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zoom RSS 伝統の早慶は熱戦の末、ドロー 早稲田・布巻、慶應・廣川、双方6番が大活躍〜関東大学対抗戦 第11節

<<   作成日時 : 2014/11/28 06:00   >>

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画像 近年の早慶戦で個人的に印象深いのは3年前と昨年のゲームである。慶應ファンにとっては思い出したくもない大敗だと思うが、3年前の試合で早稲田はケガから癒えたFB井口剛志(現神戸製鋼)が復帰し、当時1年のSO小倉順平との競演に慶應はディフェンスのマークを絞り切れず、一方的に蹂躙された。昨年、早稲田はFB藤田慶和の復帰戦となり、やはり小倉と2人、表裏のプレーをふんだんに使った。防御をいちどきに崩す選手が2人いることはわかっていても、脳内ラグビーと実地は異なり、何の予行演習もなしにいきなり2人に揃って出てこられるのはかなわんなァ――という2試合だった。3年前と昨年、早慶戦のあと、早明戦において明治は、どちらか一方にハイパントを捕らせて潰し、分断を図るゲームメイクで接戦を演じている。慶應は明治の噛ませ犬みたいになったわけだ。今年、藤田が負傷中でメンバー外だったことに、慶應は正直、助かる思いだったのではないかな?


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 【△早稲田大学25×25慶應義塾大学△】

 入り、慶應はハーフウェイ付近のディフェンスで左PR青木周大が左チャンネル1、bW佐藤穣司を倒し、すぐさまボールへ絡む好守備。オフザゲートのPKを誘って前半1分、早々に残り10メートルでラインアウトのチャンスを迎えたが、右LO桑野詠真にスチールされてしまう。しかし地域の優勢を保った4分、オフザゲートのPGで3点を先制した慶應は、近場で倒れ込みを犯して好機を逃したものの、8分に残り5メートルでラインアウトモールを組むなど、序盤の主導権を握る。が、早稲田は12分、慶應の左展開を左FL布巻峻介が阻んでターンオーバーしたのをきっかけに敵陣へ進み、16分にハンドのPG。3点を返す。慶應は18分、ノットリリースザボールのPGを刻んだが、このリスタートキャッチでノックオン。敵陣22メートル手前でスクラムを得た早稲田は3次、9−10−4−1−13−8と右オープンへ振った。佐藤穣が左WTB服部祐一郎に捕まり、ノックオンしてタッチとなったが、この場面は右CTB勝浦秋の前が2と3というミスマッチでスライドしていた。このあいだを勝浦が抜きに行くのがベストの選択だったかもしれない。しかし、スクラムから8−12の右、クラッシュしてきた左CTB石橋拓也をSO小倉順平が足元で止め、布巻が絡んでオフザゲートのPKを得た早稲田は速攻。オフサイドのPKをもらうと、今度は残り5メートル右でスクラムを選択した。慶應の右PR出口桂にコラプシングの笛が吹かれると、佐藤穣がクイックタップして縦にぶつかっていく。24分、チャンネル0の力攻めで左LO大峯功三が右中間へ捻じ込んだ。コンバージョンも決まり、早稲田が10×6とした。

 さらに早稲田は27分にもトライを追加する。PKをインゴールへ蹴ってしまい、ドロップアウトとなったのち、キックキャッチのカウンター、アンストラクチャーで仕留めてきた。3次、9−10−14と後ろを通した右展開。右WTB荻野岳志の目前はミスマッチだった。右LO小山田潤平の外側のギャップを抜き、右中間へトライ。コンバージョンは左のポストに嫌われたものの、早稲田のリードが9点に広がった。

 慶應は33分、ハーフウェイ付近でSO矢川智基がハイパント。捕球した早稲田の3次、右サイドを突いたSH岡田一平を小山田が捕まえ、石橋が絡んでターンオーバーしたあと、攻勢に転じた。ノットロールアウェイ、ラインオフサイドとPKを得た39分、残り5メートルのラインアウトモールを左中間寸前まで押し込み、FWがゴリゴリと近場で勝負する。この局面はヘルドアップインゴールとなったが、早稲田に反則が続き、41分、残り5メートル左のスクラムからついにトライを奪った。bW森川翼の右8単にFWが右サイド。ここでHO神谷哲平が左サイドを突くと見せかけて、右にいた小山田へ手渡した。神谷を2人で止めに行った早稲田の近場防御にわずかな隙間があり、そこへ小山田が体を入れて左ポスト下へトライ。コンバージョンも成功し、15×13、慶應が2点差に迫ったところで前半が終わった。

 後半の入り、慶應はキック処理のFB中村敬介が左へワンパス、服部がハーフウェイ近くまでゲインした。早稲田はHB団がタッチ際で服部を止め、こぼれ球を岡田が捕って左オープンへ振る。ファーストレシーバーの荻野が左へ横走りしてパスを放した先は4対3。4−8−12−11と順番につないだが、右WTB金澤徹と石橋のカバー防御により、敵陣22メートルで左WTB本田宗詩がノックオン。この局面は1人余る状況ではあったが、カバーが来ていたので、対BKとのマッチアップで佐藤穣がガツーンと縦を突いても面白かったと思う。直後のスクラムでコラプシングのPKを得た慶應はハーフウェイまで地域を戻し、ラインアウトに始まる3次、矢川がハイパントを蹴る。佐藤穣がノックバックしたボールを右CTB川原健太朗が手中に収め、岡田を外して力強く敵陣奥へゲイン。そして5分、このラックから左FL廣川翔也が空いた右ショートサイドを抜け、右隅へトライ。早稲田は戻ったFB黒木健人がある意味、勤勉にFB本来の持ち場へ戻ろうとして、このスペースを空けてしまった。このケースにおいては、FBが防御に巻き込まれたがゆえ、そのあと3次以内にトライを奪われるパターンのほうがポピュラーなのだが、これも一種の綾か。

 ゴールは不成功に終わったものの、15×18。逆転した慶應は9分、早稲田に攻め込まれ、残り7メートルで相手ラインアウトのピンチを迎えたが、森川がスチールして窮地を逃れる。「モールで攻めようとする場合、エッジに強い選手を使おうとするのでスローの受け手がわかっちゃう」と解説の野澤武史さん。なるほど、だからゴールライン前のラインアウトでは、実は競るのが正解だったりするわけか。大学の場合、ジャンパーとリフター、エッジの強力な組み合わせをいくつも用意しているチームはないことも理由に挙げられよう。タッチキックを蹴られた早稲田はハーフウェイを越えた位置でクイックスローインした2次、小倉が敵陣10メートル付近からDGを狙う。右へ逸れて不成功。慶應は12分、矢川が左裏へハイパントを蹴り、キャッチした荻野を捕まえてドサッと人数をかけた。ラックアンプレイヤブルは、直前に押していた慶應ボールのスクラムで再開される。早稲田は1次の右展開、途中出場の右CTB鶴川達彦が中村を止め、カウンターラックでターンオーバー。ボールを動かして連続攻撃し、16分、ホールディングのPKにより、敵陣22メートル過ぎでラインアウトの好機を迎える。ムーヴを入れて捕球しようとしたが、HO清水新也のスローが曲がってしまった。しかし、慶應がテイクンバックのダイレクトキックを蹴ったことにより、7分、残り10メートルでラインアウトと早稲田のチャンスが続く。後ろに投げたスローを確保できず、相手ボールとなったが、1度右へ振った慶應が左オープンに折り返し、21−10−8と展開したところに、布巻が照準を合わせていた。18分、森川が右FL木原健裕に放したパスを布巻がインターセプトし、右ポスト下へトライ。もちろん布巻も素晴らしいが、森川に対して清水が思いっ切り詰め、森川が後ろを向き、体を回しながらパスする状態にさせたのも大きい。森川は布巻をまったく見ていなかったのである。今年4月、JAPAN XVvsアジア・パシフィック・ドラゴンズ戦でFLツイ ヘンドリックがインターセプトしてトライを挙げたのもこの形で、守備の連動が生んだトライである。慶應としては相手ラインアウトのボールを奪ったあと、早稲田の両WTBが下がらずにラインディフェンスに備えていたことを認識するべきだった。結果論ではあるが、さっさとキックを蹴ってしまったほうがよかっただろう。

 コンバージョンも決まり、22×18とした早稲田は27分、ハンドのPGを追加する。25×18。しかし、慶應は追いすがってきた。28分、ピッチ右で中村が相手キックを処理してワンパス、右ショートサイドを金澤が前進しながら内へボールを生かし、8−6と縦にゲインを重ねてハーフウェイ近くまで来た。そこからしばらく大きなゲインはなく、パスミスする危うい場面もあったが、9フェーズ後、廣川がラック左サイドを抜け、中村につないで残り8メートルまで迫る。早稲田は大峯がピラー(ラックサイドの1人目の防御)に現われたものの準備遅れ、廣川に内側をステップで抜かれたのだった。木原が右へパスアウトし、10−1の右。青木がクラッシュし、早い球出しで21−10の右から矢川が左リターンパス、防御が立ち遅れていたラックサイドへ出口が突っ込んでいく。そしてオーバーラップの右へ展開した。21−12−13−14、川原のカットパスをもらった金澤が右中間から中央へ回り込むトライ。右外にはまだ服部が控えていて、早稲田は荻野が石橋にコンタクトしてオフロードパスを放され、飛ばされた小山田に黒木がノミネートしただけだから、2対5の状況だったことになる。廣川−中村でゲインされたあと、防御が完全に後追いになっていた。

 ゴールも決まり、25×25、同点に追いついた慶應は38分、オフザゲートのPKにより、敵陣22メートル内でラインアウトの絶好機をつかんだ。小山田がスローをキャッチしてモールをドライブし、21−10−23と左へ展開。早稲田は荻野が途中出場のFB浦野龍基に詰めのタックルを決めたが、先にモールコラプシングを犯していて、アドバンテージが採用される。慶應は残り5メートルのラインアウトモール。この局面でもコラプシングがあり、アドバンテージがある中、40分、3次攻撃で慶應は矢川がDGを狙う。深い位置に立たれていたにもかかわらず、早稲田は小倉が矢川にラッシュしてチャージダウン。失点を防いだ。41分、アドバンテージ採用でその場から仕掛けた慶應はチャンネル0の近場勝負。右中間へ迫っていく。声援、悲鳴が交錯する中、木原は左サイドへピックして右へ手渡し、森川が突っ込んだ。前半最後のトライと同じ形だったが、森川がノックオン。ここで試合終了の笛が鳴り、伝統の1戦はドロー。全力を尽くした両者に、秩父宮を埋めた1万9304人の観客から温かい拍手が送られた。




 接戦を堪能させてもらったが、ここでは早稲田に対して、少し苦言めいたことを書かざるをえない。オープン攻撃でタッチへ出されたのが2度あり、その他のBK展開でも慶應にスペースを埋められていた。それがなぜなのかを考える必要がある。内側で崩し切っていないからにほかならない。早稲田のアタックは両WTB(今回はとくに荻野)が自らの判断で内側へボールをもらいに来て、かつ布巻がピッチ中央でCTBの役割を果たしながら、FWとBKが一体となってパスをつないでいくのが特徴。ただ、布巻を除けば現状、FWプレーヤーに、このスタイルで上位校に勝ち切るだけのパススキルがない印象。昨年はPR上田竜太郎(現NTTコム)、HO須藤拓輝(現NTTコム)、PR垣永真之介(現サントリー)、FL金正奎(現NTTコム)らがいて、とりわけこのアタックスタイルに金がフィットしていた。金&布巻で、FWにCTBが2人いるような感じだったのである。そして今回気になったのは、ミドルエリアでゲインラインの勝負をするシーンが少ないこと。だからボールを大きく動かしても、相手を下げていない分、防御に追いつかれてしまう。何かやらかしそうな陣形を作ることはできているが、もっと縦を入れたほうがいい。経過を記す中で縦を突くべき場面にも触れはしたが、大峯、佐藤あたりは身体能力があるし、もっとクラッシュに拘っていい気がする。あとはラインアウトのミスや、アタック・ブレイクダウンの寄りが改善されているとはいえボールの真上を取り遅れるケースがあること、あるいはディフェンス・ブレイクダウンの入り方といった細かい部分の修正になろう。接点周りで反則が少し多い。ディフェンスは後半、しんどい時間帯になってFWの動きが鈍ったけれども、しっかり前へ出ていて、それほど悪くはなかった。

 慶應のほうは今季、フィジカルを強化したという自負がある分、ボールを動かす中、ゲインラインへ勝負する回数が多い。石橋と川原の両CTBは、パスよりもむしろ縦突破を期待されているし、青木と神谷も隠れたパッサーであるにもかかわらず、1対1では迷いなく当たっていった。早稲田に食らいつくことができたのは個々の勝負する意識にあったように思う。そこに、中村や服部といった決め手のあるBKプレーヤーのランが加わった。布巻のインターセプトによるトライは相手の陣形を見れば防げるものだっただけに悔やまれるが、昨年大敗した相手にドローという結果には手応えを感じる。ひたひたと力をつけている印象。個人的MOMは廣川に進呈したい。後半5分のトライもさることながら、同31分、金澤のトライへ至る連続攻撃におけるパス、ゲインは殊勲。周りがよく見えていて判断がよく、フィジカルの強さを身につけた分、プレーが正確になってきた。もう1人挙げるなら、石橋の守備範囲の広さ。チーム全体で見ても、スライドのシステムがかなり完成してきた感じでディフェンスが向上している。来週は帝京戦。ことラインアタックに対する守りという点では、早稲田と明治より慶應のほうが上かもしれない。ただ、FWフェーズで前へ出られてクイックボールを出されると、そういうわけにはいかなくなる。まずはタックル。すべてはそこからだろう。

付記 本文中、選手名の敬称は省略としました。

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