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zoom RSS 大体、執念の追い上げで引き分けに持ち込む 同志社、優勝の可能性は残す〜関西Aリーグ第7節(前編)

<<   作成日時 : 2013/11/25 06:00   >>

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画像 11月23日、西京極で関西大学Aリーグの2試合がおこなわれた。当日、僕は南港グラウンドへドコモvsNECの練習試合を観に行ったので録画観戦となったが、うれしかったことが1つ。我が家はJ−COMと契約していて、J−SPORTSをケーブルテレビで視聴しているが、この日は地上波のJ−COMチャンネルでも西京極の試合を中継したのだった(映像、音声はJ−SPORTSと同じ。関西地区のみ)。ケーブルテレビを通じたCS放送は画質が落ちるのが難点(コピー防止の処理を施しているからという話を聞いたことがある。その種の事情に疎いので真偽のほどは不明)。しかし、地上波の場合は鮮明な映像で観られるので、素直にありがたい。J−COMチャンネルのラグビー中継は、関西では初めてではないだろうか。ぜひ、TLも放映してもらいたいものである。

 京産vs関大、大体vs同志社の2カードのうち、今回は前編として後者の試合について。大学選手権の5位以内を賭けた大体と、優勝の可能性が残されている同志社の1戦は、終盤にもつれる熱戦となった。


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 【△大阪体育大学26×26同志社大学△】

画像 お互いにラインアウトのキャッチミスやハンドリングエラーがあり、どこか地に足のつかない入りだった。先制点を挙げたのは大体。10分、スクラムの反則(同志社の左PR北川賢吾のアングル)で敵陣10メートルのラインアウトを得て攻めた5フェーズ目、左PR関沢真一が右サイドを前進して、22メートル内へ入った。一連のアタックはボールを動かしつつFWが体を当て、BKにも味方がついてユニットで押し込むという縦を意識したものだったが、最後は防御が人数を割いてこないショートサイドを執拗に攻めたのが吉と出た。11分、9−15−12と左へつないで、左CTB奥聖貴がコーナーへトライ。同志社は右WTB松井千士がFB水田健吾へ詰めたものの、パスを放され、奥にスペースを駆け抜けられてしまった。解説の大畑大介さんは関学戦のときも松井の前へ出るディフェンスの危険性を唱えておられた。仰るとおりではあるが、僕個人は闇雲に行っているわけではなく、抜かれても再度追いつけるとか、タックルが決まるかインターセプトの可能性あり……といった計算が松井の頭にあるのではないか、と考えている。ただ、トライを奪われたから指摘するわけではないけれど、この場面は安易だった感。ひょっとしたら大体に、2対1を作って松井が詰めてくるのを利用する意図があったかもしれない。

画像 しかし同志社は16分、ラインオフサイドのPGで3点を返すと、20分に左WTB宮島裕之のタッチキックで敵陣へ。大体の右LO秋山陽路がラインアウトでノックオンしたことにより、敵陣10メートルと22メートルのあいだ左でスクラムを得る。2次の右展開、9−10−15のスイッチでFB藤本貴也がSH河口太一の好タックルに阻まれたが、直後、9−10−13と左へ回し、右CTB林真太郎が飛び出したディフェンスとすれ違ってゲイン、順目にサポートした左CTB木村洋紀へつないだ。地を這った木村のオフロードパスを同志社がセービングしたところで、大体にプレーオンザグラウンド。22分、このPG成功によって5×6と逆転した同志社が勢いづく。リスタートキックをキャッチした西林が前進したあと、オフロードパスをもらったHO秋山哲平がハーフウェイ近くまでゲイン。左へ展開し、宮島が右WTB佐藤耕貴をチェンジオブペースでかわした直後、右オープンへ振って松井が22メートル内へ駆けるといった具合に、同志社らしい奔放なアタックが繰り広げられた。2フェーズ後、SH大越元気が右ショートサイドへ放して7−14。松井が縦を突いたポイントから今季、しばしばアタックのキーマン的役割を果たしてきた右FL末永健雄がピック&ゴー。右コーナーのゴールラインをうかがったが、関沢に後方からタックルされ、寸前で落球してしまった。しかし、レフリーはラインオフサイドのアドバンテージをみていた。26分、同志社は残り5メートルの位置でラインアウト。ところが、リフターの左FL田淵慎理がジャンパーの右LO森山雄の前に入って、オブストラクションになってしまう。直後、大体がラインアウトでノットストレートを犯し、なお敵陣へ居座った同志社は29分、左チャンネル1で林がノックオンしたものの、河口が真上へ蹴るミスキックのイーブンボールを獲得して、チャンスが継続する。同志社にハイタックルのPKをタッチインゴールにしてしまうミスはあったが、大体もSO三瀬憲二朗のハイパントを秋山陽が好捕しながら着地時に落球して、お付き合い。落ち着かない流れの中、この敵陣10メートル左のスクラムを起点に、同志社が33分、連続攻撃で仕留めた。不用意に前へ出た大体の防御の隙を衝き、SO渡邉夏燦が縦にゲインして左につく田淵へつないだあと、9−12−13−11−2、人を配して数的優位を作った左の狭いほうへ振った。宮島のパスがやや後ろへ流れたが、秋山哲が落球せずに保持し、スライドしてきた水田をかわして左コーナーへトライ。渡邉の角度のあるコンバージョンも決まり、5×13とした。

画像 大体は40分、同志社のハンドにより、敵陣22メートル手前でラインアウト。左展開でクラッシュした右FL竹内擁騎が渡邉にボールをもぎ取られ、クイックスローインで攻め直した局面でも河口が球出しでプレッシャーを受けて被ターンオーバー。頓挫が2度あったものの、水田のカウンターランから左ショートサイド、左WTB沢良木遼平が抜け、HO長崎健太郎へパスを戻して22メートル近くまで進出すると、もう1度、左ショートサイドを攻めた。先制トライのときと同様の狭い側への攻めだったが、秋山陽の右リターンパスをもらった沢良木が、秋山哲のコンタクトを受けてノックオン。結局、取り切れずに終わった。

画像 後半7分、同志社はスクラムコラプシングのPKにより、敵陣22メートル過ぎでラインアウトを得た。3次の左展開で木村のパスが乱れた場面は、地を這ったボールに大体のディフェンスが反応し、逆にすれ違うチャンス。林が落球し、いったん相手にボールが渡ったが、直後の蹴り合いで三瀬のキックキャッチから右へ振り、カウンターを仕掛けた大体、竹内のハンドリングエラーによって再びマイボールとした同志社が、攻勢に転じる。4フェーズ目、渡邉が左裏へキック。処理した佐藤が内側へやや引っかけるキックを蹴ったのが、致命傷になった。渡邉が確保してワンパス、松井の前にはギャップがあった。迷わず勝負して残り5メートルまでビッグゲイン、三瀬に捕まったタイミングで秋山哲がサポートに現われ、倒れざまに手渡し。秋山哲が右中間へトライ。5×18としたあと、15分には、スクラムのFKを速攻、木村が突破して22メートル内へ入った局面でラインオフサイドのPG。同志社のリードは16点に広がった。

 そのあと同志社は、大体に前半、チャンスを作られたショートサイドのアタックに対応したし、オープン側で右PR伊尾木洋斗に前へ出られるシーンはあったとはいえ、ブレイクダウン・ターンオーバーや、途中出場の右FL清水巴がキックカウンターで抜けてきた佐藤のハンドリングエラーを誘うタックルなど、好守備が出て流れを引き寄せつつあった。ところが18分、佐藤のハンドリングエラーによりマイボールとした局面で、渡邉がダイレクトキックを蹴ってしまう。敵陣22メートルでラインアウトを得た大体は、左LO上山直之が後方でスローをキャッチミスしたものの、カバーした竹内が確保して目前のギャップを抜けた。左中間まで走り切るトライ。さらに22分、大体はノータッチと思われたPKが撥ね、処理しようとした松井の頭上を越えてタッチとなる幸運を生かした。秋山陽にスローを合わせたモール。ここで同志社は、防御がみんな離脱してしまった。秋山陽がど真ん中を突き抜けるようにして力強く左中間へ。この場面は、敵陣10メートルと22メートルの中間くらいだと大体はモールに固執せず、手渡しに近い連係でFWが縦に出てくる――という情報を持っていたのではないか、と推測する。そういうアタックを何度か観ているので。ただ、モールの核となるディフェンダーまでサイドアタックをケアしに行ったのは拙かった。

 沢良木のコンバージョンも連続成功し、19×21、大体が2点差に迫って、勝負の行方はにわかにわからなくなった。26分、大体はSHに入っていた古場優介がコーナーフラッグ手前ギリギリでタッチを割る好キックを蹴り、相手ボールラインアウトながら敵陣奥へ進んだ。最前に合わせたスローに競りかけた大体のノックオンで、同志社ボールスクラム。宮島が距離のあるキックを蹴り、同志社は当座のピンチを脱出した。ハーフウェイ付近で佐藤がキャッチし、沢良木へつないで再攻撃する大体。しかし4フェーズ目、ビッグタックルに捕まる。21−10−15の左展開に対し、同志社は西林が凄い勢いで詰めていった。水田を倒しただけでなく、すぐに立ち上がって田淵、松井とともに乗り越えてターンオーバー。30分にはオフザゲートのPKを得て、敵陣22メートル手前のラインアウトを起点に6フェーズを重ね、左の狭いほう、大越−途中出場のSO長井一史−秋山哲と展開する。相手がマークする西林を飛ばして、彼に次ぐパワーランナーである秋山哲を配したのはナイスキャスト。秋山哲は水田を吹っ飛ばしてゲインした。左へ放したオフロードパスを宮島がノックオンしたものの、相手スクラムのこぼれ球に大越が反応し、マイボールとした同志社のチャンスが続く。34分、倒れ込みのPKを速攻した際のノット10メートルのアドバンテージが採用されると、残り5メートル左でスクラムを選択。ここで1番UP、大体FWをショートサイドへ出させない方向にスクラムをコントロールした同志社は、8−9−11の左展開で仕留める(ボール出しはFLだったかもしれない)。古場がスクラムのボールに気を取られ、佐藤が大越に寄せられたところで、オーバーラップが確定。宮島がスペースを駆け、左隅へトライ。19×26となった。

 36分、このリスタートキックで大体は10メートルに達しないミス。しかし同志社は、目前のマイボール獲得のチャンスに、左LOへ入っていた八木智彦がアグレッシブに飛び出した。ところがハンドリングエラー。ボールを拾った長崎が田淵を弾き飛ばしてゲインし、左の狭いほうのチャンネル1、深い位置から走り込んだ竹内がガツーンと抜けて、左中間へトライ。コンバージョンも決まり、土壇場に同点に追いついた大体は40分、ハーフウェイ過ぎの中央の位置で右チャンネル1のFB藤本貴也に竹内が低いタックル、bW福本翔平がすぐさま絡んでノットリリースザボールに陥れると、沢良木にPGを狙わせた。ロングキッカーの沢良木なら当然の策ではあったが、距離が足らず、フェアキャッチされてしまう。自陣から攻めた同志社は43分、敵陣10メートル手前の位置でノットロールアウェイのPKを得て、ショットを選択する。宮島がPGを決めれば、大体は2試合続けて同点からサヨナラPG負け。また悔し涙を流さなければならない。しかし、宮島は力が入りすぎたのか、低い弾道のキックを蹴ってしまう。大体が転がるボールをデッドボールラインへ見送ったところで、タイムアップ。26×26のドローで終わった。



 最後の場面で、大体は宮島のキックをキャッチして切り返してもよかったと思う。前節終了時点で3勝3敗、星が並んでいたのは関学と天理で、3チームで4〜6位を争う関係。うち1チームが大学選手権出場を逃すわけだが、最終節のカードが関学vs近大、天理vs立命で、4勝目を挙げる確率が高いのは、対戦相手の実力からいって関学であろう。大体はこの1戦に負けたとしても、天理が立命に敗れれば、天理との直接対決を制している大体が5位になる。であれば、天理が立命に勝った場合に備えて、勝利の可能性に賭けるのがベターではないのか。だが、もし関学が今季、白星のない近大に敗れ、3勝4敗で3チームが並んだ場合、互いに直接対決で星を潰し合っており、当該対戦同士の得失点差で順位決定となって、またややこしくなるので(昨年はその方法で5位チームが決まった)、だったら中間をとって引き分けで終わる手もある。引き分けであれば翌日、関学が近大に敗れると、その時点で大体の大学選手権出場が決定するのだ(実際は関学が順当に勝利)。しかし、以上のようなジョン・フォン・ノイマンのゲーム理論を彷彿とさせる思考を、80分間、死力を尽くして疲労困憊した選手たちが瞬間的に働かせたとは考えられない。「負けへんかったら、とりあえず有利になるやろ」といったところだろう(11月30日、天理は立命と引き分けでは5位にはなれず、勝たなければならない)。

 大体は浅いアタックラインで防御網にかかった京産戦の反省を生かしてきた。深いラインを使ったし、ショートサイドで1対1を制する工夫もあった。しかし反則が多く、同志社につけ入る隙を与えてしまった。ディフェンスは前へ出るのが組織的ならよかったのだが、詰め切れない間隔で飛び出す判断ミスがあり、そこを抜かれるケースが目立った。スクラムは組み負けた印象だし、ラインアウトも9/12とやや不安定。それでも同点に追いつけたのは、自らのミスがミスでなくなる幸運に助けられたのもあったとはいえ(ノータッチのPKで松井の前で撥ねてタッチを割るとか、10メートル飛ばないリスタートキックを八木がノックオンしてくれるとか)、差をつけられたあと、開き直ったかのように問答無用の縦で勝負したからだと思う。三瀬がSOに入ったBK展開は魅力的、バランスのいいアタックができるチームだが、なんとなく冴えないときはFWの縦で野性を取り戻しに行くほうがいいみたいだ。秋山陽、竹内、長崎といったあたりが、この試合はとくに目立っていた。

 同志社は今回も両CTB、木村と林が好調で、彼らの突破がいいアクセントになっていた。入り、リズムが悪かったものの、2本のPGで逆転したあたりから本来のテンポが戻り、ボールが動けば勝てる、という手応えを感じたに違いない。関西屈指の前列対決で注目されたスクラムも優勢で、FWは自信をつけたことだろう。ただ、いったん16点のリードを奪ったあとが、いただけなかった。1対1のタックルで負けるケースが目につき、立命に敗れた開幕戦を想起させた。先述したように流れを引き寄せるような好守備もあったが、相手FWに前へ出られているうちにツキが大体に味方し、こと流れという意味ではよくわからない試合になった。ラグビーに限らず、勝負事全般において、こういう試合をするのはまだ本物の力をつけ切っていない証拠である。チームが力をつけているのは間違いないが、ここは自戒しておくべきだろう。大学選手権への課題として、今一度、タックルの重要性を肝に銘じておきたい。教訓を得たのなら、この試合はきっと貴重な経験になる。負けずに済んだのは幸いで、同志社は11月30日、立命が天理に敗れれば逆転優勝という可能性が残された。この試合の個人的MOMは秋山哲。2トライのうち、松井のゲインに追従したトライは彼の特徴がよく表われていた。いいサポートランナーだ。1戦ごとに主将らしい風格が備わってきていて、成長を顕著に感じる選手でもある。

付記 本文中、選手名の敬称は省略としました。

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