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zoom RSS 早稲田、慶応に大勝! されど慶應にも光明あり〜関東大学春季Aグループ第9週

<<   作成日時 : 2014/06/18 06:00   >>

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画像 6月15日、石川県金沢、西部緑地公園陸上競技場で、関東大学春季大会Aグループ、慶應vs早稲田の1戦がおこなわれた。J−SPORTSが録画放映してくれたのはうれしい限り。関東協会の主催ではあるが、レフリーの皆さんは全員、関西協会所属。森喜朗ラグビー協会会長の挨拶の際には、横に関西協会の会長、坂田好弘さんの姿もあり、場内アナウンスの声は関西大学Aリーグのときの女の子の声だった(と思う)。金沢は大阪から近いし、TL開催では関西協会のチームがホームになる。また、関西協会のウェブサイトに掲載されたラグビーカレンダーにもこの試合が告知されていて、以上のことから関西協会のスタッフが現地で開催を支えていたと推測するが、実際はどうだったのだろう? ちなみに今年の早明戦は国立が改修で使えず、関東のほかの大会場も予定が埋まっているとのことで開催地が未定。東京ドームで開催するという噂も聞こえているが、どうしても適当な場所が見つからない場合、関西協会の管轄圏である豊田スタジアム、花園、ホムスタ、長居に神戸ユニバーあたりが候補に上がったりして? まさかとは思うが。


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 【●慶應義塾大学22×40早稲田大学○】

 前半1分、慶應は早稲田のSO小倉順平のキックにプレッシャーをかけた。ディフェンダーに当たって後方を転がるボールを拾おうとした小倉がノックオン。敵陣10メートルと22メートルのあいだ左端でスクラムを得た慶應は、右チャンネル1で右CTB石橋拓也が縦の強さを見せて前進したあと、SH星卓磨が左サイドを突く。ところが、後続がピックミスしてノックオン。チャンスを逃してしまったばかりか、2分、蹴り合いでFB浦野龍基がダイレクトキックを蹴ってしまった。敵陣22メートル手前へ進出した早稲田は4分、ラインオフサイドのPKにより、残り10メートルの位置でラインアウトモール。5分、ひと塊になって押し込み、左FL吉田有輝が左中間へトライ。さらに9分、早稲田は倒れ込みのPKで残り10メートルのラインアウト。先ほどと同様、モールをドライブし、右へ回ってディフェンスがいなくなった左サイドを、吉田がタイミングよく突いた。右中間へトライ。コンバージョンも連続して決まり、0×14、早稲田が幸先のいいスタートを切った。

 このリスタートキックを早稲田がノックオン。慶應は敵陣10メートルと22メートルの中間点左のスクラムから9−10−13の右、石橋が突破した。9フェーズ目、星がチャンネル1をマークする防御が1人いるだけの右サイドへ仕掛け、ゴールラインへ肉薄する。右CTB丹野怜央に絡まれてノットリリースザボールとなり、ハーフウェイまで地域を戻されたものの、早稲田がラインアウトミス。左LO西出翼がボールを獲得した慶應は、ハイパントの弾んだボールをセービングした早稲田のSH平野航輝を右PR吉田貴宏らが一気に乗り越えていった。再び好機を迎えた慶應。しかし、2フェーズ目の右展開で右FL布巻峻介に迫られた左CTB廣瀬聡がノックオンしてしまった。早稲田はこのスクラムから連続攻撃を仕掛けたが、慶應の低いタックルに阻まれてビッグゲインはならず、ハーフウェイ付近で停滞。18分、FB滝沢祐樹のキックがデッドボールラインを割り、慶應はハーフウェイを越えた位置左でスクラムを選択した。9−10−12、アングルチェンジの廣瀬が簡単にラインブレイクできたのは、早稲田が後方のリンクプレーヤーに気をとられたせいだろう。滝沢のタックルを受けながら左WTB服部祐一郎にオフロードパスを通したまではよかったが、早稲田は布巻がタックルと同時に服部からボールを奪い取った。しかし慶應は敵陣へ居座り続け、21分、敵陣22メートル過ぎ左のスクラムを起点に連続攻撃。チャンネル0、1を中心に攻める中、6次で星が左へさばいたパスをもらった石橋が、HO貝塚隼一郎を外して前へ。右FL岩本龍人がピック&ゴーで左中間を陥れた。

 5×14とされた早稲田は30分、服部が小倉のハイパントを処理ミスしたことにより、敵陣22メートルを越えた位置右端でスクラムの好機を迎えた。後方を通して左へ振ったあとの2次、右チャンネル1へ布巻が走り込んで寸前に迫ったラックから、右へ展開。9−10−3、小倉がカットパスを投じた右PR佐藤勇人が、完全フリーで余っていた。ところが、佐藤がノックオン。絶対のトライチャンスを逸した早稲田だったが、この慶應ボールのスクラムをめくり上げる。ターンオーバーに成功して9−6−1の左。6と1のあいだに貝塚がデコイで入り、左PR光川広之はボールキャリアーの後方、死角から現われて突進。慶應のディフェンスを完全に崩した。32分、光川が右中間へトライ。ゴールも成功し、5×21となった。

 慶應は石橋が強さを見せてチャンスを作ったものの、仕留め切れないまま、前半終了の笛を聞いた。早稲田は後半からSHへ投入された岡田一平がときに自身が攻撃の核になりながら、リズムをつかんでいく。10分、岡田が誰もいない右ショートサイドのスペースを抜け、敵陣22メートル内へ入ったのは好プレー。ラックアンプレイヤブル後、敵陣22メートル右端のスクラムを経て、岡田はハンドのPKを速攻して左へワンパス、吉田が走り込んだのを皮切りにインゴールへ迫っていく。右チャンネル1、2度のチャンネル0で慶應のディフェンスを内側へ寄せた12分、21−6−10−14の右展開。小倉が目前にスペースのある右WTB荻野岳志にロングパスを通した。荻野が右隅へトライ。慶應は15分、SO正田眞斗が好タッチキックを蹴り、敵陣22メートルへ進出。早稲田のラインアウトスローが曲がり、同位置右でスクラムの追撃機を迎えた。ところが、星が味方の足に当たって前方へ転がったボールをさばき損ねてノックオン。またしてもチャンスを逃してしまう。対する早稲田は22分、スクラムのアングルによるPKで敵陣22メートル内へ進み、bW山口和慶がスローをキャッチしたモールをドライブ。左PRへ入っていた千葉太一が左コーナーでボールを押さえた。

 後半、早稲田を活気づけた岡田はディフェンスでも貢献した。28分、自身のノックオンをとられたものの、慶應が自陣スクラムから8−9で攻めようとした際、途中出場のbW森川翼のボールを背後から殺しに行ったのは好プレーだった。直後の慶應ボールスクラムはホイールによる早稲田ボールの判定が優先されたが、アウトボールを奪い取ってもいる。この敵陣10メートルと22メートルのあいだ左のスクラムを起点に、早稲田はトライを挙げる。1次の右展開で荻野が外側への斜めラン、2次の左展開で中央クラッシュののち、21−10−12の左順目。小倉がパンを捏ねるみたいに間合いを拵えたのが効果的だった。慶應のディフェンスは外側が上がってくるアンブレラ・ディフェンスだったが、ボールを長く持った小倉に内側のディフェンスが引き寄せられてしまう。防御が1枚いなくなり、左CTB飯野恭史の前が空いた。30分、飯野が左コーナーへトライ。ゴールも決まり、10×40となった。

 32分、慶應は終始目立っていた石橋がトライを挙げる。石橋自身がラックでファイト、岡田がさばけなかったボールを拾い、右サイドを抜けた。右中間へトライ。星がコンバージョンを決め、7点を返すと、38分にもトライ。自陣10メートル左のスクラムを起点に攻めた3フェーズ目、左展開で途中出場の左CTB中村敬介が鋭いステップを切って裏へ抜けた。左には2人が待っていたが、中村がパスを放す先に選んだのは右内へシャトルランの石橋。石橋が左中間へ。中村は45分にも21−10−22の左展開でラインブレイク。イン&アウト、クボタのSO立川理道が時折見せるステップで小倉を置き去りにしたのだった。ディフェンスに捕まったあと、ポップパスを媒介に16−4と左へつなぎ、左LO西出翼が左中間へトライ。コンバージョンは続けて不成功に終わったものの、22×40、4トライを挙げ、大敗の中にも光明が望めるスコアで試合を終えた。




 試合後、解説の村上晃一さんが「負けはしたが、慶應のほうが収穫のある内容だったのではないか」というような主旨のことを仰っていた。僕も同じ意見だ。観戦後の気持ちをいえば、慶應に関するポジティブな感想を述べるのが楽しいというゲーム。ディフェンスが前へ出て、低いタックルをビシバシと決めた。前半15分から16分にかけて早稲田が自陣スクラムから連続攻撃を仕掛けた際、1次の右展開、8−19−14でハーフウェイ近くまでゲインしたあと、敵陣へ進むことができなかったのは、この試合における慶應のディフェンスの良さを象徴するシーンではなかったか。奪われた6トライのうち、3トライはラインアウトモール、1トライはスクラムでターンオーバーされた1次攻撃。点差をつけられたとはいえ、早稲田に縦横無尽のアタックを許したわけではないという見方ができる。課題はセットピース対策。この点さえ“やられすぎない”レベルに達すれば接戦になる、という机上計算も成り立つ。あと、低いタックルを決めたとき、間を置かずに上のボールへ行くプレーヤーがいれば尚良し。アタックは昨季も大活躍、ボールを持てば必ずゲインした石橋が目を惹いたが、彼が前進したラックでスローダウンするケースが散見された。ここでクイックボールを出せれば、早稲田のディフェンスのどこかに隙があるはず。傑出したペネトレーターがどこまでゲインするか――は味方も読みづらいが、リアクションを早くして良質のラックを形成したい。ピックアッププレーヤーはその石橋。また、途中出場の中村の突破力も魅力的で、彼は山田章仁、小川優輔、児玉健太郎と続くファンタジスタの系譜に属するタイプだろう。中村は1度アメフト部へ行ったあと、ラグビー部に舞い戻ってきたとのこと。婚約者の妹に心を奪われかけながら元の鞘に収まったかのようなユニークな経歴の持ち主で、今季の対抗戦を沸かせてくれそうだ。FWからも1人、名を記しておきたい。bW徳永将はいかにも慶應らしい、タイガージャージが似合うハードタックラー。運動量も光った。

 早稲田は前半32分、スクラムターンオーバーを起点とするトライで見られた、デコイランナーを使った時間差、ボールキャリアーの背後から本命のパスキャッチャーが躍り出るシャドウプレーを組み合わせたような凝ったアタックを、ミドルエリアでも繰り出したかったと思う。もちろんセットピースは大事だし、その強さをおおいに称えるけれども、パスムーヴで崩し、最後は独走のようなトライをガンガン取るのが早稲田のスタイル。頂上にいる帝京を凌駕するには、その形でトライを取らなければならない。4月26日の同志社戦では、前半こそ今回と同じく相手の粘り強いディフェンスに苦しんだが、グループ分けした陣形で両WTBが自由に動き、9番近辺で複数がパスをもらえる態勢にあるシェイプも使うといった具合に、攻撃のバリエーションが豊富だった。ただ、形ができないなりに工夫し、後半、岡田が近場のパワープレーを巧みにコントロール、流れを整えていったのは見事。縦で内に集め、外で仕留める形で突き放した姿に、勝ち方を知っていると感じた。早稲田で個人的MOMを選ぶとすれば岡田。あと、167センチのFL、吉田も面白い存在だ。もともとはSH。モールのサイドアタックで2トライを挙げたが、ラインアウトのクイックモールからパスアウトする役目を担ってオープン側で数的優位を作りに行くとか、スクラムターンオーバーで挙げたトライの1次攻撃のように、ファーストレシーバーのパッサーとして巧さを発揮するといったプレーで重宝しそうだ。6番のポジションは小谷田祐紀、池本翔一といった足の速いFLがいて競争は厳しいが、楽しみでもある。個人技では卒業した金正奎に敵わないかもしれないとはいえ、組織アタックの機能性が十分に保たれるだけの力量を持つ選手が、6番のレギュラー争いを繰り広げている。

付記 本文中、選手名の敬称は省略としました。

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