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zoom RSS 山下が決勝PG! 4勝目京産、大学選手権出場決定・関西Aリーグ第6節 京都産業大学vs大阪体育大学

<<   作成日時 : 2013/11/18 06:00   >>

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画像 11月16日、花園ラグビー場で関西大学Aリーグ第6節の2試合がおこなわれた。6節は当初、第2グラウンドで開催予定だったが、芝の状態がいいからなのか、それとも収容人数の少ないスタジアムでおこなわれた開幕節、宝ヶ池と鶴見緑地の盛況を考慮したのか、10月、関西協会から第1グラウンドへ変更することが発表された。より観やすいグラウンドへの変更は、観客にとって歓迎材料である。しかし、観客以上に喜んだのは第1試合、京都産業大学vs大阪体育大学において公式戦初出場を果たした、京産の右PR緒方勇武ではなかったか。佐賀の鳥栖工出身。佐賀といえば、全国大会出場は佐賀工の独壇場。それ以外の高校には、花園ははるか彼方の遠い存在である。第1グラウンドの試合は、緒方にとって感慨深かったことだろう。両チームの5節までの成績はともに3勝2敗で、あと1勝すれば、大学選手権出場は確定というところまでこぎつけていた。京産はPR浅岡祐輝とbW増田匠、大体はPR王鏡聞(わん・きょんむん)を欠くといった具合に故障者が出ていたが、大体に待望の復帰を果たした選手がいた。開幕、天理戦勝利の立役者、SO三瀬憲二朗である。彼が入ったことにより、縦だけでなく横にもチャンスメイクできる布陣となり、常翔啓光の同級、三原亮太との10番対決も注目だった。

画像 無風の穏やかなコンディションのもと、大体のキックオフで試合が始まった。京産はキックキャッチ後、SH梁正秋(りゃん・じょんちゅ)がパントを上げる。真上のキックになって味方にオフサイドプレーヤーが多数。ピンチの芽ではあったが、大体の左FL松本直樹がノックオンし、京産は自陣22メートル過ぎ右でスクラムを得た。しかし大体は、強力FWが挨拶代わりに真価を発揮、電車道の押し込みでボールを奪う。bW福本翔平がボールを拾って右サイドへ。京産も応戦し、福本を止めたポイントをサポートが乗り越えてターンオーバーしたが、梁のキックがディフェンスに当たり、イーブンボールを獲得した大体が再攻撃開始と、局面が目まぐるしく入れ替わった。右チャンネル1、左LO川崎大翔にジャッカルしたHO中島裕樹のホールディングによりPKを得た大体は、1分、残り10メートルでラインアウトのチャンス。ところが、モールの組みしなに手渡しがうまく行かず、ノックオン。京産のタッチキック後、敵陣22メートル過ぎのラインアウトはモールを右へズラしたあと、HO長崎健太郎が左サイドへ仕掛けてから左へパスし、2−9−10というアタックで切り崩しを図った4分の好機も、三瀬の手からボールがこぼれた。このスクラムから8−9−11と左へつないだ京産は、左WTB下良好純が三瀬をハンドオフしながら前進したが、タッチへ出されそうになったところでフィールド内へボールを生かそうとしたがノックオンし、5分、敵陣22メートル手前右端でスクラムと、大体のチャンスが続く。8−9−10−12の左展開、相手防御に限りなく接近した三瀬のショートパスに左CTB奥聖貴というサインプレーで突破を狙った。しかし、奥の走り込むタイミングが、やや早かった感。ボールをきっちりつかめず、SO三原亮太と左CTB山本耀司のコンタクトを受けてノックオンしてしまった。

画像 京産は7分、右チャンネル1の福本を阻んだポイントを乗り越え、ターンオーバーした。直前、大体は敵陣10メートル過ぎのラインアウトで長崎のスローを川崎がタップ、ボールが地面に撥ねた分、滑らかさを欠いていた。SH河口太一が確保して右へワンパス、三瀬が三原に詰められていて、前へ出ているのは終始ディフェンス側という局面。必然のターンオーバーだった。すぐに左へ振った京産は9−10−12、山本がゲインしたのち、bW李智栄(り・ちよん)がピック&ゴーで前へ。敵陣22メートルに達すると、左LO小川雅人がさらに左サイドを突こうとした。拾い損ねてノックオンとなったが、大体のスクラムでノットストレートのFKを得ると、クイックタップ。右チャンネル1を2度攻めたあと、梁が逆目へ放してFB山下楽平の個人技に託した。相手の読みの逆を衝く意図と思われるが、数的にはむしろ不利。山下を阻んだ大体がボールを奪い、松本が器用に裏へキック。大体が地域戦で有利に立つ気配が濃厚になったが、直後の蹴り合いで、右WTB佐藤耕貴が三原のキックをノックオンしてしまう。しかし、京産はこの敵陣10メートル左端のスクラムから攻めた2フェーズ目、梁が左FL芦塚大和へ向けて右へ放したパスがスローフォワード。さらに13分、ハーフウェイ付近で梁のパスをもらった山下がカットインで河口を外し、敵陣22メートル内へゲインするチャンスがあったが、ノックオンで逸機。お互いにミスが出て、取り切れない場面が続いた。

画像 18分、大体陣10メートルのラインアウトを起点とする京産のアタックの2フェーズ目、左チャンネル1の小川を河口が低く入って止め、福本が絡んでノットリリースザボールのPKを得た大体は、敵陣10メートル過ぎのラインアウトから2−8−9−10−7と左へ展開する。右FL竹内擁騎が三瀬のフラットパスをズレてもらい、芦塚をかわして前へ出た直後、チャンネル1で川崎が右CTB増田大暉に阻まれ、すぐに立ち上がってジャッカルする好守備によってボールを奪われたものの、大体は山下のキックをチャージし、ボールは横のタッチ。地域の多大な不利を蒙らずに済んだ。20分、左展開で右CTB吉野晃平が止められたラックのボールをさばこうとした河口が梁に襲われ、ターンオーバーされた局面を京産のタッチに救われると、大体は自陣10メートル手前のラインアウトから仕留めてきた。福本がスローをキャッチできず、左PR高見優太がキープ。ここで河口が、防御が並んで手を拱いているオープン側ではなく、左ショートサイドへ放したのがよかった。まず右LO秋山陽路が前進し、2次の右チャンネル1は、川崎が走り込んで当たり勝つ。そして三瀬の右チャンネル1を挟んだ順目、河口のパスをもらった福本の力強いゲインが決め手となった。福本から細かくツーパス、ディフェンスをズラしながら佐藤へ。そこから左オープンへ振って、9−10−4−12−13。22分、京産の防御が完全に後追いとなり、スペース十分の数的優位のもと、吉野が防御のあいだを駆け抜けて左隅へトライ。コンバージョンは不成功に終わったものの、大体が5点を先制した。

画像 吉野のトライに勢いを得たか、ここまでやや動きが硬かった大体は、リスタートキックをキャッチした福本が勝負、そして秋山がピック&ゴーで力強く前へ出て、活性化したように見えた。だが京産は、河口の球出しに右FL眞野拓也がプレッシャーをかけ、ノットリリースザボールを誘った25分、山下のPGで3点を返す。そのあと、リスタートキック後のアタックで左ショートサイド、チャンネル1の増田大が照準を絞って詰めた佐藤のタックルを受け、2人目のコンタクトでノックオン、28分にはラック右サイドが空いた隙を山下が好判断で突いて前進したものの、松本と吉野に止められてノックオンと、ハンドリングエラーが続いた京産だったが、31分に絶好機がめぐってきた。山下が、左WTB沢良木遼平を背走させる右裏へのキック。インゴール内へ入ってからゴールライン手前のボールを持ち込んでタッチダウン、ドロップアウトを狙った沢良木のプレーが、ボールがすでに止まっていたという判定で、キャリーバックになった。残り5メートル右端でスクラムを得た京産は増田大、芦塚と左チャンネル1を突いて防御を内側へ寄せたあと、スペースのある順目へ。32分、梁のパスをキャッチした山下はFB水田健吾と佐藤に来られたが、スライドする2人のあいだを縫うようにして左中間へトライ。左端に14番の森田慎也が余っている状態で一瞬、パス!と思った人が多いと思う。しかし、山下は、自身の強さと相手ディフェンダーの動きを天秤にかけて、抜けると判断したようだ。水田と佐藤のタックルが甘かったとはいえ、このあたりが、並のレギュラークラスとは異なる。抜き方、抜け方をいくつも知っているのだ。

画像 山下のコンバージョンも決まり、10×5と逆転した京産は、リスタートキックを追った秋山のノックオンにより、自陣22メートルと10メートルのあいだ、右端でスクラム。押されはしたが、李が左8単、すれ違いで前へ出ると、サポートが続いた。梁、下良と縦にゲインを重ねて一気に敵陣へ進んだ直後、9−10−12−13−15の左展開で山下が吉野を外し、残り6メートルまで肉薄する。山下が佐藤に止められ、梁が右へ放したパスが高見にインターセプトされたが、立ち位置のオフサイド。36分、PKをタッチへ蹴り、残り5メートルでラインアウトモールを組んだ京産は、右チャンネル0の3連発で仕留めた。単純な力勝負でも素早く持ち出したのがよく、フィニッシュした李の縦は、大体のセット遅れが答えた感。左中間へのトライ後、コンバージョンも成功し、京産のリードは12点に。しかし大体は、リスタートキックをキャッチした京産がモールドライブを図ったポイントでターンオーバー。敵陣で攻撃権を得ると、長崎が右チャンネル1で裏へ出た際、落球するミスはあったが、山下のタッチキック後、敵陣22メートル過ぎのラインアウトで仕切り直し。福本がスローをキャッチしたモールを起点に、近場中心の武骨な連続攻撃でゴールラインへ迫った。京産のしぶとい防御に手を焼いたものの、9−10−14と左へ振ったあと、左ショートサイドのチャンネル1を奥が突き、長崎がピック&ゴーで仕留める。左隅へトライ。三瀬のコンバージョンは外れたものの、17×10。1トライ1ゴールで追いつける点差で前半を終えることができた。

画像 後半0分、京産は敵陣10メートルと22メートルのあいだのラインアウトを起点に、フェーズを重ねた。このアタックは大体が外のパスコースにアンブレラ・ディフェンスでプレッシャーをかけたことにより、三原、山本、山下のBKがチャンネル1でクラッシュする単調なものとなった。7フェーズ目の右チャンネル1、中島を三瀬と奥がダブルタックルで倒し、川崎が絡むノットリリースザボールのPKを得た大体だったが、ノータッチを蹴るミス。ここから両者ともミスや反則でチャンスの芽が潰す膠着状態に入った。9分、大体のタッチキックをハーフウェイ手前でクイックスローインした京産は、森田が左裏へ好タッチキックを蹴り、敵陣22メートル付近まで進出する。ここで大体はラインアウトミス。マイボールとした京産は、3次で9−10−12−15と右へ振った。山本のパスを山下が止まって受け、奥と吉野に捕まったポイントを2人に乗り越えられそうになったが、奥が立ち上がるのが遅く、球出しに影響があったという判定で、京産はノットロールアウェイのPK。しかし11分、ショットを選択して3点を取りにいった山下のPGは不成功に終わった。大体がきっかけをつかみかけたのは16分。京産のオフザゲートにより、敵陣10メートルと22メートルの中間点でラインアウトを得る。しかし、2−4−9−10−12と左へ展開し、三瀬と奥のあいだに囮を入れたにもかかわらず、奥が山本の鋭いタックルの餌食になってしまった。眞野らが一気に乗り越えて京産ボールになったが、すぐに梁がキック、蹴り勝つ形で敵陣22メートルへ進んだ京産はラインアウトでノックオン、スクラムでヘッドアップと拙いプレーが続き、好機を逃してしまう。21分、大体は自陣22メートルと10メートルのあいだのラインアウトで長崎の投入がノットストレート、ラインアウトを選択した京産はモールを押し込んで22メートル内へ入り、連続攻撃を仕掛けた。ところが22分、オフザゲートでまたも頓挫。17×10のスコアが長いあいだ、動かなかった。

画像 この試合はキックが多かった。蹴り負けることの多かった大体だったが、26分、三瀬がフィールド内でバウンドし、転がって敵陣奥でタッチとなる好キックを蹴った。相手ボールラインアウトとはいえ、残り5メートルの位置。ここで大体は、福本が後方へのスローを前でスチールする値千金のプレー。左チャンネル0を挟み、河口が順目へさばく。加速してボールをもらったのは、河内屋菊水丸に似た高見。パワフルなランで右中間へ突っ込んでいった。李に懐へ入られ、グラウディング直前に手からボールがこぼれたが、三原のタッチキック後、敵陣22メートル過ぎのラインアウトから仕留める。松本がスローをキャッチしてモールと思いきや、手渡しでもらった秋山が前進し、29分、防御を2人引き連れるようにして強引に右中間へトライ。沢良木のコンバージョンも成功し、大体は17×17の同点に追いついた。ちなみに、このトライシーンはモールを組むのが真の狙いだったように見えたけれども、大体はラインアウトからFWがズラしながらゲインするサインを関学戦で使っている。セカンドプランとして準備しているか、咄嗟に判断できるようになっているのだろう。FWのランパスに魅力のある大体の場合は、ひょっとしたらモールよりもこちらのほうが効果的かもしれない。

画像 大体は34分、直前の自陣スクラムでハーフにプレッシャーをかけた梁のオフサイドにより、敵陣10メートル手前でラインアウト。が、京産は梁がレシーバーの河口に猛然とダッシュする。中島、緒方、小川、右LO泉森直人らがどっと繰り出してターンオーバーし、蹴り合いを経た36分、京産は山下が三瀬のキックを処理してカウンターラン、右についた森田へつないだ。しかし大体は、沢良木が迷わず詰めてタックル。順目の増田大へ放した森田のスローフォワードを誘う。敵陣10メートル手前左でスクラムを得た大体は8−9−10、左の狭いほうへ展開し、三瀬が沢良木を追わせるキックを蹴った。しかし、下良がインゴールへ先着し、ドロップアウト。ここから、ハーフウェイを挟んでボールが6度行き来する蹴り合いへ移行する。両者とも、自陣で反則を犯し、PGで決着するケースを恐れたか。引き分けの場合は大学選手権出場が確定しないが、可能性はここで負けるよりずっと高くなる、という思いもあったかもしれない。38分、京産は敵陣10メートル過ぎでラインアウトを得たが、大体は福本がスチールし、竹内がクラッシュしたあと、9−10−13と左へ展開した。京産は、増田大が吉野に突き刺さっていく。山本がポイントを乗り越えかけ、ターンオーバー寸前。押されていたように映ったラックアンプレイヤブルでマイボールスクラムになったのは、大体にとって幸運だった。場所は自陣22メートルと10メートルのあいだ左、三瀬のタッチキックで危険なエリアから脱出した大体だったが、直後に悪夢が待ち受けていた。小川がスローをキャッチしてラインアウトモールを組んだ京産は右チャンネル1を突いたのち、梁がパントを上げる。大体は竹内がノックバック、河口がイーブンボールをキープしたが、そこへ京産が殺到。柵を薙ぎ倒し、立入禁止の場所へなだれ込んでいく群衆みたいにポイントを乗り越えた。残されたボールをその場にいた福本が拾い上げたが、厳密にはラックでなくでも、ラックのオフサイドラインが残存すると見做される位置。42分、京産にPKが与えられた。敵陣10メートル、左端5メートルラインの位置でショットを選択する京産。距離のある難しいキックだったが、山下が見事、ポール間を打ち抜いた。20×17。大学選手権出場が決定する白星を手にし、抱き上がって喜ぶ京産。対照的に一様に肩を落とした大体のメンバーには、悔し涙にくれる選手もいた。


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画像 高見、長崎、右PR伊尾木洋斗と関西大学界を代表する前列を揃えた大体は(来週の第7節、北川賢吾、秋山哲平、才田智を擁する同志社との試合は要注目!)、予想どおり、スクラムを終始、優勢に組んだ。しかし、すさまじい勢いで押し込んだ最初の2本ほど圧倒できず、優位を生かせない内容。この点は後述する。キックが多かったことについては、敵陣でセットプレーを得るとトライにつながりやすいチームカラーであることと、接点が劣勢で自陣から仕掛けるとターンオーバーの危険があって失点しかねないこと、大事な1戦ということで手堅く組み立てたい、といった思いが輻輳していたと推測するが、京産には三原、山下、森田とキックのいい選手が3人いて、蹴り勝つ局面がなかなか訪れなかった。29分に一時同点となる端緒は、三瀬の好タッチキック。ただ、三瀬に最大級の賛辞を送るべきとはいえ、全体をふりかえると、数少ないチャンスをモノにできたという、僥倖を喜ぶ心理に似た気持ちにならざるをえない。大体の最大の敗因を挙げるとすれば、京産のディフェンスのピントに合ったアタックが多かったこと。前へ出る防御に阻まれてゲインラインを越えられない場面が多く、とりわけ山本、増田大のCTB2人に好タックルを食らってしまった。前2試合、立命戦と同志社戦で京産のディフェンスが外へ振るラインアタックに難を示していたことは、大体もわかっていたはず。吉野の先制トライシーンに相手の弱点を知悉していることがうかがえたけれども、総合的な印象としては、浅いラインで仕掛けてCTBに捕まるパターンで京産に敗れた関学の二の舞を演じた、といえる。接点でクイックボールが出なかった分、防御が準備している状態。アタック・ブレイクダウンを制して京産をきっちり排除していれば問題はなかったが、それができないなら、深いアタックラインを敷いて、前へ出るディフェンダーを空砲にする工夫がほしかった。これは大体に限ったことではない。先週、関東リーグ戦の東海vs法政戦においても、法政の両CTBのタックルによって東海がフラットなラインアタックをことごとく中断されていた。大学ラグビーは、フラットな攻撃が相手防御に合っているときにラインを深くして駆け引きする柔軟性を、身につける必要がある。もっとも、TLでも、ラインの深さを相手の出方によって調節しながら平生と変わらない力を発揮するチームは、それほど多くないけれど。大体のFWがパスをつなごうとしたことについては、巨体ランナーが巧みなハンドリングを駆使し、クラッシュと踏む相手をズラしてゲインする場面を今までの試合で何度か見せているので、個人的にはいいかな、と考える。ラックに対する京産のプレッシャーが苛烈だったので、もしFWのつなぎでハンドリングエラーが起きなかったとしたら、ラックにせず、パスしたことが勝因になった可能性だってあるだろう。この試合で目立ったプレーヤーは、1対1の局面で当たり勝った秋山と福本。とりわけ福本は切れ味が鋭く、ラインアウトのスチールでも貢献した。

画像 後述すると書いたスクラムについて記そう。素人なので正誤のほどは保証しかねるが、少なくとも、京産がボールを出せる程度に対処したことが明らかだろう。最初の2本(うち1つは大体がターンオーバー)を目にしたときは、スクラムの反則が勝負を分けると予感した。しかし、その後、京産がスクラムで反則を犯したのは後半17分のみ(ヘッドアップ)。J−SPORTSの放映があったので、ビデオを観たところ、京産の左側に特徴があった。左PR清水佳佑が内側へ入り、FLの芦塚が「行け!」と修羅場へ放り込むみたいに押し込んでいる(FLは押す角度を問われないし、相手SHを妨害しなければステップアウトして外側に開いてもいい。競技規則20.3(g)参照)。これで球出しが叶うようになった。京産を応援するファンは熱い人が多く、先週の同志社戦同様、レフリングに対する不満の声を飛ばしていたが、清水のアングルに笛を吹かず、コンテストさせてくれたことを、レフリーの立川誠道さんに感謝しないといけないだろう(私見だが、翌日、関東対抗戦の帝京vs明治戦を観て、清水塁さんの基準であれば京産のスクラムは笛を吹かれる、と思った)。

画像 この試合における京産の美点は、前へ出るディフェンスの圧力と、接点への2人目、3人目の寄りの速さ。ブレイクダウン・ターンオーバーの数は6対5、大体を1つ上回っただけだが、その数字以上に接点では京産が勝っていた。ボールは奪えずとも大体のテンポを削ぎ、準備したプレーヤーが前へ出てタックルを決めていったのは前述したとおり。ディフェンスの勝利だろう。大きく展開されたときの弱さは、ある程度は改善していたと思うが、スローダウンさせたことによって、苦手とする、テンポよく外へ運ばれる局面を少なくできたのは幸いだった。ハンドリングエラーは9つをかぞえたが、13の大体に比べると、選手の動きに活気があり、積極的なミスとして肯定できる面があった。もちろん、精度を高めることは重要で、もう少し相手防御を崩すシーンを増やしたかったのが本音かもしれない。それは大学選手権へ向けた課題といえよう。FW、BKが噛み合ったときの破壊力は、BKに突破力があるプレーヤーが揃っているだけに脅威だ。この試合で公式にMOMが選ばれるとしたら、決勝PGを含めた14点を叩き出した山下で間違いないだろうが、個人的には眞野を評価しておきたい。増田匠の欠場で先発のチャンスがめぐってきたが、まったく欠落感を匂わせないハードワークが目立った。8番へ回った李は、むしろこちらのほうが向く突破型とはいえ、しっかり機能。総評としては、FWがラインアウトで苦しみ(9/13)、スクラムも自慢できる出来ではない代わりに、ブレイクダウンで目一杯がんばってセットの劣勢を相殺したゲームだった。


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付記 本文中、選手名の敬称は省略しました。あと、レフリングに関する観客の野次に対しては、以前、プロ野球のラジオ中継を聴いていたときに、金本知憲さんがおもしろいことを言っていたので、こちらからのメッセージとしておきます。「ハーフスイングの判定については、僕は文句を言いませんでした。ビデオを観たら、やっぱり振ってた、っていうケースだったら嫌じゃないですか」。でも、熱心に応援して賑やかな人の声を聞くのは楽しい。すべて慎め、というような気持ちは、毛頭ありません。

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