分にPKでノータッチキックを蹴るなど、まだ乗れない姿を露呈していた天理だったが、22分、最後はノットリリースザボールで攻撃権を失ったものの、敵陣10メートル手前のラインアウトから9−10−7、アングルチェンジで梶間の縦ののち9−10−13−22、バイフのオフロードパスを野村がもらい、左へリターンパスを戻したつなぎに、本来の姿がようやく表われてきていた。このPKをタップキックで仕掛けてクラッシュした大体は、三瀬がデッドボールラインを超えるキックを蹴ってしまい、天理に再びチャンスを与えてしまう。敵陣10メートルと22メートルのあいだ右のスクラムからフェーズを重ねた天理は、途中出場の右WTBジョシュア・ケレビがフィジアンらしいステップで川崎を外す見せ場を織り交ぜ、8フェーズ目、オーバーラップができた左展開で仕留める。SHへ入っていた谷口和洋−後藤−バイフ。バイフが水田を外して左隅へ。さらに大体がラインオフサイド、倒れ込みと続けてペナルティに犯したのに乗じ、29分、残り8メートルまで進出する。このチャンスは近場勝負で大体の圧力に負け、ノットリリースザボールで挫折したが、ハーフウェイまで地域を戻した大体のラインアタックで発生したオブストラクションに救われ、クイックタップで仕掛けていった。締めは圧巻の“ザ・天理”。21−7−13と右へ振り、タッチ際でバイフが3人を引きつけたところに、ケレビがスイッチで入る。そして内側へサポートは左CTB忽那幹太。中央へ走り切り、コンバージョンの2点を併せて19×37。遅ればせながら追撃態勢へ入った。

画像 このリスタートキックを大体は秋山へ取らせようとしたが、捕球できない。天理は左LOへ入っていた西川太郎がボールを確保、連続攻撃を開始する。35分を過ぎ、大体の足が鈍くなり、ディフェンスのセットが遅れるようになっていた。天理は敵陣へ攻め込んだ36分、倒れ込みのPKを西川が仕掛ける。直後、左へ振った際、後藤のパスが乱れて地を這ったものの、逆にチャンスになった。反応して詰めてきた佐藤とすれ違いでゲインしたケレビが、左中間へトライ。バイフのコンバージョンも成功し、26×37とする。2、3分あるであろうインジャリータイムを考えると、射程圏だ。大体はこのリスタートキックでも秋山に競らせたが、ハンドリングエラー。梶間がボールを確保した天理のアタックの2フェーズ目、忽那にスイッチで入ったバイフを途中出場のSO門田卓也がきっちり止め、いったんはターンオーバーした大体だったが、天理は松井がbW福本翔平に好タックル、オフザゲートのPKを誘った38分、速攻で仕掛けていく。すぐに右へ展開。まだハーフウェイ手前の自陣だったが、後藤が巧さを見せた。パスコースへ飛び出すディフェンスを冷静にやり過ごしてパス。ここでオーバーラップが確定し、バイフ−野村−ケレビ。ケレビが右中間まで駆け去っていった。ただ、バイフのコンバージョンは左へ引っかける形。ポストから大きく反れて、不成功に終わった。

画像 31×37、1トライ1ゴールで逆転というところまでこぎつけ、インジャリータイムを併せ、残り2分弱。場内は大興奮だ。一瞬のうちに取り切る決め手を思えば、天理には十分な時間が残されているといっても過言ではなかったが、リスタートキック後のアタックで天理は、6フェーズ目にパスミス。ボールを獲得した大体は、強いFWのチャンネル0オンリーで時間を遣いに来た。両チームの応援団の叫びが交錯する中、42分、レフリーにフルタイムを確認した河口がパスアウト、ボールをもらった沢良木が真横へタッチキックを蹴る。その瞬間、試合終了の笛。大体が天理に4季ぶりの黒星をつける勝利を挙げた。



    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

画像 敗れた天理のほうから記そう。終盤の追い上げには一定の評価を与えたいけれども、接戦に持ち込んだことよりも、途中で大量ビハインドを背負った理由に反省点の多いゲームであろう。酷評になるが、FWが全然、機能していなかった。大体のFWをめくり上げろとは言わない。生きた球が出るための2人目、3人目の速さが足りなかった。ここ数年の天理はBKがたいてい、きれいなアタックラインを引いて待ち構えているのだが、この試合はいつもボールへ絡まれかかっている分、内側にいるBKの選手が、ポイントへ加わらないまでも自然、寄ってしまっていた。スローダウンした挙句、寄ったことによる不完全な陣形へパスを出し、有効なアタックができずに大体の防御に捕まる、あるいはここでバイフやコロイブニラギに突破を託しても3人がかりで止められ、相手ディフェンダーを巻き込んだことを生かすアタックを次フェーズに繰り出せない――というシーンが目についた。多発したミスも、元凶は生きた球が出なかったことにある。接近プレーを得意とするチームだけれども、接近どころかすでにタックルされている場面が多かった。大体の前へ出るディフェンスを下げるために、裏へショートパントを蹴る必要がある、と前半終了時に思ったけれども、本来、そういうことをあまりしないチームである。1年生のHB団、藤原=後藤にとっては大学の洗礼とでもいおうか、難しいゲームメイクを強いられた。繰り返しになるが、とにかく生きたボールをBKへ供給すること。能力のあるBK陣によるパスムーヴを最大の武器とする天理にとって、今年は3連覇前の勃興期のような、原点回帰のシーズンになる。誰もが天理の目指すラグビーを自覚しているはずだ。ディフェンスでも低さで大体に劣るシーンが散見され、タックルの弱さ、2人目の俊敏な仕事という点に不満が残るが、やること、磨くべきことがわかっている強みを発揮した巻き返しに期待したい。

画像 大体はディフェンスの出足が速かった。長崎の体を張ったタックルには惚れ惚れ。チーム全体でみても低いタックルを繰り出していて、まだハンドオフではたき落とすことを知らないであろうコロイブニラギの不機嫌そうな仕草が印象的だった。スクラムも相変わらず強く、伝統のパワーを観客の目に焼きつけたが、それだけにとどまらず、大きな体をもて余さないスピードがあった。ゲーム後の率直な感想を記せば、30点のリードを奪ったあと、終了間際のチャンネル0攻撃ほどではなくても、ディフェンスではひたすら壁、アタックでは岩になるという意識で彩度を落とした戦い方をしていれば、すっかり諦めていた女が婚約者に捨てられたことを知ったみたいに天理の応援団が大喜びすることはなかった、と思う(追い風に乗って逃げていく自軍のリスタートキックを取りに行かなくても、キャッチした天理に猛タックルを浴びせて乗り越える策でいいし、後半22分に自陣PKをタップキックで仕掛けるのも不要。直後、三瀬のデッドボールラインを割るキックが失点につながった。攻める気持ちは大切だが)。昨年の同志社戦あたりでも、後半にリードを守り切りたい場面で拙さが出たので、あえて指摘しておく。勝利に水を差して申し訳ないけれど。この試合からは、全体のバランスが去年以上に良好と映った。この点差だけに難しいプレースキックを次々成功させた沢良木の得点が貴重、彼が開きながらもらうパスキャッチにも進境がうかがえたが、個人的MOMは三瀬としたい。どっしりした安定感があり、判断に誤りがない。先制トライのハンドオフ、2つ目の奥のトライを導く相手防御の吸引は、いかにもこなれていた。三瀬と奥は、ディフェンスでも堅実さが目を惹いた。

付記 本文中、選手名の敬称は省略としました。


にほんブログ村 その他スポーツブログ ラグビーへ
にほんブログ村

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 8
なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
ナイス ナイス

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
URL(任意)
本 文
天理猛追も4季ぶり黒星 大体、逃げ切って歓喜の勝利・関西Aリーグ第1節 天理大学vs大阪体育大学 ワンダーランド・なぎさ亭/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる