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zoom RSS FWとBK一体の猛攻 破壊力抜群の明治、慶応を一蹴!〜関東大学対抗戦 第9節

<<   作成日時 : 2015/11/04 06:00   >>

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画像 1日、秩父宮では関東大学対抗戦第9節の2試合がおこなわれた。11月第1週、秩父宮に早慶明帝の4チームが集結すると、大学ラグビーシーズンたけなわを感じる。今回は第1試合の明治vs慶應戦をメインに記すが、その前に第2試合の帝京vs早稲田戦について触れておく。帝京が早稲田に92×15の記録的大勝を収めた試合は、帝京が挙げた14トライのうち、10トライをWTB、竹山晃暉(11番)と尾崎晟也(14番)が挙げた。帝京がいかに外へスペースを作り出したかが、これだけでわかるというもの。内側に防御を集めて外へボールを運ぶプランがうまくいっていたけれども、帝京は内側の崩し方が多彩だった。ショートパスで通常はギャップと呼ばない防御間を抜く、あるいはシャローでまっすぐ前へ出る早稲田の防御に対し、アングルチェンジでコンタクトの芯を外すハーフブレイク、そしてSO松田力也が肩のラインをゴールラインと平行にしてクラッシュを匂わせ、外へのスライドを遅らせてパスを放すといった具合。また、毎年のことではあるが、各選手がまじめにプレーする姿に好感を抱いた。リザーブから出場する選手は、大量リードとは無関係に、自分のラグビーを表現したい思いを胸にピッチへ入ってくる。先発メンバーに気を緩める人間がいると、リザーブ組はベストのプレーができないだろう。しかし、帝京にはそういうことがない。僕は大差で負けているチームに対し、それでも全力を尽くせ、結果、つながったボールを手にした仲間が何かに気づくことがあるから――と思っている。だが、それは大勝しているチームにもいえることなのだ。僕が帝京に敬意を払うのはその点に尽きる。課題を挙げると、モールアタックとモールディフェンス、スクラムがまだ7〜8割程度の仕上がりに映ったことだろうか。ただ、近年の戦いを見る限り、ここはシーズン終盤にピークを持ってくる部分なので、心配はいらないかもしれない。13をかぞえた反則については、きわどいプレーをする上級者ならではという部分を感じたとはいえ、レフリーとコミュニケーションをとりながら減らしていく努力をしたい。ピックアッププレーヤーとして、右FL亀井亮依のハードワークを特筆しておく。

 敗れた早稲田については今回、帝京と比較する相対評価ではなく、早稲田のみにスポットを当てた絶対評価を書きたい。フラットパスを駆使、接近プレーでディフェンスラインを切り裂く攻めと、フィールドモールに好感。前者は3フェーズくらいでキックに切り換えざるを得ないケースが大半だったが、迷うことなく1つのスタイルを遂行したことに意味のあるゲームではなかったか。今のメンバー構成では、パッサーとクラッシャー、下働き役を分けたうえで、浅いラインのパスムーヴを軸に据えて攻めたほうがいい。15人が万能でありたいという気持ちはわかるけれども。


    ~~~~~~~~~~

 【○明治大学42×10慶應義塾大学●

 前半1分、慶應はSO矢川智基がキックオフサイドのPGを決め、3点を先制した。しかし明治は7分、慶應の左CTB青井郁也のキックをbW松橋周平がチャージダウンし、ボールを拾ってそのまま左中間へトライを挙げて逆転すると、左CTB梶村祐介のリスタートキャッチからノーホイッスルトライを追加する。梶村が右ショートサイドのミスマッチを狙って慶應の左PR加藤宏の外側をスワーブランで抜け、タッチ際をシャトルする右WTB成田秀平へパス。敵陣へゲインした成田が左へ戻して右FL桶谷宗汰、そして内側を走り続けた梶村がもう1度、ボールを手にする。9分、梶村があっというまに右中間へ駆け込むトライを挙げ、FB田村煕のコンバージョンも連続成功。14×3とした。

 明治は12分、キックキャッチの2次、9−10−15と左展開し、田村が空いていた右奥へクロスキックを蹴った。視野の広さを物語る好プレーである。このキックが好タッチとなって慶應を自陣22メートル内へ後退させ、松橋がラインアウトをタップでスチール。すぐに左へ回してチャンス到来を思わせた明治だったが、走り込んだ右CTB松浦康一へ放した梶村のショートパスにスローフォワードの判定が下った。しかし19分、明治は梶村が再び見せ場を作る。相手ハンドリングエラーのボールを自陣で獲得、敵陣10メートルまでゲインし、そこからキックを蹴った。前日のW杯決勝の終盤、オールブラックスのFBベン・スミスの切り返しを想起させるプレー。チェイスの左WTB紀伊皓太はボールを拾ってトライとはいかなかったものの、捕球した慶應の左WTB佐野航太をタッチへ押し出す好守備を見せる。ただ、梶村がキックを蹴る直前、紀伊が内側へスイッチで入ってタイミング良く梶村からパスをもらえば、即トライの可能性があった。明治はこの敵陣22メートル内のラインアウトスローが曲がり、相手ボールのスクラムとなったが、相手タッチキック後、敵陣10メートルと22メートルのあいだでラインアウトとチャンスが続く。2−5−9−10−12−8の右展開で松橋がアングルチェンジ、右チャンネル1でHO中村駿太が縦を突いたあと、9−10−15−11の左展開でフィニッシュする。ラックの真後ろにいたSO堀米航平が正面を向き、ランを匂わせた間合いを作ってパスを放したのは好プレー。そして、田村が防御を3人寄せてからオフロードパスを放す。21分、紀伊が左中間へトライ。コンバージョンも成功し、21×3となった。

 慶應は24分、オフサイドのPKを速攻してノット10メートルの反則を誘い、残り5メートルの位置でラインアウトの追撃機。左LO辻雄康にスローを合わせたモールから9−13の左、右CTB田畑万併がユニットで突っ込んでいった。梶村に阻まれたヘルドアップインゴールののち、5メートルスクラム。スクラム時にbWへ回る7番、鈴木達也が9、7に捕まった際、明治にハンド。27分、再び残り5メートルのラインアウトでトライを狙う慶應は、辻がジャンパーとなるドライビングモールでHO佐藤耀が右中間へグラウディングを果たした。このモールはプラットフォームがきっちりできていて、とくにフロントリフターのbW高家章徳が、手の長い明治の右LO小林航の前へ入って仕事をさせなかったのが素晴らしかった。ゴールも成功、21×10とした慶應だったが、次にスコアしたのは明治。敵陣10メートルのラインアウトから右へ展開、梶村の左リターンパスをもらった桶谷が前進したのを皮切りにボールを動かし、タックルを受けたボールキャリアが常に前へ出て主導権を握った9次、ピッチ左のラックから9−8と右へ回して仕留める。31分、角度を変えて走り込んだ松橋が左中間へトライ。ゴールの2点を併せ、28×10となった。

 35分、矢川が右裏へ蹴ったグラバーの好キックによって蹴り勝った慶應は、敵陣22メートル内でラインアウトを得た。辻がスローをキャッチしたモールから、あいだにデコイランナーを挟んで9−10の左。右に佐野がリンクする中、矢川がパスダミーで突破を図る。明治は堀米がタックル、右PR祝原涼介がジャッカルしてターンオーバーした。フィールドプレーに優れる祝原の本領発揮である。それでも慶應は36分、キックキャッチから左へ展開した明治、堀米に左FL廣川翔也が詰めて桶谷へのパスを前方へ流れさせ、敵陣22メートル中央でスクラムのチャンスをつかむ。明治にアーリープッシュの笛が吹かれると、FKを速攻。ノット10メートルのアドバンテージが採用されたあと、残り5メートルやや左の位置でスクラムを選択した。ワンパスの縦を繰り返してインゴールをうかがう慶應。明治は力強いコンタクトで抵抗し、9次、右チャンネル1の辻を止めたポイントでカウンターラック。ターンオーバーに成功し、防御の薄い左へ展開して田村が裏へ抜けた。田村にスイッチで紀伊が入り、一気に敵陣10メートルへ。そこから9−15の右、また田村がボールを手にし、後ろにサポートした紀伊が敵陣5メートルへ肉薄する。19分に梶村が突破した場面の紀伊について(結果、キック処理の佐野をタッチへ押し出す好プレーでチャンスにはなったが)、内側へボールをもらいに来ていれば最良だった旨を記した。この場面については文句なしで、本人も次はもっといいプレーをしようと期するものがあったのではないだろうか。2フェーズ後、オフザゲートのPKを得た明治は前半のラストワンプレーの41分、残り5メートル左でスクラムを選択する。明治にこのシチュエーションがなければファンは納得しないだろう。しかし、こぼれ球を拾ったSH浜野達也が左へ放したパスが紀伊に合わず、ボールはタッチの外へと転がっていた。

 命拾いした慶應は後半2分、青井が右裏へキック。明治は田村がトラップして処理しようとしたが、前方へ転がったボールを左FL田中真一が拾うオフサイド。レフリーの川尻竜太郎さんの笛が一瞬遅れたのは、ふだんブレイクダウンだ、スクラムだ、と込み入った局面の講習を積み重ねている分、一般プレーの簡単なオフサイドへ瞬時に反応できなかったのだろう。それに、こういう初歩的なオフサイドを堂々とやられると、一瞬正当なプレーと勘違いしてしまう。一方通行の道を逆走してきた車を見て、自分のほうが間違えて逆走していると思ってしまうのと似たようなものだ。とにかく、慶應はオフサイドのPKにより、残り5メートルでラインアウトの絶好機。しかし、明治は小林がスチールした。慶應はキック処理のFB金澤徹がカウンターラン、左ショートサイドの青井へ放したが、このパスがスローフォワード。チャンスが潰れた。

 慶應は7分、敵陣10メートル過ぎのラインアウトを起点に連続攻撃を仕掛ける。11次、9−10の左で右リターンパス、左PR加藤宏の前が空いていて突破が叶いそうだったが、ノックオン。その後、膠着した時間が続いたのち、15分、明治はオフザゲートのPKにより、敵陣22メートルでラインアウトのチャンスを迎えた。ジャンパーの次にFWを1枚噛ませてパスをもらった浜野に対し、慶應は廣川がタックル。すぐに立ち上がって乗り越え、ボールの真上というより前方へせり出していった動きはブレイクダウンのお手本である。ターンオーバーした慶應だったが、4フェーズ後、SHへ入っていた中鉢敦の球出しが浜野に潰されると、自陣の攻めを諦めて矢川がエリアキックへ切り替えた。明治は田村が左奥へ好タッチキックを蹴り返し、17分にはクイックスローインから右→右→左とボールを動かして残り5メートルへ肉薄。3フェーズ目、折り返しの9−10−2−4、ピッチ中央で中村が見事にオフロードパスをつないだ。左LO東和樹が金澤に止められたものの、アンストラクチャーの局面でインサイドブレイクが叶えば、攻撃側は防御の薄い所を選んで攻めればよい。チャンネル0を1つ挟み、9−10−11の左展開でフィニッシュした。18分、フラットパスをもらった紀伊が左中間へトライ。

 コンバージョンも決まり、35×10、勝敗の行方はほぼ決した。明治は30分、ノットリリースザボール、オフサイドと連続PKを得て残り6メートルでラインアウトの絶好機をつかむ。モールを皮切りに1〜2パスでフェーズを重ね、9次の右展開で田村がパスを巧く開いてもらった。右にいた成田へ放せればというところだったが、右WTB染原健人の追尾タックルを受けて落球。相手タッチキック後、敵陣22メートル内のラインアウトでノットストレート、直後のスクラムでコラプシングとセットピレーのミスが続いて撤退を余儀なくされたものの、慶應の反撃を堅い守りでしのぐ。36分、ハーフウェイ右のスクラムを起点に明治は連続攻撃。この局面は慶應の前へ出るタックルを警戒したのか、少し深いラインを敷いて攻めていた。ハイタックルのアドバンテージが採用された40分、明治は敵陣22メートル内でラインアウト。小林がスローをキャッチしたモールから途中出場の右PR田代頌介が左サイドを突いたポイントで慶應に倒れ込みの笛が吹かれると、桶谷がクイックタップで縦。左PR植木悠治がチャンネル0へピックして防御を内に集めたあと、21−12−10−23と左へ振ってフィニッシュした。41分、左WTBへ入っていた林祥太郎が内へステップを切り、左中間へトライ。ゴールも成功し、42×10として最後を締めた。




 慶應はコンタクト局面で食い込まれたのが主たる敗因。ただ、前へ出られてもやれることはある。接点の2人目のプレーヤーの所作に問題があった。明治の2人目の寄りが特別に速いわけではなかったので、サクッと絡む、倒れたボールキャリアが股下を通して後ろへボールを送ろうとしているのならさっさとポイントを乗り越える……この状況判断が適切にできていれば、もう少し抵抗できたのではないかと思う。この1戦をふりかえって、タックルはもちろんのこと、もう1度、ブレイクダウンを点検するといいだろう。アタックは明治の防御のプレッシャーに負けた感。キックレシーヴ、ターンオーバー後のアンストラクチャーの局面を得意とするチームではあるが、明治がカウンターしやすいキックをあまり蹴ってくれなかったし、ブレイクダウン・ターンオーバーは4(明治は7)と少なかった。セットピースがまずまず安定していたのは収穫だが。

 明治は好内容。BKにタレントが揃っていてスピードがあるうえにパスが巧く、キックカウンター等、アンストラクチャーの局面に強さがある。また、道中のアタックはFWとBKの強いランナーが内側へのアングルチェンジを意識し、田村が逆に外へ開いてもらうという形が嵌まっていた。また、視野が広く、キックコントロールに優れる田村がいる分、蹴り合いになると、最終的にエリアを制してもいた。FWがハードワークをし、ファンタジスタ系のFBに、堅実なSO、突破力あるランナーが揃うBKが一体となって繰り出すアタックは、どことなくワラビーズを彷彿とさせる。ディフェンスはしっかり前へ出て、慶應にゲインラインを越えさせない場面が目立った。ピックアッププレーヤーは田村か、仕事量の多さを評価して中村か、ここ一番で得点に絡む働きがあった桶谷&松橋か、抜き時を見逃さない梶村か、迷うところではあるが、今回は紀伊とする。先に記したとおり、前半18分、梶村のキックをチェイスし、捕球した佐野をタッチへ押し出したのは好プレーだったけれど、実は内側へ行って梶村の所へボールをもらいに行くほうがベター。同40分、ターンオーバー直後のアタックでは、ラインブレイクの田村にきっちりスイッチで入り、次フェーズでもボールを手にしてビッグゲイン。2トライもさることながら、このプレーに心を打たれた(その後、残り5メートルで選択したスクラムをトライへつなげてほしかったが……)。紀伊は腰が強くて重心が低い。きっちり止めようと思えば、相手は紀伊よりも重心を低くしてタックルしなければならない。171センチ、サイズの小ささをむしろ利とするタイプで、大型選手が並んだ隙間へ突っ込ませると面白いプレーヤーだ。今後、そうしたオプションを加えてもいいし、紀伊自身、そうした場面を求め、個人の判断で内側へボールをもらいに行ってもいいと思う。

付記 本文中、選手名の敬称は省略としました。


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