ワンダーランド・なぎさ亭

アクセスカウンタ

zoom RSS 同志社、前へ出るタックルが冴える 天理との決戦を制して8季ぶりの優勝〜関西大学Aリーグ 第7節

<<   作成日時 : 2015/12/12 05:55   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

画像 5日、西京極ではここまで6戦全勝の天理と、1敗で追いかける同志社の1戦がおこなわれた。同志社が勝てば両者が6勝1敗で並び、当該チーム同士の勝ち負けで順位を決定することになるので同志社が逆転優勝という、まさに大一番、天王山の1戦だった。結果は同志社が勝ち、8年ぶりの関西リーグ制覇。途中、入替戦へ回るシーズンもあったし、低迷していたという形容に間違いはないだろう。でも、ディフェンスに甘さを感じることが多々あったとはいえ、最後には好チームに仕上がっていることが多かった分、僕自身にはチームが錆びついたという印象はまったくなかった。

関西リーグの最終戦が天理といえば2012年シーズンも同じだった。この年、天理はすでに優勝を決めていて、同志社は5位以内の大学選手権出場がかかっていた。大方の予想に反して同志社がリードして終盤を迎えたものの、終了間際、同志社はミスでボールを失い、天理に逆転トライを喫して敗北。表彰式が終わったあと、花園の南側スタンド寄りのインゴール、クールダウンの場には、大学選手権出場を逃した同志社のメンバーの嗚咽が響いていた。才田智キャプテンが感激の男泣きにくれる姿を画面で見ながら、僕は3年前、師走の夕陽に包まれた涙を思い出していた。


    ~~~~~~~~~

 【○同志社大学13×10天理大学●

 前半0分、天理は相手ハイパントキャッチの右WTB久保直人のカウンターランをきっかけに敵陣へ攻め込んだ。しかし6次、敵陣22メートル中央のラックから9−10の左、SO王子拓也が裏へ出かかかった所でハンドリングエラー。同志社は2分、天理が敵陣10メートルのラインアウトを起点に攻めた2次、9−10−15の右展開を止めたブレイクダウンでファイト。ターンオーバーに成功して右へ2パス、SO渡邉夏燦が右奥へキックを蹴って地域を制し、4分には敵陣10メートルと22メートルの中間でラインアウトを得た。7次、9−10の左、渡邉が縦に仕掛けて右リターンパス、左PR海士広大へつないで残り10メートルへ迫る。渡邉は次フェーズ、9−10の右でもハーフブレイク。押せ押せの同志社だったが、10次、9−7−15−11と左へ振った際、タッチ沿いでカバー防御に来られた左WTB氏家柊太が右へ戻したパスが、天理の右CTBジョシュア・ケレビに入ってしまった。ケレビは右裏へロングキックを蹴って自らチェイスする。同志社はケレビがボールを拾った瞬間、左CTB永富晟太郎が追尾タックル。落球させて事なきを得た。しかし、ケレビのキックがモノをいって、6分、天理は敵陣22メートルでラインアウトのチャンス。ところが、前へ出るディフェンスの圧力を受け、6次、9−10−5の右展開で右LO吉崎隼人がノックオンした。8分、このスクラムから8−9、大越が右奥のスペースへ好キックを蹴った同志社は相手タッチキック後、敵陣22メートル手前でラインアウト。左オープンへ振った3次、右CTB林真太郎のパスが低く、FB崎口銀二朗がノックオンしたものの、渡邉がスクラムに始まる天理の2次、9−13の左、ケレビをノックオンさせる好守備。直後のスクラムで天理をコラプシングに陥れた同志社は13分、渡邉がPGを決め、3点を先制した。

 このリスタートを同志社は左FL丸山尚城がノックオン。14分、敵陣10メートルと22メートルのあいだ左端でスクラムを得た天理の連続攻撃に対し、同志社は果敢にラッシュするディフェンスで対抗し、激しいコンタクトを繰り返した。17次、9−11の左、左WTB井関信介には右WTB松井千士と渡邉がダブルタックル。渡邉がボールへ行ったことにより、井関がノックオンした。18分、同志社はハンドのPKによるハーフウェイのラインアウトでスローが合わず、天理のSH藤原恵太にルーズボールを奪われ、3フェーズ後に9−10−13の右展開で林がケレビにスワーブで抜かれたものの、直後のピック&ゴー、FB東口剛士のポイントでカウンターラック。ターンオーバーに成功し、オフサイドのアドバンテージが採用された20分、敵陣22メートル手前でラインアウトの好機をつかんだ。しかし、HO東大樹のスローが曲がってしまう。天理はピッチ右のスクラムから9−10−13−15と左へ展開した。防御に接近して放す王子のパスは、やまのべ界隈で三輪そうめんを食べて育った人という感じ。ところが、東口が、スライドしてきた林の姿が目に入ったのか、プレッシャーを感じてノックオンしてしまった。22分、敵陣22メートル手前右でスクラムと再びチャンスを迎えた同志社だったが、ボールコントロールミス。天理は藤原がこぼれ球を拾ってゲイン、bWファウルア・マキシにオフロードパスをつないで敵陣10メートルへ進んだ。そこから9−10−13−15と右へ振る。ここは数的優位ができていたので、東口はすぐにパスを放したほうがよかったかもしれない。直後、9−10の右で王子がノックオンし、天理のチャンスの芽が潰えた。

 24分、天理は東口が渡邉を背走させるキック。渡邉が捕球後にタッチラインを踏んだことにより、敵陣22メートルを越えた位置でラインアウトを得た。ムーヴを入れて手前に回り込んだマキシへ投入。しかし、HO藤浪輝人のスローにノットストレートの笛。ピンチを脱した同志社は25分、相手ハンドリングエラーによりハーフウェイ付近でマイボールとし、右順目へBK展開を2フェーズ。そこからFWのクラッシュを中心に攻め、敵陣22メートルへ入っていった。9次、後ろを通した9−10−12の右展開で永富晟が右斜めランで防御を切り裂き、27分、右中間へトライ。内側のディフェンダーから逃げる角度で走り込む流れ込み……フィニッシュに至りやすいケースではあるが、SH大越元気が後ろを通し、縦の仕掛けが得意な渡邉がスペースでボールを手にしたことにより、天理の防御が詰めるのかスライドなのか、一瞬迷った雰囲気があった。

 渡邉のコンバージョンも決まり、10×0とした同志社は31分、倒れ込みのPKによる敵陣22メートル手前のラインアウトから、2−4−9−10と右へ回した。天理は藤原が渡邉に刺さり、右FL島根一磨がジャッカル。相手ボールの動きに合わせてノミネートをズラし、2人目の絡みも速いという、ラインアウト起点の攻めに対するお手本のようなディフェンスでノットリリースザボールのPKを得た。そして32分、天理はハンドのPKにより、敵陣22メートル手前でラインアウト。しかし、スローが乱れ、ボールは同志社に入った。同志社は渡邉が右裏へキック。やや不規則なバウンドになったボールの確保にまごついた東口がエラー。マイボールとした同志社は大越が右奥を狙ってキックを蹴った。これがディフェンダーに当たり、チェイスにほどよい飛距離となった松井が獲得。左チャンネル1、bW秦啓祐がクラッシュする。天理は左FL李淳也が秦を止めたが、オフザゲートをとられた。35分、同志社はショットを選択。このPGは左へ逸れて不成功に終わったものの、ドロップアウトのキックを敵陣10メートルで渡邉がキャッチして再攻撃の同志社は3次、9−12−15−13の左展開で林が左斜めに走ったあと、右チャンネル1を挟んで大越が逆目の左ショートサイドへさばいた。9−15−11、氏家がステップを駆使して前進し、残り10メートルへ。折り返しの右チャンネル1でレフリーはラインオフサイドのアドバンテージを告げる。右サイドへ仕掛けた大越が前方の味方と接触した所でアドバンテージ採用。37分、渡邉がPGを決めて13×0、同志社がリードして前半を折り返した。

 後半、天理はキックオフリターンで連続攻撃。前半は同志社の前へ出るディフェンスの圧力に負け、ハンドリングエラーを10回も重ねていたが、この局面はミスなしで敵陣奥へ攻め込んだ。そしてハイタックルのPKを得た2分、残り7メートル中央の位置でスクラムを選択する。マキシが右8単。同志社は大越がボールへコンタクトし、ノックオンを誘う好守備で当座のピンチを逃れたが、以降、天理はキックカウンターを2度。主導権を握り続け、7分には左中間奥のラックから李が左サイドへ捻じ込みのトライを企てた。ところが、ダブルモーションのノットリリースザボール。その後、こぼれ球のターンオーバーの応酬などで一進一退の攻防が続いたのち、11分、同志社は蹴り合いを経て崎口が右裏へハイパントを上げた。落下点付近でどういうわけか、大越が後退する意思を示さず、ノット10メートルバックのオフサイド。12分、天理は敵陣22メートルでラインアウトのチャンスを迎えた。2−5−9−10−8のフラットな右展開でマキシがクラッシュしたのを皮切りに連続攻撃。前半よりはボールキャリアが前へ出られてはいたが、大きなゲインはなく、11フェーズ目、左サイドを突いた右PR木津悠輔のノックオンで好機が潰れた。

 15分、同志社は天理がキックキャッチから右へワンパス、カウンターランを仕掛けてきた東口に丸山が刺さった。氏家、右FL野中翔平らが乗り越えるカウンターラックでターンオーバーし、大越が右裏へキックを蹴る。松井が快速を飛ばしてチェイス。大きな見せ場が訪れたが、走り出した位置が大越よりわずかに前方でオフサイドの笛。再び敵陣22メートルへ進出した天理はラインアウトスローを左LO山田有樹にタップでスチールされたものの、キックキャッチの東口から14−12と右へ回し、左CTB金丸勇人が敵陣10メートルへゲインして再攻撃。3次、9−10の左で王子が右へリターンパス、井関が前進した。そして、秦のタックルに止められたラックから9−13の右。ケレビが防御間のギャップを狙ってズレ、林をタックルブレイクして裏へ抜けた。17分、ケレビが右中間へトライ。13×5とした(ケレビのコンバージョンを不成功)天理は23分、自陣のキックキャッチを起点にカウンター攻撃。24分、ラックアンプレイヤブルで仕切り直しとなった自陣10メートルやや右のスクラムを起点に、一発で仕留める。マキシが右8単、2人のディフェンダーを引きつけたタイミングで右ショートサイドへパスを放し、タッチ沿いに道ができた久保がゲインする。久保はカットインのフェイントを入れて最後の砦、崎口も置き去りにし、右中間へ飛び込んでいった。1番側が前へ出て右サイドアタックはセオリー的に苦しいスクラムだったけれども、フッキングがスムーズで素早くボールを持ち出せた分、すれ違いに近い形でマキシが前へ出られたのがよかった。

 13×10(ゴールは不成功)。引き分けでも優勝の天理が3点差に詰めて緊迫感が高まった。天理は31分、ラック成立のハンドのPKにより、敵陣10メートルと22メートルのあいだでラインアウトのチャンスをつかみ、ワンパス中心の攻め。しかし9次、後ろを通して9−11と右へ回した接点のこぼれ球を奪われてしまった。同志社は渡邉が左裏へキック。バウンドしたボールを処理、ステップを切ってランで仕掛ける久保を氏家が引きずり倒し、FBへ入っていた永富健太郎がジャッカル。ノットリリースザボールのPKを得て33分、残り5メートルでラインアウトの絶好機を迎えた。近場を攻めた3次、フィールドモールを狙いにいったが、組み切れず、3次、右サイドを突いた山田のポイントへ途中出場のbW倉本吏哉が倒れ込んでしまう。35分、天理は自陣22メートルでラインアウト。ところが4次攻撃へ移行する所でパスアウトの藤原が倉本に潰され、タックル成立のノットリリースザボール。37分、敵陣22メートルを越えた位置のラインアウトを起点に同志社はチャンネル0を攻めて時間を稼ぎつつ、うまくいけばダメ押し点を狙う構え。39分、右PR才田智が左サイドへピックしてフィールドモールを組んだ。ここで天理は右PRへ入っていた原健将がコラプシング。PGを狙う手もあったが、インジュリータイムを計算した同志社は安全圏でない6点差にするのではなく、残り10メートルのラインアウトでもう1回、時間を遣う選択をした。むろん、トライを取れればいうことなし。だが、天理は左LO西川太郎がミドルボールに対して手前で飛び、乾坤一擲のラインアウトスチール。反撃へ転じた。自陣10メートルで左ショートサイドへ21−20と回した7次、途中出場の左FL中野真仁が倉本と才田にタッチへ出されたものの、中野は直後、同志社のラインアウトモールを割っていく。ともに中を割ったマキシが相手ボールへ絡み、ターンオーバー。天理は最後の攻撃を繰り出した。両チームを鼓舞する声援が飛び交う中、44分、天理は9次攻撃で21−10−23と右へ展開。しかし、右CTBへ入っていた強力なペネトレーター、モセセ・トンガが林のタックルを受けてノックオン。ここで試合終了の笛が鳴る。同志社が天理を下し、8年ぶりの関西リーグ制覇を果たした。




 先に記したように天理が前半に記録したハンドリングエラーは10。リズムをつかめず、そのあいだに13点のビハインドを背負った。後半のハンドリングエラーは3。ミスが減って追い上げることができた。修正できているなと感じたのは、王子に対するリンクプレーヤー。パスをもらった瞬間、加速できる姿勢ができていて、連係が合っていた。この局面で前へ出られるようになり、アタックにテンポが出た。順目オープン一辺倒ではなく、ところどころにリターンパスを交えていた点にも好感。後半は押し気味にゲームを進めたといえるが、あと1歩、及ばなかった。ただ、チームの完成度は高い。ディフェンスもリロード(倒れてから立ち上がる動作)が良好で、スペースを埋める速さは関西勢の中で1、2と感じさせた。あとはプレッシャーに強くなること。この敗戦を経た反発力に期待したい。

 同志社は果敢に前へ出るディフェンスで天理のミスを誘ったのが第一の勝因。後半、ケレビにトライを許しはしたが、マキシやケレビを特別に意識して2人、3人が固まってマークすることなく、1人1人がしっかり体を当てていたのが良かった。マキシとケレビに防御が寄ってしまうと、天理には裏のプレーで突破力のある金丸からバックスリーを使うパターンがある。激しく前へ出つつ、個々が責任を果たしたことにより、ディフェンスの統率が保たれた。あと、キックコントロールが良く、アンストラクチャー局面に強い天理にカウンターアタックの1次攻撃で連動させるようなシチュエーションを作らなかったのも勝因に挙げられる。キックに関しては、天理も松井を警戒し、不用意さを感じさせるものはなかった。また、ブレイクダウンターンオーバーは7(天理は1)と、接点の立ち回りも良好。端のポイントを奪い所と認識していたフシがあり、そこへ寄ったプレーヤーの2人目がしっかり立ってプレーしていた。スクラムも優勢。MOMは1トライを挙げ、好タックルもあった永富晟が選ばれた。攻守にフィジカルの強さを見せた林も効く存在。でも、個人的に目を奪われたのは渡邉だった。この試合のディフェンスは本当に素晴らしかった。1年前とくらべてもコンタクトの強さが全然違う。相手フロントスリーを分断するタックルに好感。ゲームメイクの巧さ、視野の広さを兼備するのは以前からだが、ここへきて、知性に逞しさが追いついてきた。旬を感じさせる。FWのハードワーク、BKのスピードにこのHB団の能力が組み合わされば、同志社は大学選手権でも面白い存在に違いない。対戦相手によって下馬評の有利不利はあるけれども、大方のチームに勝つ可能性を秘めていると思う。

付記 本文中、選手名の敬称は省略としました。


にほんブログ村

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
URL(任意)
本 文
同志社、前へ出るタックルが冴える 天理との決戦を制して8季ぶりの優勝〜関西大学Aリーグ 第7節 ワンダーランド・なぎさ亭/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる