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zoom RSS SO横山がサヨナラPG! 早稲田、慶應に土壇場で逆転勝利〜関東大学対抗戦 第12節

<<   作成日時 : 2015/11/28 06:00   >>

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画像 23日、秩父宮で慶應vs早稲田の1戦がおこなわれた。ぐずついた天気にもかかわらず、1万8401人の観衆が詰めかけ、最後まで勝敗の行方がわからないスリリングなゲーム展開に酔いしれていた。J−SPORTSの画面は、肩を組んで応援する学生たちの姿をとらえていた。女子学生の髪の色が赤くなっても、個々が離れ離れなのかくっつきたがっているのがよくわからない妙な空気が世の中を覆うようになっても、今なお昔と変わらない光景が微笑ましかった。リーグ戦グループに所属する中央大学のラグビー部が学内で拓殖戦のチケットを売るとき、日本代表の活躍によるラグビーへの注目が追い風となり、関心を抱いてくれた人が大勢いたという。スポーツ、とくにコンタクトを伴う団体競技はどちらか一方を応援すると、俄然、熱を帯びてくる。自分が通う大学のラグビー部がトップクラスにいる……これ以上の応援動機はない。


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 【●慶應義塾大学31×32早稲田大学○

 慶應はキックオフを左の浅い位置へ蹴ってコンテストした。敵陣10メートル付近で左FL廣川翔也がマイボールとすると、SH南篤志の位置で左裏へキック。捕球態勢に入った右WTB山岡篤樹にプレッシャーをかけ、ルーズボールを獲得して9−12の右、左CTB青井郁也が前へ出る防御の裏を狙ってキックパスを蹴った。前半0分、右WTB金澤徹がチェイスし、弾むボールを拾って右隅でグラウディング。ノーホイッスルトライを見事に決めた。いくつかストーリーを用意していたと思うが、158センチと上背のない山岡を標的にハイボールを上げ、自軍ボールで右オープンへキックパスという戦略も予定していたプランの1つだったに違いない。実際は1度ラックができたと思うけれど、キックのイーブンボールに始まるつなぎではラックができないことも多い。オフサイドラインが発生しない中、前で止めようとするであろうオープン側ディフェンスに対して裏へのキックパスということを考えていたとしたら、慶應らしい、ルールを知悉した理知的なトライの取り方といえる。

 青井のコンバージョンも成功し、7×0とされた早稲田は2分、オブストラクションのPKにより、敵陣22メートルでラインアウトを得た2−4−9−10−12の左展開で縦、9−10−15−11の左展開から、右へ折り返して9−1。左PR佐田涼祐に対し、慶應は右LO佐藤大樹が詰めていった。早稲田の2人目が遅れた間隙を衝き、bW徳永将がジャッカル。ターンオーバーでピンチを脱出した。早稲田は4分、慶應のラインアウトミスにより敵陣10メートルでマイボールとすると、すぐに左へ振り、11番の鈴木亮が敵陣22メートルまでゲイン。9−10−5の右、右LO桑野詠真がクラッシュしたあと、数的優位の左逆目へ9−12−13−7と回した。慶應は右CTB田畑万併がカバー防御。ゴールラインを背に右FL仲元寺宏行を止めた。近場勝負でスローダウンしたのち、早稲田はフィールドモールを狙う。ここで慶應がコラプシングを犯し、6分、早稲田は残り5メートルでラインアウト。慶應はモールディフェンスよりも競りかけるほうを選び、佐藤大が見事にスチールした。しかしタッチキック後、早稲田は敵陣22メートル内でラインアウトとなおチャンス。左LO加藤広人にスローを合わせたモールからチャンネル0の近場勝負に拘り、ゴールラインへ肉薄してまたもフィールドモールを組んだ。そしてモールへ加勢していた左CTB岡田一平が左サイドを突破。8分、左中間へトライと思われたが、直前にモールが割れていて、オブストラクションの判定が下った。

 慶應は10分、自陣10メートル手前右のスクラムを起点に9−10−12−15−11と左へ振った。早稲田は山岡が左WTB清水佑輔を止め、FB藤田慶和がポイントを乗り越えていく。結果、清水にノットリリースザボールの笛。このPKをきっかけに再び早稲田は敵陣へ入って主導権を握り、ラインアウトに始まる連続攻撃の15次、9−10−15−11と後ろを通し、藤田のカットパスをもらった鈴木亮が残り5メートルまで迫った。そしてラインオフサイドのアドバンテージが採用された14分、早稲田は残り5メートル左でスクラムを選択する。ところがスクラムからボールがこぼれ、マイボールとした慶應はすぐに左へ展開。早稲田は山岡が清水を止め、ボール出しの南に岡田が突っかけてハンドリングエラーを誘った。こぼれ球を獲得した早稲田は短いパスをもらった仲元寺が右中間へ突進したが、FB澤根輝賢に体を下に入れられてヘルドアップインゴール。即トライとはいかなかったものの、直後の5メートルスクラムできっちり仕留めてきた。16分、FWが一体となって押し込み、bW佐藤穣司が足元のボールをコントロールして右コーナーでグラウディングするプッシュオーバートライ。早稲田がようやく5点を返した(SO横山陽介のゴールは不成功)。

 早稲田は22分、敵陣10メートルで相手ボールラインアウトを桑野がスチールし、9−7−12−13と右へ展開。右CTB盛田志が田畑のプッシュアウトタックルに仕留められたものの、左ワンパス、左ツーパスで縦を突いたあとの左順目、9−10−8−1で敵陣22メートルへ達した。ここで慶應は金澤が佐田にハイタックル。アドバンテージ採用後の24分、早稲田が残り10メートルでラインアウトを得た。慶應は堅いドリフトディフェンスで早稲田のBK攻撃を食い止め、27分、9−10の右、横山のノックオンによるスクラムを得てピンチを脱出する。29分、慶應はキック処理に対するアーリーチャージのPKをノータッチにするミスがあったが、藤田のタッチキック後、敵陣22メートルでラインアウトとチャンス継続。徳永がスローをキャッチしたラインアウトモールを起点に、サインプレー一発で仕留めた。モールの最後尾からあいだに田畑をデコイランナーに走らせて9−10の右。早稲田は田畑に寄せられてしまい、次の左リターンパス、ブラインドWTBの清水に対するノミネートに誰も行けなかった。清水が中央へトライ。コンバージョンも決まり、14×5となったが、早稲田は31分に反撃。リスタートの競り合いで慶應がノックオン、敵陣10メートルと22メートルの中間右端でスクラムを得て、8−9−10−12−15−11と左へ振った。そして山岡が右サイドを突進し、残り6メートルへ迫ったあとはFWの力勝負でゴリゴリ。33分、右PR千葉太一がピックしてフィールドモールを組み、盛田が左サイドを突いて左中間へ捻じ込んだ。ゴールも成功し、14×12。2点差に迫った早稲田は41分、自陣22メートルのラインアウトを起点にボールを大きく動かして敵陣へ入り、43分にオフザゲートのPG。14×15と逆転して前半を折り返した。

 後半2分、早稲田は敵陣10メートルで佐藤穣がドロップアウトのキックをキャッチし、9−10−5と左へ回した。フラットパスをもらった桑野がドリフトしてきたSO矢川智基に当たり勝ち、岡田へオフロードパスをつなぐ。そして右チャンネル1を挟んで9−10の右、横山が右奥、慶應を自陣5メートルへ後退させる絶妙のタッチキックを蹴った。地域戦の絶対的優位を確定させ、3分に敵陣22メートルでラインアウト。1次で9−10−12の左展開から右リターンパス、ブラインドWTBの山岡を使ったあと、左オープンで鈴木亮までボールを渡したあと、右へ折り返す。右チャンネル1、HO貝塚隼一郎のクラッシュから、9−10の右。ここで横山の右に桑野と左FL宮里侑樹が並んで角度を変えながら走り込んできた。フラットパスをもらった宮里がオフロードパスを放し、岡田が中央へトライ。先に桑野が矢川に当たり勝った場面にもいえることだが、解説の野澤武史さんが指摘していたように、早稲田のパスムーヴは後ろオンリーという前半とはうって変わり、走り込む前方のリードランナーにボールを持たせていた。慶應はそれに対応し切れなかった感じだった。

 コンバージョンも決まり、14×22。リードを広げた早稲田は7分、横山がDGを狙う。不成功に終わり、追加点はならず。押され気味の慶應は12分、オブストラクションのPKを汐に巻き返しへ転じる。敵陣10メートルを越えた位置のラインアウトから攻めた4次、ハイタックルのPKを得て残り5メートルのラインアウト。ジャンパーから手渡しでもらった右FL鈴木達哉が左中間をうかがった。早稲田はSH杉本峻と山岡が阻みにいき、山岡がボールの下へ足を入れる執念のトライセービング。ヘルドアップインゴールにより5メートルスクラムで再開の慶應は、アーリープッシュのFKでスクラムを選択し、7−13の右、田畑がクラッシュした。早稲田は山岡がジャッカルに入ったが、タックル後、1度放さなかったカドのホールディングをとられる。16分、今度はPKをタッチ、残り5メートルでラインアウトを起点に攻める慶應は、チャンネル0の近場勝負でインゴールを目指した。息詰まるFW戦。懸命に体を張ってこらえる早稲田。しかし10次、慶應はボールをピックした鈴木達がわずかに左へ開いたあと、右へ手渡しのパス。途中出場のLO辻雄康がもらい、左中間へボールを押さえ込んだ。ピックから内側への手渡しでズラし、ラックサイドのわずかな隙間へ捻じ込むトライは昨年のチームも得意としており、慶應のお家芸となった感がある。

 ゴールも成功し、21×22。1点差に迫った慶應は20分、9−10−15と左へ展開した早稲田がハンドリングエラーしたルーズボールを、ハーフウェイ付近で澤根が足にかけた。早稲田は横山が戻ってセービングしようとしたが、慶應の追跡者たちに押し込まれ、インゴールでグラウディングさせられる羽目に。キャリーバックにより、残り5メートル左でスクラムを得た慶應はbWへ回った鈴木達の右8単、チャンネル0を挟んで左の逆目へ展開する。9−10−11。早稲田は防御が内へ寄る中、山岡が矢川の飛ばしパスをインターセプトしようとしたが及ばなかった。22分、前が空いた鈴木亮が左中間へ易々とトライ。26×22とした(ゴールは不成功)慶應は26分、ラックを剥がしにいった桑野が上から相手の首を巻き込む反則により、敵陣へ進出した。W杯イングランド大会からケガにつながるという理由で基準が厳しくなったプレーである。かつてはおおらかに流されていて、神戸にいたジョシュ・ブラッキーが相手プレーヤーにDDTを見舞ってもノーホイッスルだったりした。攻め込んだ慶應はパスに手を出した早稲田のノックオンにより、28分、残り10メートル左でスクラム。7−12、鈴木達のパスが乱れたものの、青井が確保して逆サイドの左へ斜めラン。早稲田は残り5メートル地点で山岡が青井の足元を刈って倒したが、そこまでだった。29分、慶應はピッチ左のラックから9−5の右、早稲田の防御が外に開いてできたギャップを佐藤大が突破し、左中間へトライ。

 31×22(ゴールは不成功)。苦しくなった早稲田だが、リスタートを左へ蹴ってコンテスト、マイボールとして敵陣22メートルへ入って反撃する。直後の左チャンネル1、加藤広がクラッシュしたポイントで、慶應は左O西出翼がノットロールアウェイ。31分、早稲田に残り5メートルでラインアウトの絶好機が到来した。1次のモールで慶應がオフサイドを犯していて、アドバンテージ採用後の33分、早稲田は同位置左でスクラムを選択する。慶應にコラプシングの笛が吹かれると、佐藤穣がクイックタップで縦。佐藤穣は廣川らのダブルタックルに阻まれたものの、そこから岡田が左サイドを突き、スピンを使って左中間へ飛び込んだ。コンバージョンも決まり、31×29。

 37分、慶應はノットロールアウェイのPKを得て、残り5メートルでラインアウト。2点リード、ここで取り切って勝利を確実なものとしたかったが、近場オンリーで攻めた10次、左サイドを突いた途中出場の右PR八木悠太朗から手渡しでもらってすぐ左で縦に出ようとした西出が、岡田のジャッカルに遭った。ノットリリースザボールのPKによりハーフウェイ手前まで地域を戻した早稲田は、ラインアウトを起点にボールを動かして連続攻撃。7次、9−10−15−8−7の左展開で敵陣10メートルまで入ったあと、右へ折り返して9−3の右。千葉が敵陣22メートルへゲインしたのが大きかった。ここでラインオフサイドのPKを得てアドバンテージ採用後、早稲田はショットを選択する。場所は中央。成功してあたりまえの位置は逆に緊張して外しやすい、とよくいわれる。しかし、横山がポスト間をきっちり射抜いてPG成功。31×32となったところでフルタイムの笛が鳴った。劇的な逆転勝利に喜ぶ早稲田、敗れて悔し涙にくれる慶應。スタンドからは、明暗くっきりと分かれたピッチ上の選手たちを称える大音量の拍手、歓声が轟いた。




 ゲームの流れは行ったり来たり、そのあいだに両者が点を取り合うという試合展開だったが、慶應の敗因を挙げるなら、前半に1点ビハインドで折り返したことだろうか。早稲田にオブストラクション(前半8分)、ヘルドアップインゴール(同10分)と仕留め切れない場面があったけれど、そこへ至る前に、早稲田のアタックで接点の2人目が遅れていて、勝負すればボールを奪えそうなブレイクダウンがいくつもあった。スローダウンもできただろう。慶應はアンストラクチャーのパス回しに優れるチームなので、ターンオーバー後の切り返しでチャンスを創出する展開がまじっていれば、流れがまた変わったのではないだろうか。明治戦でも感じたことだが、ブレイクダウンを見切りすぎる傾向がある。この判断を磨きたいところだ。後半はブレイクダウンにいくらか積極的にはなったが、早稲田が前半とは異なり、前方のリードランナーにボールを持たせてきたのに対応し切れず、コンタクトそのもので食い込まれる場面が多くなった。あと、早稲田を下げさせるキックをもう少し蹴りたかった。アタックは縦と横をバランスよく組み合わせ、及第点。ディフェンスはFWフェーズに対しては前へ出て、横の動きにはドリフトでタッチへ追い込んでいくというスタイルで、穴を作らないという点では早稲田より上を行っていたと思う。

 今季の内容を鑑みるとほぼイーブン、戦前の印象では慶應のほうが若干強いのではないかと考えていた。そんな中、早稲田が快勝するストーリーも実はあったと思う。横山と藤田の復帰により、4年前の早慶戦でSO小倉順平(現NTTコム)、FB井口剛志(現神戸製鋼)が初めて同時に出場、慶應が2人をいっぺんにマークし切れず、どっちつかずの状態に陥った結果、早稲田が大勝したゲームの再現をチラっと想像したのだ。むろん、当時ほど両者の力に差がないので、点差が空くといっても25点以内に収まるとは思っていたけれど。蓋を開けてみると、横山と藤田にマークが集まる所から裏のプレーを使ったり、他のBKがワシャワシャとリンクしていくような場面はほとんどなかった。つまり、彼らはまだ完全にフィットしているわけではない。しかし、今までどこにでも顔を出して何もかもを1人でやろうとする姿が、感銘も呼び起こすも痛々しかったキャプテン、岡田の負担が軽減。岡田が真の意味でのユーティリティープレーヤーになって効くプレーをした。横山と藤田はこれから他の選手との連係もあってくるだろうし、そこで再生される実力者・岡田というのが、次の明治戦におけるキーポイントとなるだろう。先述したように前半、ボールを動かす際は後ろのBKオンリーだったのを、後半は組み立てを変えてFWのリードランナーに放してクラッシュさせた。今までここでFWのパスムーヴを企てる面があったけれど、単純に縦を思いっ切り突かせたのがいい。強くてパスも巧いという万能バックローみたいな選手がFWに8人揃っているのならいいが、今年のチームは役割分担をはっきりさせたほうが好結果につながるとみている。ゴール前で狙うフィールドモールも効果的。ただ、組織ディフェンスは見直す必要がある。隣り合うディフェンダー同士の連係がよくないし、外へ飛ぶのも速く、内側が空きがち。ラインアウト後方とBKラインのあいだにもスペースがある。個人的MOMは千葉としたい。スクラムを優勢に組めたし、フィールドモールで核となるのは千葉のピックでもある。そして、なんといっても、サヨナラPGへ結実するラインオフサイドの反則を誘発した後半41分のゲインが値千金だった。

付記 本文中、選手名の敬称は省略としました。


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