途中退出~グレープバインで行こう・エアロビクスつれづれ(299)

 4月に入り、格闘技系ボディコンバットの振付が新しいものに変わった。さほどややこしいわけでもなく、やりすぎて飽きないように適当な間隔を置いて60分や45分のレッスンに出ればいいや、と思っている。気合いの入ったコンバットマニアの皆さんとくらべると、いまひとつぬるいスタンスなのは否めない

 そういう気持ちでいるので、この日、H店のラストレッスンに組まれたコンバットを見送った。その前のエアロ2連発で疲れていたのもあったし、筋トレやバランスボールを使ったトレーニングをやっておきたかったから。

 「なぎささん、全然出てくれませんよね

 スタジオ入口に立つ担当、MAMIKOが僕を呼んで言った。すまん。有酸素系のスタジオプログラムにばかり狂っているわけにはいかんのだ。

 トレーニングしながら、コンバットの様子を横目で見る。H店はカッコよく動ける人が多い。その中でひときわ目を引いたのがコンバット仲間の桟原氏。

 彼はコンバット専のフリーウェイ会員で近隣店舗はどこへでも出かけていく。スタッフが言うには本拠店にもときどき顔を出すとのことだが、めったにバッティングしない。先日のイベントレッスンの時、

 「今日○○(本拠店)に行ってきたんですよ。……なぎささん、○○にはほんといませんね~。どこ行ってるんですか?」

 と桟原氏に言われた。ムラ社会的色彩の濃い本拠店のスタジオは好きじゃないもので

 とにかく彼はいつも一生懸命、そばに立っているとつられるようにして動いてしまい、手を抜けなくなる。それがなんとも心地いいのだが、パンチもキックもきれいだなあ、と桟原氏のパフォーマンスを食い入るように見つめていた。……MAMIKOより巧いぞ。後日、そのことを伝えると桟原氏は、とんでもないです、というふうに手を振って謙遜していたが、コンバットの参加者にはイントラレベルへ到達する人がちょくちょくいる。№293に書いたように、僕もコンバットに関してはお褒めの言葉を頂くことがあるが、エアロと比較すると、きれいなフォームで動くのは比較的たやすいと思う。

 帰り、本屋に寄ってから駐車場にへ行くと、H店コンバットチームの隊長、工藤氏と出くわした。

 「なぎささんとこ(本拠店のこと)、今日は定休日やったなァ」

 なぎささんとこ……って、先の桟原氏の言葉に象徴されるように、もはや本拠店は会費の引き落とされ先というだけの存在のような。

 「うちのコンバットにもまた出てや~

 目一杯レッスンを盛り上げるうえに周囲の人に心やさしい。H店のコンバット好きはいい人ばかりだ

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 さて、本タイトル「途中退出」に関する記事である。コンバットの前は“スマイル”池上インストラクターの上級エアロ→“炸裂する伊丹節”伊丹インストラクターの2連発コース。ここに若い女の子2人組が参加し、スタジオ後方に陣取っていた。

 ウォーミングアップの動きをひと目見て、ちょっとこのクラスはしんどいやろなァ、と感じた。池上さんは笑顔を絶やさず、彼女たちに気を配りながらのリード。このあたりは実年齢より5歳は若く見える癒し系インストラクター、さすがである。問題は伊丹くんの中級エアロだ。

 伊丹くんのクセに慣れていない人だったら、この中級エアロは池上さんの上級エアロより難しく感じるはずだ。細かい足さばきが多く、百戦錬磨のツワモノが集まるクラスゆえ、レベルを上げてもいる。

 さすがに彼女たちは1ブロック目が終わったところでギブアップ。スタジオから出ていった。途中退出は禁止の決まりだが、仕方がないかなァ。僕だってたまに、池上さんにガツーンと動かされた疲労が残っている中、伊丹くんの独特の足クセコリオを見て、

 「もうそんなんやりたくない~

 と思うことがある。未熟者なもので。彼女たちを責めるわけにはいかない。

 エアロを嫌いになったりせず、これからも続けてみてね。こんなのは慣れだし、どうにも太刀打ちできなくて困った経験は僕もあるから。みんなが通る道なのだ(初級エアロで棒立ちになっていた頃が懐かしい。たいていの人は自分がひよこだった時代のことを忘れてしまっているものだが)。……って、妙にやさしいんだけど。レッスン終了後、彼女たちのうちの1人に、

 「お手本にしてやってました

 と言われて気分をよくしたから……ではない。若いエアロファンを増やして、これ以上レッスンが減らされないようにしないとね。

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