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zoom RSS Step by step! 帝京、明治を撃破 対抗戦優勝〜関東大学対抗戦 第10節

<<   作成日時 : 2014/11/19 06:00   >>

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画像 関東大学対抗戦の第8節は明治vs帝京のヘビー級対決。勝ったほうが対抗戦の優勝となる決戦だった(対抗戦は公式には優勝というシステムを設けていないが、大学選手権の組み合わせの関係もあり、便宜上、順位をつける必要がある)。両者の試合で思い出すのは、いつだったか、明治の低迷期、帝京の勃興期における対戦で、帝京が大勝したときのこと。ラグビーマガジンに、明治のメンバーに対してひどい野次が飛んだという話が載っていたっけ。慶應vs明治戦の観戦記で含みを持たせた書き方をしたけれど、1つ間違うと帝京のワンサイドゲームがありうるので、もしそうなった場合は、2週間しか修正期間がなかったこともあるし、叱責の声はほどほどにしてあげてね――と僕は思っていた。しかし、点差は開いたとはいえ、この内容の敗戦なら、明治ファンも納得したのではないだろうか。最後まで熱いハートが伝わってくる試合だった。


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 【●明治大学6×31帝京大学○】

 前半3分、ノットロールアウェイのPGで3点を先制した明治は5分、倒れ込みを犯して帝京を自陣22メートル内へ招喚してしまった。帝京はラインアウトのボールを確保した左FLマルジーン・イラウアが前進。しかし、ハンドリングエラーで明治にボールを渡す。2次、SO田村煕のキックがチャージダウンされたものの、右FL桶谷宗汰がイーブンボールをキープした明治は6フェーズ後、ピック&ゴーのbW松橋周平がサポートした左PR勝木来幸の腹にボールを預け、ガットでHO中村駿太、さらに松橋が再びピック&ゴーで突進し、桶谷へつないだ。明治らしく縦のゲインを重ねて自陣10メートルまで巻き返す姿に、秩父宮の観客が湧く。そしてSH加納遼大が右サイドを抜け、ハーフウェイを越えた。次フェーズのチャンネル0がラックアンプレイヤブル。スクラムを経た10分、明治はハンドのPKにより、残り10メートルでラインアウトの絶好機を迎える。後方で左LO東和樹がボールをキープしたのち、9−10−14と左へ展開。帝京の防御ラインはハーフラッシュから強烈なプッシュアウト、ブラインドWTBの成田秀平を左CTB森谷圭介、内から来たSO松田力也がダブルタックルで仕留め、もう1人、内側から接点に加わった右FL亀井亮依がボールへ絡もうとした。ターンオーバーの危機に焦った明治は、右CTB尾又寛汰が横から入ってしまった。

 このPKで敵陣10メートルまで地域を戻した帝京は3次、SH流大のキックが防御に当たり、マイボールとした明治に右へ展開されたが、尾又に左PR森川由起乙がタックル。持ち出したFB村井佑太朗を潰してターンオーバーすると、9−1−12と左ショートサイドへ展開して22メートル内へ入り、9−4−2−1と右へ細かくつないで残り6メートルまで迫った。東のタックルを受けながら放したHO坂手淳史のオフロードパスが秀逸。直後の右展開でパスミスが発生したが、明治はラインオフサイドを犯していた。帝京は残り5メートルのラインアウトから、1、2、6が続けて右サイドのチャンネル0。13分、イラウアが体を右へ反転させながらタックルの圧力を逃がし、左中間へトライ。ゴールも決まり、3×7と逆転した。

 明治は21分、モールコラプシングのPG。手堅く1点差に詰めたが、24分、25分と相手モールでオフサイド、コラプシングと反則を繰り返してピンチを招く。帝京は26分、残り5メートルのラインアウトで左LO金嶺志(きむ・りょんじ)がスローをキャッチし、モールドライブ。坂手が左隅へグラウディングを果たした。……と書くと簡単なトライに思われるかもしれないが、明治は帝京のモールをタッチ際へ追い込んでいた。左のエッジで松橋、右LO寺田大樹の圧力を受けながら辛抱して前へ引っぱった、イラウアの働きが殊勲甲のトライである。

 ゴールは不成功に終わったものの、6点リードとした帝京は32分にもトライを挙げる。ラインアウトから9−11の右、そこから左ショートサイドへ舵を切って抜こうとした左WTB梶村祐介をタッチへ出し、ハーフウェイでクイックスローインして左展開したのを皮切りに連続攻撃。右チャンネル1でイラウアが東のタックルを受けて落球したものの、2−1−10と左へつないだ明治、田村を坂手が止め、bW河口駿が絡んでターンオーバー。すぐに流が右裏へグラバーキックを蹴った。インゴールの右奥、角に転がるボールをチェイスの右WTB尾崎晟也が押さえる。さらに37分、プレーオンザグラウンドによる残り5メートルのラインアウトモールをドライブし、金が左中間へトライ。コンバージョンも連続成功し、6×24となった。

 明治は41分、ハーフウェイ過ぎのラインアウトモールから9−10の右、田村がハイパントを蹴った。FB重一生のノックオンにより、敵陣22メートル手前中央でスクラムのチャンスをつかむ。ここで得たFKを松橋が速攻。クラッシュしたのち、数的優位の左へ9−10−13と展開する。ところが、尾又がノックバックし、ルーズボールを河口にセービングされてしまった。帝京は9−10−12の左展開で森谷が突破し、右へ戻して9−13とつないで自陣10メートルへ。右CTB前原巧を止めた左CTB水野拓人にノットロールアウェイの笛が吹かれると、流がクイックタップで仕掛けた。2次、9−7の右から左へ戻し、右LO小瀧尚弘が前進する。しかし明治は尾又が小瀧を止め、左FL上田宥人らが乗り越える。ターンオーバーし、追加点を許さずに前半を終えた。

 後半1分、明治はキックカウンターの重を早々に捕まえ、帝京の倒れ込みによるPKで敵陣22メートル内のラインアウト。桶谷が右サイドを突いてフィールドモールを組んだが、金に中を割られた。チャンネル0を2度突いたあと、9−10−13−11−15−14と右オープンへ振ってBKで勝負する明治。13と11のあいだに水野をデコイで入れたが、帝京は前原が梶村を、磯田が村井を内側からプッシュアウトしてきっちりマーク。直前にFBへ回った森谷が心置きなく成田のカバー防御に走った。成田にタックル、ノットリリースザボールに陥れて、帝京はピンチを脱出。あたりまえの防御システムとはいえ、この守りを見れば、ディフェンダーがカブる現象は誰かが役割を果たし切っていないとき、被ラインブレイクを心配したプレーヤーがその場へ留まることによって発生することがよくわかる。

 12分にも明治は、倒れ込みのPKにより、敵陣22メートル過ぎでラインアウトの好機を迎えた。2−5−9−8の右展開、松橋が内側へ角度を変えて鋭く走り込んできたが、帝京はきっちり対処。bWへ入っていた飯野晃司が松橋を倒し、小瀧が絡むノットリリースザボール。堅い守りを見せる。このPKで自陣22メートルと10メートルのあいだまで地域を戻した帝京は、9−7−6の左展開でイラウアが松橋を外して縦突破。敵陣へ一気にゲインし、9−10−11と左順目に回して磯田が22メートル内へ。明治はこのポイントでターンオーバーし、加納がキック。途中出場の左WTB堀米大地がカウンターランの森谷に右タッチ際でコンタクトし、ハンドリングエラーさせた。しかし20分、帝京に追加点を許してしまう。明治はラインオフサイドのPKにより、敵陣22メートルへ進出していたが、ジャンパーの寺田のパスを加納がノックオン。このピッチ左のスクラムを起点に、帝京は仕留めたのだった。明治FWのプレッシャーをしのいで飯野がボールを持ち出した4次、9−22−2−6−11の左展開で磯田が敵陣22メートル近くまでゲイン。そこから9−7−22−13と右オープンへ振り、前原がスペースを衝いて残り6メートルまで肉薄すると、森谷がピック&ゴー。ゴールライン寸前で森谷を成田と堀米大が止めた明治だったが、そこまでだった。9−23の左、飯野がギャップを見据えて突進し、寺田のタックルを外して左中間へトライ。コンバージョンも決まり、6×31として勝負を決めた。

 明治は27分から28分にかけ、敵陣10メートルやや左のスクラムを起点に連続攻撃。1次の左展開、8−9−23で堀米大がタックルを外してゲイン、3次の9−10の右で田村が小瀧とのミスマッチを衝き、6次の右チャンネル1、桶谷が前進して見せ場を作ったものの、8次で左サイドを突いた松橋がノックオンした。桶谷が前へ出た際、そばへ寄った堀米大に手渡しのパスをつないでいれば、あるいはチャンスが拡大したか。しかし明治は直後のスクラムにプレッシャーをかけ、ホイール。敵陣22メートル内中央でマイボールスクラムを得る。左8単から9−11の左、梶村が外側をスワーブランで抜こうとした。ところが、アングルチェンジのダミーラン、堀米大が相手防御と衝突し、オブストラクションをとられてしまう。ターンオーバーから堀米大(9−23のスイッチ)、梶村(右展開からサポートへつないで敵陣へ)のゲインをきっかけに作った33分のチャンスも、左チャンネル1の松橋がユニットで前へ出たあと、ガットでもらった途中出場の右PR松波昭哉が流に倒されて孤立。左LOへ入っていた姫野和樹のジャッカルに遭い、ノットリリースザボールで終焉した。その後、明治はブレイクダウンで好ファイトが目立ったが、敵陣奥へは行けずじまい。帝京は終了間際に有終の美を飾る絶好機がめぐってきたものの、48分、力勝負で右サイドを突いて左中間をうかがった姫野のグラウディングが認められず、ヘルドアップインゴール。ここでフルタイムの笛が鳴った。




 明治が帝京にずいぶんとゲインを許した印象を持つ人がいるかもしれない。ただ、完全に修正されてはいなかったとはいえ、防御が内へ寄りすぎたり、ディフェンスラインへ立ち遅れる傾向は前回の慶應戦よりはマシになっていた。もし明治が慶應戦で見せた守備面の課題を修正できなかったとしたら、後半20分、左展開で磯田がビッグゲインして右オープンへ振り、左へ折り返して飯野がフィニッシュしたような縦横無尽の帝京のトライが続出する、というのが個人的な予想。5トライを奪われたとはいえ、この内容なら及第点だと思う。後半は1トライに押さえていて、疲労が足に来ていたものの、帝京のアタックに対する慣れがうかがえた。ここという接点で圧力をかけられたし、通用する部分も見えたのではないか。スクラムを優勢に組めたし、もっとも有効なアタックは前半7分に松橋、中村、桶谷らが縦にゲインを重ねたような近場。彼らは帝京に伍するボールキャリー能力を持つ。また、今年の明治はBKに決め手があり、梶村、あるいは堀米大が腰の強いランで好プレーを連発した。ただ、後半3分、右展開で成田が森谷のカバー防御に阻まれてノットリリースザボールに陥れられたシーンが指標になるけれども、フィールドモールからチャンネル0を2フェーズ程度の餌撒きでは、帝京を相手にした場合、外にトライロードはできあがらない。まだ、縦を使う必要がある。

 帝京相手にリアクションを問われる局面が多くなると、明治は苦しい。たとえば誰かが突破したあと、孤立させずにアタックを継続するサポートのリアクションひとつでも、帝京がかなり上回っていた。これは短期間で明治が帝京の上を行くようになるとは考えづらい部分なので、先ほど述べたようなFWの縦でねっとりと攻めながら、勝負所でテンポアップするという見極めが肝要である。大学選手権で再戦の機会があれば、明治が通用する部分をいかにクローズアップさせるかが焦点になろう。あと、タックルは後半、待ちの姿勢で抜かれるシーンが散見されたが、何度か見られたような上体やボールへコンタクトするのは悪くない。防御ラインに立つのが俊敏なほうではないから、帝京のアタックをスローダウンさせるためには足を止めるよりもボールへ絡んでいったほうがよいのだ。明治のフィジカルレベルなら許されよう。そして、接点で圧力をかける。慶應戦を経て修正、実地で帝京と試合をして力をつけただろうし、何よりこの1戦は、明治にとって対帝京の指針が見えたゲームだと思う。

 帝京はここまで書いたことの裏返しが勝因だが、順調に段階を踏んでいる。今回、褒めたいのはモール。これまでの試合では強固さがあまり感じられなかったが、かなり組み込んできたと見え、前を3人か4人の横隊で組んで中へ割って入らせない形ができていた。前半26分、タッチへ出されずに坂手が左隅へグラウディングを果たしたのは圧巻。そして、重複するが後半3分、明治が右へ振ってフィニッシュを狙ったシーンで、森谷が成田を捕まえてノットリリースザボールに陥れた守りも特筆もの。筑波戦ではBKラインの連係が未成で右CTBの鈴木啓太に何度か突破を許したが、この試合は前へ出ながらのプッシュアウトに遺漏がなく、かつ凄まじかった。課題を1つずつクリアーしていく姿には脱帽するしかない。今回見えた課題は、明治のコンタクトの強さにプレッシャーを感じたようなミスが目立ったことだろうか。ただ、先ほど、明治側に立って帝京対策を考えてみたけれど、このチームのことだから、大学選手権で再戦したときにミスしなくなっていることも十分に考えられる。ピックアッププレーヤーにはまず森川と坂手。2人とも京都成章時代は2列や3列で鳴らした選手だが、運動量の豊富さ、守備範囲の広さは大学FW界屈指。彼らが内側に立っていると、安定感がずいぶんと違う。イラウアも下働きに長足の進歩を遂げているし、全員が満遍なく好調だったゲーム。BKでは緻密かつ冷静なゲームメイクをする流と、局面の読みが大学レベルでは傑出していて的確なプレーをする森谷に、またも魅了させられた。

付記 本文中、選手名の敬称は省略としました。

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