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zoom RSS 法政、後半猛追も 大東、しのぎ切って4位で大学選手権へ〜関東大学リーグ戦 第10節(1)

<<   作成日時 : 2015/11/28 05:50   >>

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画像 22日、秩父宮では関東大学リーグ戦、第10節の2試合が組まれていた。第1試合は大東vs法政、第2試合は優勝を賭けた全勝対決、東海vs流経。戦前に優劣の予想はあったかもしれないが、勝敗の行方があらかじめわかっているような力差はない2カードで、そのとおりの熱戦が繰り広げられた。ここでは大東vs法政について記す。


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 【○大東文化大学41×38法政大学●

 前半1分、大東は敵陣22メートル手前のラインアウトに始まる5次、左チャンネル1のHO栗原良多のポイントでターンオーバーされ、いったん好機を潰したものの、3分、自陣22メートル内のキック処理を起点に、いちどきに取り切ってきた。ピッチ右でFB大道勇喜が捕球し、14−10−13と左へ展開。法政はスライドした左CTB金井大雪が右CTB戸室達貴をタッチラインへ追い込み切れず、ハンドオフで外されたのが響いた。大東は裏へ出た戸室の右内へSO川向瑛がサポート、リターンパスをもらって左中間へトライ。5点を先制した(大道のゴールは不成功)。法政は7分、ダブルモーションによるノットリリースザボールのPKを得て、敵陣22メートル手前でラインアウト。クリーンキャッチできなかったボールを増田が手中に収めて前進したあと、9−10−12−15と右へ展開した。FB萩原蓮が左WTBクルーガー ラトゥのタックルを外して前へ。大道に倒されたあとは、FWの近場勝負へ転じる。ただ、一時的にBKを使う場面があったとはいえ、接点に人数をかけすぎてテンポが失われ、防御を切るようなアタックを繰り出せる状況にはなかった。19次、残り5メートルから右サイドを突いた右FL松村拓海が左FL湯川純平に倒され、左LO長谷川峻太に絡まれてノットリリースザボール。このPKがノータッチとなり、法政はハーフウェイ右で14番の中井健人がキャッチ、左へ展開したあと、9−10の右、SO林修兵が裏へ抜けて右順目へパスを放したが、左PR前島利明がノックオンした。

 法政は14分、大東のスローフォワードにより、敵陣10メートルと22メートルのあいだ右でスクラムを得た。4次、9−15−11の左展開で萩原がパスを開いてもらって防御を寄せ、左WTB桶谷建央へパスを放したのは好アタック。しかし7フェーズ後、SH金子峻大が左へ投じたカットパスにスローフォワードの判定が下った。大東は17分に追加点。キックキャッチの右WTB中川和真がカウンターラン。4人をステップでかわして敵陣へ進出し、9−7−4と左へ回して長谷川がパワーとスピードの兼備するランで前進。そしてSH小山大輝がラック左サイド、前島の外側を抜ける。右にサポートした川向が桶谷を外して右中間へトライ。法政は小山に突破された際、ラックサイドのディフェンスの1人目(専門用語でピラー)と2人目(ポスト、あるいはフローターと呼ばれる)の間隔が空いてしまっていた。ラグビーセンスの塊、小山にそのようなスペースを提供すると、裏へ抜けられるのは仕方がない。前島が小山に詰めていたけれど、SHのサイドアタックをケアする役割は2人目が担うのが原則でもある。

 コンバージョンも成功し、12×0。しかし、法政は21分にトライを返す。大東はリスタートでキャッチミス。敵陣10メートルと22メートルの中間右端でスクラムを得た法政は大東のアングルの反則により、敵陣22メートル内でラインアウト。左LO牧野内翔馬がスローをキャッチしてドライビングモールで仕留めた。増田が右中間でグラウディングし、12×5(萩原蓮のコンバージョンは不成功)としたが、リスタートキャッチ後のアタックで自陣を脱しないうちにノックオン。24分、敵陣10メートルと22メートルのあいだ右でスクラムを得た大東は1次の左展開、川向のフラットパスを戸室がノックバックするミスはあったものの、ボールをキープ。7フェーズ目にピッチやや左のラックから数的優位ができていた左、フラットなアタックラインへ展開してフィニッシュする。球出しの小山が、法政の防御ラインのドリフトを凌駕する速い飛ばしパス。長谷川が7と14のあいだへ入った。長谷川は松村にタックルされたものの、芯を外れていた分、ボディーバランスを十分に保ってハーフブレイク。その右内にサポート、加速してきた戸室にリターンパスを放した。25分、戸室が桶谷に倒されながらもワンモーションで左コーナーへトライ。

 これはいいトライだった。長谷川の外にはbWアマト・ファカタヴァとクルーガーが立つという強力な並び。内返しでもらった戸室が裏へ抜け、さらに防御を崩したうえでアマトやクルーガーへつなぐという手がまだ残っている。実際は法政のマークが厳しく、追ってきたディフェンダーが留学生へのパスコースに入っていたので、それは難しく、戸室がインゴールに目指すことになったが、このストラクチャーはNZで流行している(ハリケーンズがもっとも得意とし、オールブラックスもときどき使う)。タッチから2人目(長谷川は3人目だったけれど)に飛ばしパスを放し、そこで守備側がタッチラインを味方にして守ることのできるWTBにはすぐに渡さず、リターンパスをもらったプレーヤーが裏へ出て左右両方にパスを放せる形を作るのだ。飛ばしパスが鋭いほどスライドが遅れ、ボールキャリアは突破しやすい。今回の大東のケースで、もし戸室のさらに右内へ小山がサポートし、パスをもらってフィニッシュということになれば、オールブラックス、ハリケーンズのSH、TJ・ペレナラを彷彿とさせるトライと書けたのだけれど。

 17×5(ゴールは不成功)とした大東は29分、敵陣22メートル右で法政スクラムにプレッシャーをかけ、ターンオーバー。ボールを奪ったアマトが前進、さらに9−10−12の左展開で左CTB竹原慶昇が金井を粉砕して敵陣奥へ入る。ノットロールアウェイのPKを速攻後、小山がパスアウトにミスした所でノット10メートルのアドバンテージが採用されると、大東は残り5メートル右の位置でスクラムを選択した。3番側を前へ出し、右ショートサイド側でbWのサイドアタック。31分、アマトが右斜めに走り、スクラムから追ってきた増田のタックルを外して右中間へトライ。コンバージョンも決まり、24×5。大東は36分にも見せ場を作る。敵陣10メートル左のスクラムを起点に8−9−10−9−13−15−14、得意のループを駆使した右展開で防御を内側へ留め置き、外のスペースの突破を狙ったが、小山が戸室へ放したパスが少し後ろだった分、15、14の立ち位置にタメがなくなった。結果、大道のパスにスローフォワード。大東の19点リードが変わらないまま、前半が終了した。

 この勢いで大東が突っ走るかと思われたが、後半の入り、キックオフを蹴り返さずに攻めた大東にハンドリングエラー。法政はマイボール確保直後、オフサイドのPKを速攻した金子が左へワンパス、松村がクラッシュしたあと。9−10−14と右へ振った。林の飛ばしパスをもらった中井が、カバー防御へ急行してきた3人の逆を衝くインステップ、華麗に舞うようなランで右中間へトライ。ゴールの2点を併せて24×12とした途端、法政は蘇生した。リスタートキャッチの増田が縦を突いたラックから9−12−2と左へ回し、HO川地光節が竹原のタックルを受けながら右へついた松村にオフロードパス。敵陣10メートルへ進出し、9−12−4の右展開、牧野内のゲインであっというまに敵陣22メートルへ。ここで大東がラインオフサイドを犯していて、4分、法政は残り5メートルでラインアウト。牧野内がスローをキャッチしてドライビングモールと思いきや、増田が早くに右サイドを突き、左FL斉田倫輝が右中間へピック&ゴーのトライ。24×17とした(ゴールは不成功)法政は、リスタートをピッチ右でキャッチし、左チャンネル1を経て、右の逆目へ9−14と回した。中川にはスペースがあって面白い選択ではあったが、味方は接点と左側に集まっていた。守る大東もそれに近い陣形だったが、アマトにタックル&ジャッカル、1人で全部やってしまう好守備をされると、どうしようもない。アマトのファインプレーによってノットリリースザボールのPKを得た大東は、敵陣22メートルでラインアウト。1フェーズでフィニッシュする。一番前にいる湯川へ投入し、スロワーのHOへ戻すサイン。法政は予想外だったようで対応が遅れた。7分、栗原が川地と中井をタックルブレイクする力強いランで左隅へトライ。29×17(ゴールは不成功)となった。HO戻しのサインプレーはモール、オープン攻撃とひととおりやったあとが一番効く。いいタイミングだった。いきなりヘンタイな行為を仕掛けると別れの理由になるが、お互いに愛情が通い合ったあとであれば喜ばれることが多々あるのと、まあ似たようなものである。

 法政は11分、ハーフウェイのラインアウトを起点に左展開のセンタークラッシュ、左チャンネル1を攻めたあと、右逆目、ワンパスのポイントが孤立してターンオーバーされた。直前2フェーズのブレイクダウンに人数をかけすぎていたのが原因。大東のタッチキックで自陣10メートルと22メートルの中間まで後退させられたが、そこから法政は左へ振り、折り返しの右展開、9−10−2、川地が林の背後からオープン側へ現われてもらうシャドウプレーを使い、左リターンパス、右LO吉村公太朗がクラッシュする。外ではループのダミーも入る、いいサインプレーだった。このポイントで大東がハンドを犯し、法政は残り10メートルでラインアウトの絶好機をつかむ。13分、牧野内にスローを合わせたモールをドライブし、前島が左中間で押さえるトライ。コンバージョンも決まり、29×24とした法政は、大東がリスタートでダイレクトを蹴るミスによってセンタースクラムを得て押せ押せムード。8−9−15と右へ回して萩原が右奥へ好タッチキック。ラインアウトのノットストレートにより、17分、敵陣22メートルを越えた位置右でスクラムのチャンスを迎えた。8−9−10−15のフラットな左展開で萩原がクラッシュ。すぐに倒れない強さを見せたあと、9−10−14の左、金子にスイッチで入った中井が裏へ抜けた。18分、金子が中央へトライ。この場面は先に金井がスイッチで走り込んで防御の目を寄せたのが効いた。スイッチの時間差攻撃といった感じだったが、このサインプレーは、完璧に決まれば大学レベルでは止めるのが難しいと思う。

 ゴールも成功し、29×31。法政が逆転し、前半終了時は大東の楽勝ムードだったのが、とんでもないことになってきた。結婚式の日取りも決まり、ゴールインするだけというカップルのそばへ、2人の仲を引き裂く悪女が登場したような試合展開である。20分、大東は敵陣10メートルのラインアウトから攻めた2次、右順目へ展開して9−10−11−14、接近して放した川向のパスが効いて22メートルへ入る。5次、9−15−11−14の右展開で松村のタックルを受けつつクルーガーがオフロードパス、中川が右隅を迫った。金子のカバー防御によって残り5メートルでタッチラインを踏まされたものの、地域を制した大東は23分、敵陣22メートルを越えた位置のラインアウトを起点に再逆転のトライを挙げる。4フェーズ目、左逆目へ放した小山のパスが乱れたが、これが逆に法政の防御を崩す役目を果たした。地を這ったボールを拾った湯川が右へ放して3−15、大道がパスミスのボールに反応してガタガタになった防御間を抜ける。その左に戸室が現われ、パスがもらって中央へトライ。コンバージョンも成功、36×31とした大東はリタートキャッチの2フェーズ後、9−10−12の右で川向に竹原がスイッチで入り、また川向へパス、右の大道、左へ戻して川向、さらに右についたクルーガーが左へ放して川向という巧みなパス回しで敵陣10メートルへ達した。2フェーズ後の左展開でアマトが裏へ出て敵陣22メートル近くへ。チャンネル0を2フェーズののち、9−10の右、川向が右オープンへキックパスを蹴った。26分、中川がキャッチして右中間へトライ。この場面はキックパスの一瞬前に、レフリーがオフサイドのアドバンテージの解消を叫んでいた。アドバンテージがある中、思い切ったプレーをしたら解消されていて相手ボール……というのがよくあるケースだが、大東の場合はそうならなかった。

 41×31(ゴールは不成功)とされた法政はリスタートキックが10メートルへ届かないミス。センタースクラムを得た大東はここでボールへ働きかけようとした金子のオフサイドにより、30分、敵陣22メートルへ進出した。このラインアウトを牧野内にスチールされたものの、相手タッチキック後、同位置のラインアウトを確保し、地域で優位に立つ。しかしハンドリングエラー、反則が出て仕留め切れず。法政は36分、ハーフウェイを越えた位置のラインアウトを起点にチャンスをつかんだ。2−5−9−10−12−15−14と後ろを通した右展開、縦を突いた萩原がオフロードパスを通し、中井がゲイン。敵陣22メートル近くへ達すると、右の狭いほうで9−15、萩原が前進した。その後、ブレイクダウンで大東にノックオンがあり、38分、法政は敵陣22メートル中央のスクラムで仕切り直し。チャンネル0を中心に攻め、ゴールラインへ迫る。9次、大東がラックサイドの防御を厚くし、皆がラックのほうへ向いている中、牧野内が右へパスアウト、前島が外側へのアングルチェンジを試みたのはいい狙いだった。そして5フェーズ後、スペースのある右へ振って仕留める。9−10−15−14、中井が右端から右中間へ回り込むトライ。コンバージョンも成功し、41×38として逆転へ望みをつないだ法政だったが、リスタートキャッチ後の2次、左展開で林のパスがスローフォワード。ここでフルタイムの笛が鳴った。




 後半の入り、大東が自陣から蹴り返さずに攻めてミス、オフサイドのPKを速攻した2フェーズ目に法政がトライを挙げたことにより、流れが変わった。後半7分に大東が栗原のトライでリードを12点に広げたにもかかわらず、法政はそこから2連続トライで一時逆転。このあたりは前半と後半で組み立てを変えたのが功を奏していたと思う。フラットパスを使うシチュエーションをラインアウトやスクラム起点、つまりオフサイドラインが後方にある場面に限った。前半、フラットパスをもらうプレーヤーが相手の圧力に負けてミスをしていたのもあるのだろう。そして後半、パスを深めの位置でもらうようになると、ミスが減るどころか、途端にいいプレーをするようになった。あと、モールは大東に十分通用。敵陣奥でラインアウトをもらえれば高確率で5点が望めた。ただ、法政を見ていて気になるのは、ブレイクダウンに人数をかけすぎる場面が多いこと。人数をかけているチームが5つの被ブレイクダウン・ターンオーバーをかぞえたのは皮肉な数字(大東は1)で、ボールキャリアの粘りが足りないことが関係しているかもしれない。そうやってアタッカーの人数が減り、近場のチャンネル0へ移行するのだが、一連の流れは自分たちから停滞ムードを作ってしまっていると形容して差し支えないだろう。法政と当たるチームはセットピースに始まる3フェーズ目までを面重視、穴を空けないようにして守ればOK、というふうに考えるのではないだろうか。チャンネル0のピック&ゴーも、フィジカルの強さが帝京並みならいいが、法政の力ではスローダウンさせてはいけない。やるのなら、スーパーラグビーのチーフスがときどき見せるみたいなテンポのある、コンタクトスピードを保ったピック&ゴーの繰り返しにしたい。テンポの速い、スピード感溢れるピック&ゴーの連続攻撃をやるチームは大学チームには存在しないので、これはこれで武器になるとは思う。ディフェンスは基本的にスライド、個人の判断で外から詰めるというオーソドックスなライン防御に映ったが、タックルがまだ甘い面がある。ピックアッププレーヤーはFWでは縦に出る力を評価して牧野内と増田。BKでは萩原を挙げたい。萩原はパスを、少し開いてズレるとともにすぐに加速できる姿勢でもらう。タックルを芯に入れないようなもらい方を常にしていて、170センチと小柄でありながら、芯を外れたタックルには絶対に倒されることがない。パスキャッチの前後における体の使い方に関しては、1年生ながら大学界でもトップクラスの巧さがある。中井の爆発的なスピードも魅力的だった。

 大東は個々のフィジカル、アタックの質で上回っていて、攻撃時間を長く持てば、自然に相手より多くの得点が入るという力関係だったと思う。リロードの速さは攻守両面におけるアドバンテージ。攻める際は突破したプレーヤーの内外両側に人がいるし、守りにおいてはなかなか面が崩れない。後半、法政が深めの位置でパスムーヴを繰り出す策へ転じ、目が慣れないうちに次々とトライを奪われはしたものの、一応は及第点といっていいだろう。パナソニックにいた青柳勝彦氏が監督に就任して以来、リロードやリアクションといった基本能力が向上、同時に、世界の先端となるグループ分けの陣形やループプレーの使い方などアタックに多彩さが備わってきた。個人的MOMは戸室。前半25分、後半23分のサポートプレーによるトライは見事で、局面の読み、カンが抜群だった。川向も好調。プレーに余裕が出ていて、天理のSOを思わせるような、相手に接近してから放すパスがいい。余裕がある分、攻める方向、パスの相手、サポートプレーに読みも発揮できるといった具合に、好循環にあった。FWでは長谷川。ボールを持てば必ずゲインする強さがあり、守備面のワークレートも高かった。

付記 本文中、選手名の敬称は省略としました。


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