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zoom RSS 慶応、アンストラクチャー局面を制して5T 筑波を相手に白星スタート〜関東大学対抗戦 第2節

<<   作成日時 : 2015/09/16 06:00   >>

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画像 9月の声を聞くとともに、ラグビーシーズンが到来した。例年と異なるのはW杯イングランド大会を控えて、より一層、気もそぞろではないことだろうか。関東大学対抗戦は6日に開幕。13日、秩父宮では慶應vs筑波の好カードが組まれていた。ここ2年ほど、慶應は傑出したタレントはいないものの、シーズン終盤にはきっちりチームを仕上げ、大学選手権でベスト4へ進出。対する筑波は昨年、大学選手権でファイナルの舞台を踏み、準優勝の成績を残した。FL水上彰太、HO村川浩喜、WTB山下一、WTB竹中祥といった大駒が卒業で抜けたとはいえ、地金のしっかりしたプレーヤーが名を連ね、楽しみなメンバー構成になっていた。


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 【○慶應義塾大学33×23筑波大学●

 筑波のキックオフで試合開始。すぐに蹴り返さず、左へ回した慶應にノックオンがあり、筑波は敵陣22メートル内右でスクラムといきなりチャンスを迎えた。慶應は防御ラインを揃えて粘り強くタックルを敢行したが、12次、21−10−13の左展開、右CTB前田土芽をSO矢川智基、左CTB青井郁也が2人がかりで止めに行った際に持ち上げてしまう危険なプレー。前半4分、筑波はFB竹田祐将のPG成功により、3点を先取した。このリスタートキャッチから筑波は左ツーパス、左PR橋本大吾が突進して真後ろにいた右LO目崎啓志に放したポイントで、タックル成立のノットリリースザボール。6分、慶應はショットを選択する。ところが、矢川がプレースキックを蹴ろうとした瞬間、ティーの上のボールが倒れる不運。ミスキックとなって、PGは不成功に終わった。

 筑波は10分、ハーフウェイを越えた位置右のスクラムでアーリープッシュのFKを得た。bW横山大輔が速攻して左へワンパス、クラッシュを皮切りに敵陣へ攻め込んでいく。6次、9−10−15と右へ回し、深い所から走り込んできた竹田がSO亀山宏大にスイッチで入った。慶應は左FL廣川翔也とHO佐藤耀がダブルタックル。2人がすぐに立ち上がってポイントを乗り越え、筑波のオフザゲートを誘った。SH南篤志がクイックタップして右へ放し、廣川が自陣10メートルまで挽回。ここで筑波は右PR崔凌也が倒れ込みを犯し、敵陣22メートルへ進出した慶應が13分にトライを挙げる。横山にスローを合わせたモールから右チャンネル1、右FL鈴木達哉がタックルブレイクして前進したあと、9−10の右から左リターンパス。内側を押さえる防御が立ち遅れていたので、このプレーはベストチョイスだった。左WTB清水祐輔の走り込むタイミングがわずかに速く、パスが通らなかったものの、筑波の左CTB鈴木啓太が弾いたボールを青井が手中に収め、15−14と右へ展開。右WTB金澤徹が右中間へ駆け込んだ。イーブンボールの発生が外へのスライドを遅らせて、結果的にはパスミスがチャンスを拡大させる形となった。

 青井のコンバージョンも成功し、7×3。筑波は19分、ハーフウェイ左端のスクラムから9−10−12と右へ展開し、鈴木啓が右斜めラン。11、12のコンタクトを受けながら順目へ放したオフロードパスが通らなかったものの、右WTB山内俊輝が拾い、金澤を外して前進。敵陣22メートル内へ入ったが、鈴木啓につないだあと、左へ戻したパスが慶應の左LO西出翼に渡す形となった。タッチキック後、敵陣10メートルのラインアウトに始まるアタックではモール左サイドを木村がゲインしたが、2フェーズ後の左展開でパスミス。慶應ボールとなった。21分、筑波は橋本がキックを蹴った矢川に対してレイトチャージ。このPKで敵陣10メートルへ地域を進めた慶應は24分、倒れ込みのPKにより、残り5メートルでラインアウトの絶好機をつかむと、近場のブレイクダウンでファイトする筑波の防御に手を焼きつつも、12次攻撃でフィニッシュした。26分、9−10の左、矢川が、FBが防御ラインに入って空いた左裏インゴールへグラバーキックを蹴る。チェイスの左WTB清水佑輔が左中間で拾って中央へ回り込むトライ。コンバージョンも決まり、14×3とした。

 しかし筑波はこのリスタートを左へ蹴り、bW徳永将がハンドリングエラーしたのに乗じて敵陣で攻撃権を得た。4次、9−3−15−14の右展開で山内が矢川ら3人によってインゴールのタッチへ出されたものの、ドロップアウトのミスキックにより、29分、敵陣10メートルと22メートルの中間でラインアウトと好機が継続する。2−5−9の左、SH木村貴大がパスダミーを入れて裏へ抜け、そのすぐ左に絶好のタイミングで山内がサポート。鈴木へつないだ。このラックから9−10−15の左展開、竹田がカットインで前進。寸前で右CTB田畑万併のタックルに止められた直後、9−10の左で亀山宏が左中間へグラウディングを果たした。この局面は1次、木村の突破によってチャンスが広がったが、慶應はパスダミーを入れられたとはいえ、南が外側へ開くのが速かった。ラインアウトの後ろとBKの防御ラインのあいだは、HOを回り込ませることもあるが、SHとラインアウト後方に並ぶFWプレーヤーが連係してゾーンで守るのがセオリー。この場所を抜かれるシーンはほかにもあったので、早晩、慶應が修正を必要とされる部分と思われた。

 竹田のゴールは不成功に終わり、14×8。しかし慶應は、35分にトライを挙げて突き放す。1度はミドルエリアのカウンターラックでターンオーバーに成功した筑波だったが、3フェーズ後、9−10−8の右展開で横山が放したポップパスがサポートプレーヤーへ通らなかった。廣川がボールを確保し、10−12と左へ展開する慶應。青井が開いてもらい、戻りながら守ろうとする山内を完全に死に体にしたうえ、目前のミスマッチ、HO稗田優志を振り切った。ラストパスをもらった田畑が左コーナーへトライ。攻守の切り替えで筑波の防御は未整備、逆に慶應が早々と攻撃態勢を作ったのが決定打となった。角度のあるコンバージョンを青井が決めて13点リードとした慶應は、39分にもトライを追加する。キックキャッチを起点に攻める筑波の6次、9−10−8の右展開に対し、廣川がタックルを炸裂させ、乗り越えていったターンオーバーがきっかけ。そこからすぐに9−10−15−11と数的優位だった左の狭いほうへ展開し、FB澤根輝賢がミスマッチの19を外してゲインしたのち、清水は右へリターンパス。澤根がもう1度ボールをもらって左中間へトライ。26×9となった(コンバージョンは不成功)。

 筑波は42分、キックオフサイドのPG成功により、26×11、3点を刻んで折り返すと、後半1分に追撃のトライを挙げて反撃ののろし。キックの10メートルオフサイドによる敵陣10メートルと22メートルのあいだのラインアウトから1次で仕留める。2−4−9−14と左へ回し、山内がFWとBKのあいだを抜けた。この局面は前半30分、亀山宏がトライを挙げた1次のアタックと同じ。慶應は南が内側のFWと連係がとれないままに左へ開き、相手にスペースを与えてしまったのが仇となった。山内が中央へ回り込み、竹田のコンバージョンも成功。18×26、勝負の行方がわからなくなった。

 4分、自陣から攻める筑波は6フェーズ目、9−12の右、鈴木がエリアキックを蹴ろうとした。直前の左チャンネル2、左LO中村大志がダブルタックルで磔にされるなど、埒の開かないアタック。そろそろ見切りどきだった。ところが、このキックが徳永に当たってしまう。こぼれ球を山内がキープしたものの、徳永と佐藤耀によってタッチへ出された。慶應はこの敵陣22メートル手前のラインアウトから右オープンへ振ったのを皮切りに連続攻撃。しかし6次、9−10−2−15−14の右展開で金澤が右中間インゴールへ向けて蹴ったショートパントを、木村に先着された。7分に9−10−12の左展開で青井が左奥へ好タッチキック。筑波がラインアウトモールを経て蹴ったキックのカウンター攻撃は、捕球した清水から15−14と回したポイントの戻りが遅れてしまった。慶應はブロック分けして攻めるポッドシステムを採用していて、そちらの陣形のほうに意識が向いていたと思うが、ここは直前がラインアウトモールゆえ、FWのプレー参加が遅れる局面。BKを全員、集中させてでもボールキープを優先しないといけないし、それが嫌なら1次でスイッチを入れるなどの崩しを入れてすぐに捕まらないアタックを工夫しなければならなかった。乗り越えてターンオーバー、ピンチの芽を摘んだ筑波は9分、ノットロールアウェイのPKにより、敵陣22メートル手前でラインアウトのチャンスを迎えた。3次、9−10の左で亀山宏が裏へグラバーキックを蹴る。チェイスの11、15の立ち位置が深い位置だった分、追いつかなかったが、11分、キックキャッチの左WTB亀山雄大がカウンターランで敵陣10メートル過ぎへゲインして再攻撃。左PR堀切厚輝が亀山雄を止めた慶應だったが、倒れ込みの笛を吹かれた。ショットを選択する筑波。しかし、竹田のPGは不成功。慶應は14分、矢川が右奥へ蹴った好タッチキックをきっかけに地域で優位に立ったが、ハンドリングエラーで好機を生かせず。筑波はボールを動かしながら慶應陣内へ攻め込んでいった。17分、連続攻撃の末、9−15の左ショートサイド、竹田が残り7メートルで10、15のコンタクトを受けてタッチ際でノックオンしたのは惜しい。

 スクラムから慶應はタッチキック。19分、筑波は敵陣10メートルと22メートル中間のラインアウトから2−19−9−12の右展開、9−10−15の右展開とBKで勝負した。2次はSOの内側にリンクプレーヤーが1人、スライドを遅らせてFBをライン参加させ、数的有利を作る意図があったが、竹田がハンドリングエラー。マイボールとした慶應は右、左と大きく振って敵陣へゲインする。2次の左展開、青井がカットインで半分裏へ出てパスを通したのは好プレーだったが、13−11−15とつないだ先、澤根が敵陣22メートルでタッチを踏んでしまった。そこから蹴り合いののち、筑波は21分、竹田がカウンターランで左斜めにゲインし、敵陣10メートルと22メートルへ入ったのを起点に連続攻撃。途中、ボールが浮く場面はあったがなんとかキープし、24分に取り切った。最後は左ショートサイド、9−15の左で竹田が西出に懐へ入られながらも、上半身とボールを持つ手を一杯に伸ばしてワンモーションで左コーナーへトライ。26×23、3点差に迫った(ゴールは不成功)。

 慶應は27分、敵陣10メートル過ぎのラインアウトを起点に連続攻撃。しかし8次、9−10−13の左展開で田畑が亀山宏のタックルに捕まり、山内に絡まれかかった所で被ターンオーバーの危機に焦った青井が横入りを犯した。このPKをタッチ、自陣10メートルのラインアウトから攻める筑波。ところが12次、9−10−22−11−20の左展開で、途中出場のbW河村駿太が青井のカバータックルにより、敵陣22メートルでタッチへ出されてしまった。それでも地域的には有利。この時間帯に得点を挙げてタイスコア、もしくは逆転まで持っていきたかったが、32分、敵陣10メートルと22メートルのラインアウトミスを、慶應につけ込まれる。スローが合わず、最後尾に並んでいた崔も捕球ミス。廣川がルーズボールを獲得し、ハーフウェイまでゲインした慶應は9−10−12と右へ展開して青井がキックを蹴った。筑波は鈴木啓がチャージダウンしたが、このボールがFBへ回っていた金澤にすっぽり。おまけに外は2対1ができあがっていた。右WTBへ入っていた佐野航太が右コーナーへ駆け込むトライ。ゴールの2点を併せ、33×23となった。

 筑波は35分、相手ノックオンにより、敵陣22メートル中央でスクラム。コラプシングのPKを得て、残り10メートルでラインアウトモールを組んだ。慶應は途中出場のbW松村凜太郎が巧く首を入れる好守備。ドライブを許さなかったが、3フェーズ後の右チャンネル1、橋本のポイントでノットロールアウェイ。筑波は占部が速攻してクラッシュしたあと、9−10と左へ展開した。ところが、亀山宏がちょっと焦ったか。カブッてくる防御と、ケガの治療を受ける味方を避けて左へ放したパスは、物理的に前方のコースしかない状況だった。痛恨のスローフォワード。相手タッチキック後の38分、敵陣22メートル手前でラインアウトとなおチャンスが継続する筑波だったが、橋本のスローが合わず、慶應ボールに。南の好タッチキックで地域を戻した慶應はその後、筑波を自陣へ入れず、10点リードを保ったまま、逃げ切り勝ちを収めた。




 筑波は被ターンオーバーやミスでボールを失ったアンストラクチャーを慶應に仕留められた印象。本来、ディフェンスのできるチームで前へ出るタックルが強く、ストラクチャーならそう簡単にトライを取られないレベルへ達しているにもかかわらず、慶應に5トライを奪われてしまった。1対1の当たりが強く、ラインアウトの近場を巧みに攻めるなど、アタックもいい場面が何度もあったが、ボールの扱いが少し雑だったのが玉に瑕。キックが少ないのは一概に悪いとはいえないが、そういうゲームメイクをするのなら、フィフティー・フィフティーのパスを控えめにして、ボールキープに留意して攻めたほうがいい。これをやるとアタックの賑やかさが失われるかもしれないが、その代わり、筑波に合う攻めがある。木村が仕掛け、FWを呼び込んでパスを放すプレーは確実にゲインが叶うはずだ。何回かは見られたけれども、木村のプレースタイル、FWのボールキャリーの力を考えると、筑波はこのアタックを基本プレーに位置づけてもいいと思う。ここで複数を配置するシェイプ系、木村の背後からボールキャリアが顔を出すシャドウプレーを使うと、尚良し。さらに亀山宏以下、10番近辺のリンクと連動させれば、ミスが出るような難しいことをしなくても防御を容易に崩すことができる。セットピースは、ラインアウトは不安定だったものの、スクラムは総じて優勢。キャプテンの橋本が効いていた。

 慶應は勝ったとはいえ、イーブンボールの行方次第ではどうなっていたかわからない、と危機感を抱いたのではないだろうか。勝って反省できるのは好材料。前述したようにラインアウトの近場、FWとBKラインのあいだのディフェンスは修正しなければならない。あと、タックルは低く突き刺さってはいたけれども、後半に甘くなった。TV中継のスタッツでタックルミスは4という数字。実際はこの倍くらいあったと思う。この原因は、フィットネスが低下するとともに当たりが弱くなったことと、相手との間合いの計り方がルーズになって飛び込んでしまったことにある。コンタクト姿勢そのものはいいので、今後は80分間、同じ質のタックルを続けられるようにしたい。ディフェンスシステムそのものは良好で、内側が前へ出てプッシュ、外がカブリ気味に前へ出るのが基本。昨年の神戸製鋼と同様のスタイルで、このディフェンスは内返しやスイッチのアタックに強い。亀山宏に深い位置からスイッチで入ってくる筑波のアタックを何度か無効にした点に好感。アタックは、アンストラクチャーの局面の判断に冴えた。これが最大の勝因であろう。通常はFWとBKをシャッフルしてブロック分けするポッドシステムで、FWもパスムーヴに参加する。学生の場合、この攻め方で戦うとボールを持つ人が決まってきたりして相手にとって読みやすくなるケースが多々ある。しかし、この試合の慶應はFWも均等にボールを持っていて、ハンドリングスキルも現時点では合格点に達していた。実戦を積むうちに、縦を突くべき場所、一気に外へ振るべき局面の判断にもっとこなれてくるはずだし、多彩なオプションを繰り出せるようになるはず。ピックアッププレーヤーはボールを動かすかキックかの判断に冴える手堅いゲームメイクを評価して、矢川、青井としたい。FWでは廣川が攻守に奮闘し、完全にチームの核となった感。廣川のようななんでもできるFWがいるのは心強い。

付記 本文中、選手名の敬称は省略としました。

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