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zoom RSS 京産、前半食い下がるも 関学、頂上決戦を制して5年ぶりの優勝!〜関西Aリーグ第7節

<<   作成日時 : 2014/12/03 05:50   >>

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画像 11月30日、宝ヶ池でおこなわれた関西大学Aリーグの第2試合は、勝ったほうが優勝の栄冠を手にする頂上決戦。6戦0勝の関学、5勝1敗の京産が激突した。関学は開幕前から全勝を目標に掲げ、優勝候補の一角とみられていたが、京産が優勝争いに割って入ることを予想した人は少なかったのではないだろうか。でも、大学ラグビーの場合は、春からプレシーズンにかけての練習試合が不振だったとしても、ときとしてこういうことが起こる。たとえば関学であれば、連覇後、大駒が卒業して戦力ダウンが懸念された4年前、練習試合に負け続けながらも2位へ食い込んだシーズンが該当しよう(なので練習試合は、勝ち負けに一喜一憂したりミスをあげつらうのではなく、チームがどのレベルまで到達しうるかという「素点」を探る目線で観るのが正しいと思う)。京産は昨年、大学選手権で関東勢を相手に好勝負を演じ、手応えのあるシーズンを過ごした。そこで、難しいことなのは自明とはいえ、主力が卒業した翌年に好成績を残すのが大切である。負け慣れしてしまうような成績に終わってしまうと、あとに引き継がれるはずのスピリットまで栄光の1年間に置き忘れる危険性を孕む。僕は、今年の関学の優勝は、途中に波があったとはいえ、4年前、HO緑川昌樹(現NTTドコモ)がキャプテンだった年に2位に入ったのが大きいと思っている。京産も、今季がのちのち振り返られるようであってほしいものだ。少なくとも、メディア等を通して聞くSH梁正秋のキャプテンシーは、クラブに深い刻印を残すに違いない。


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 【○関西学院大学33×13京都産業大学●】

 前半3分、京産は、関学がスクラムでバインドを外した反則により、敵陣22メートル手前でラインアウトを得た。左展開でSO金榮均(きむ・よんぎゅん)がクラッシュしたのを皮切りに、チャンネル1のFWを軸としたシンプルなアタックでゴールラインへ肉薄していく。関学は粘り強いタックルで対抗。6分、左チャンネル1、左LO小阪直矢のノックオンにより、ひとまず窮地を脱した。しかし京産は9分、キックキャッチから攻める関学の3次、左ショートサイドのチャンネル1、右FL鈴木将大に両CTBがダブルタックル。左CTB山本耀司がジャッカルに入り、ノットリリースザボールのPKを得る。ここで狙った右WTB森田慎也のPGは左へ逸れたものの、地域の優位を保って連続攻撃した13分のPGはきっちり。京産が3点を先制した。

 関学は15分、ノットロールアウェイのPKにより、敵陣10メートルでラインアウトと初めて京産陣で起点を得ることができた。8次、9−10−12の左展開で左CTB鳥飼誠がパスを開いてもらい、しぶとく前進したのが効いて22メートルへ。アドバンテージがある中、17分、ピッチ左からSO清水晶大がインゴール中央へハイパントを蹴った。弾んだボールを右LO原田陽平が左中間で押さえるトライ。コンバージョンは不成功に終わったものの、5点を返して逆転した関学は19分、自陣22メートルと10メートルのあいだのラインアウトからカットパスを交えて左へ振る。鳥飼が左WTB中野涼へ放したパスが通らず、ルーズボールの争奪戦で倒れ込み。京産は距離のあるPGを狙ったが、森田のキックは右へ外れて不成功。このドロップアウトのキックを京産は右FL李智栄(り・ちよん)がノックオンした。21分、自陣10メートル左でスクラムを得た関学は連続攻撃を仕掛け、5次の左展開で右CTB金尚浩(きむ・さんほ)が敵陣10メートルまで前進。3フェーズ後、9−10の左で清水が縦に仕掛け、右に角度を変えて走り込んだ中野へ放したパスがスローフォワードとなったが、オフサイドのアドバンテージがあった。24分、関学は残り6メートルでラインアウト。モールコラプシングのアドバンテージが出る中、清水が先ほどのトライと同じく、インゴール中央へハイパントを蹴る。チェイスがノックオンして2匹目のドジョウはならなかったが、PKのポイントへ戻されてタッチキック→残り5メートルでラインアウト。左LO竹村俊太にスローを合わせてモールを組み、右へズラしてドライブした。25分、鈴木が左中間でグラウディングするトライ。SH山戸椋介のコンバージョンも成功し、12×3となった。

 27分、京産は右CTB下良好純がハイパント。バウンドしたボールがチェイスのHO中島裕樹に入り、一気に敵陣22メートル内へ。そこからFWがチャンネル1で体を当てていった。5フェーズ後、右チャンネル1を突いた左FL眞野拓也のポイントでbW徳永祥尭にこぼれ球を奪われたものの、この接点で京産は激しくファイト。関学が倒れ込みを犯し、29分、京産は手堅くPGを刻む。36分、39分に狙った難しいPGが不成功に終わり、12×6の6点ビハインドこそ変わらなかったとはいえ、地域とポゼッションで優勢に立ってこのスコアなら、京産としては思いどおりのゲームメイクだったはずだ。

 関学は5分、左チャンネル1のJO金寛泰(きむ・ばんて)が李に刺さられてノックオン。京産はハーフウェイ過ぎやや左でスクラムを得たが、関学のプレッシャーにFWが負けてしまった。徳永がボールを奪い、敵陣10メートルと22メートルまでゲインする関学。ここで京産はSH梁正秋(りゃん・じょんちゅ)がパスアウトの山戸を潰し、ボール出しを遅らせる好守備を見せたが、関学は鈴木が左へさばいて右PR井之上亮がクラッシュしたあと、9−10−15の左展開でFB高陽日(こう・やんいる)がスイッチ、さらに左チャンネル1で左FL中村圭佑が前進し、アタックリズムを保つ。そして9−10の左から清水が右へ短いリターンパス、角度を変えて入った右WTB中井剛毅が裏へ抜けた。7分、中井が左コーナーへトライ。関学は11分にもトライを追加する。相手ボールスクラムを自陣10メートルでターンオーバーし、9−10−13と左へ振ったのがチャンスの始まりだった。金尚が左WTB坂本英人の外側をスワーブで受け、敵陣22メートル内へ。森田のカバーに捕まったあと、右へ折り返してワンパス、鈴木がクラッシュしたあと、9−11の右、中野が立ち遅れたラックサイドを前進し、李に足元へ入られながらも中央へグラウディング。さらに関学は17分、勝利を決定づけるトライを挙げた。リスタートキックをキャッチした原田に対し、京産は梁がエアチャージ。敵陣10メートル過ぎのラインアウトを起点に関学は連続攻撃し、オフサイドのPKにより、敵陣22メートル内でラインアウト。モールから鈴木が右サイドを突いたのち、9−10−14の右展開でフィニッシュしたのだが、この場面は、なんといっても清水の30メートル級の超ロングパスがハイライトだった。捕球した中井が1対1の下良をステップでかわし、右中間へ。コンバージョンも3連続成功し、33×6、関学が大量リードを奪った。

 京産は24分、相手スローフォワードによる自陣10メートル手前右端のスクラムから攻めた2次、9−10−11の左展開で坂本がストップ&ゴー、中井の左外を抜いて裏へキックを蹴った。インゴール左端へ転がるボールを中井と競争で追ったが、グラウディングできずノックオン。しかしタッチキックをクイックスローインして梁が右オープンへキックパス、スペースのある坂本へ直付けし、さらに順目へワンパス、山本が内へ切れ込んで残り7メートルまでゲインし、再びチャンスをつかんだ。そこからチャンネル1中心の武骨な攻め。27分、最後はBKに展開して仕留めた。9−10−12の左展開で山本がアングルチェンジ、高のタックルの芯を外して前へ出ながら右へパスを戻し、bW高田薫平が左ポスト下へトライ。ゴールも決まり、33×13としたが、そこまでだった。以降、京産に決定機はなく、優勢にゲームを進めたのは関学。しかし運動量が低下してプレーの精度が若干落ち、京産のディフェンスに粘られた。結局、関学の20点リードが変わらないまま、試合終了。関学が天王山の1戦を制し、7戦全勝で5年ぶりに関西リーグの優勝を果たした。




 京産は先週、立命を力で捻じ伏せようとした強引さが仇となって黒星を喫したが、この試合は原点回帰していた。チェイスと一体になったキックでエリアを獲得し、ボールをキープしながら得点を刻んでいく。難しいことはしないけれども、ポゼッション重視でまずは自分たちのラグビーをやり切り、関学にじわじわとプレッシャーをかけていく作戦だったのだろう。これがTLであれば、相手の組織防御を打破するひと仕掛けがほしい――となるが、今の京産はこれでいい。組織で守りづらく、京産のスタイルにも合うFWがショートパスでズラすアタックの多用を、ディフェンスのいいチームと対戦したときのアイデアとして一応、推奨しておくけれども。京産の守りに関しては後半、内から外のプッシュアウトの動きが弱くなり、ラックサイドの立ち遅れが出始めた。そこで関学に畳みかけられてしまったが、今日のところは相手が一枚上というべきか。ピックアッププレーヤーは山本。李のトライをアシストしただけでなく、彼らしい接点の強さがよく表われていた。FWでは3列の充実も目を惹いたが、中島と右PR浅岡勇輝のフィールドプレーの質が高い。僕が観た試合で彼らは全戦オールアウト、奮闘という言葉がぴったりの働きを示している。

 原点回帰で足元を見つめ直した京産に6点ビハインドの僅差でついてこられて折り返した関学。もし、前半にミスが頻発して焦るようであれば相手の思うツボだったが、関学には落ち着きがあった。粘り強く守り、少ないチャンスをモノにして2トライを挙げた前半は、京産の流れであるとともに関学の流れでもあった。後半、一気に勝負を決めた3トライのうち、2つはスクラムのターンオーバーが起点。現在、スクラムはHOが両PRにオーバーで組むチームが多いけれども、京産はHOが右PRに対してはアンダーに組む。勝手が違った感じで関学は前半、反則をとられていたが、後半は完全にフィットしたようだった。何かを修正したはずである。そして、スクラムの組み勝ちは勝利をたぐり寄せる原動力となった。また、前へ出つつ内から外へのプッシュアウトを軸とする組織防御の安定ぶりは、この試合も変わりなく、相手がFWの縦を多用するということでFW勢の比重が大きくなったものの、鈴木を始め、全員が体を張った。アタックに関しては、MOMを受賞した清水の存在が試合ごとに際立っている。FWで防御を内へ集めて外に振るというオーソドックスな組み立てに、清水の両側に選択肢がある形でリターンパスというパターンが多く見られるようになってきた。彼は京都成章時代から、まず自身のランを匂わせた周囲を生かすプレーが得意。オールブラックスのSOアーロン・クルーデンに似てるなァと当時思ったものだが、その良さを今、存分に発揮し始めている。

付記 本文中、選手名の敬称は省略としました。

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コメント(1件)

内 容 ニックネーム/日時
もう少し接戦になるかと思いましたが、終わってみれば関学の試合でした。関西にも絶対的力を持つチームが必要と思います。
それよりも 摂南-近大の試合に興味がありました。ノーガードの殴り合いの試合のようになりましたが、それはそれで見ごたえのある試合でした。
今の関西ではどこが優勝するかより、入れ替え戦をめぐっての戦いやBリーグ上位の戦いの方が興味ありというのが拙者の実感です。半ばセミプロ化した上位チームより学生スポーツの趣旨を残した下位チームやBリーグの試合もいい試合だと感じるものがあります。 頑張れBリーグのチーム!
すみません。話しが関学-京産大から脱線しました。
ひょうてんやま
2014/12/03 08:48

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