すばらしきイントラさんの世界~グレープバインで行こう・エアロビクスつれづれ(315)

 日曜日。予定していたスケジュール(スポーツ観戦)が新型インフルエンザの影響で中止になってしまった。こりゃあ、とりあえずはフィットネスクラブで自分の体を動かすべきだな、と思った。そうだ、ステップをしよう。が、本拠店で中尾インストラクターの中級ステップを受けるのもいいけれど、急に追っかけみたくなるのも気が引けた

 ……いい先生がいるではないか。“女王様”毛利インストラクター。毛利さんの厳しい言葉責めは修行の場にもってこいだ。エアロにおいて、マニアックな上級エアロへ食い下がれるだけの最低限の力量を僕に培ってくれたのは毛利さん、といっても過言ではない。中級ステップでも同じことをしてみよう。Q店へ行く

 「あら、久しぶり。ステップするん?」

 「最近ちょっと凝ってまして」

 「今頃になって?」

 「うん。せやけど俺、ステップはほんまあかんで。でも、目指すはスーパーステッパー

 「ハハハ。好きなこと言ってる。だったら前においでよ」

 そう言われはしたものの、遠慮して2列目へ。違う動きをしているとジロリと睨まれ、ややこしいステップで足をバタつかせていると、

 「何をしているのかなあ?」

 ステップ、と答えると、僕の前にいた女性がクスクス笑う。そのあとの中級エアロにも出て、女王様の世界をたっぷりと堪能した

 中級エアロでは、僕と、僕の隣にいたお姉さんが毛利さんの鋭いチェックを受けた。このお姉さんのことは、Q店の会員さんではいちばん上手だよなァ、といつも思っている。毛利さんの“攻撃”に、キャハハ、と娘っ子のような嬌声を上げていた。毛利さんの偉いところは、攻撃相手をきっちり選んでいること。クレームをつけてきそうな陰気な人に向かって女王様の本領を発揮することは、まずない。そして、初心者の人には懇切丁寧だ。スタジオレッスンを好きになってもらおうという気持ちが、ふんだんに表われている。昔、毛利さんの上級エアロに、中級エアロまでは出たことがあるが上級エアロは初めて、という女の子が来たことがあった。レッスン途中、毛利さんが彼女にこんなことを言った。

 「初めてのかた、自分だけできていないと思ってませんか? ううん、大丈夫よ。みんな大差ないから」

 ほかの参加者はズルッ。ホント、毛利さんという人は明るくてユーモアがあって、いい性格をしている。

 先日、エアロ仲間山口さんと喋っていて、毛利さんの話題が出た。

 「毛利さんの上級エアロの洗礼を受けた人って、みんなおもしろいですよね。レッスンを受けている時の表情が豊かで。ムスッとした顔の人なんか1人もいない」

 表情豊かな人……複数の名前が挙がる。

 「ムスッとしてやる方がおかしいやん」

 と山口さん。毛利さんには、エアロは楽しくやるもの、を無言のうちに叩き込まれるのである。

 新型インフルエンザの影響で、Q店はアルバイトスタッフの一部(休校中の大学、専門学校の学生さん)が自宅待機となっていた。おかげで社員スタッフが総出である。本社の経理部員までフロントに動員されていた。ご苦労なことだ。
 
 それ以外に、うちのクラブでは目立った影響は出ていない。しかし、前回登場の“地方都市のバスガイド”島田インストラクターは、とあるクラブでマスクを着用するように指示されたそうな

 「そんなの、息が苦しいよね

 そりゃそうでしょう。暑苦しいし。ここまでくると、本当に感染を防ぎたいのか、それとも会員に、うちはここまで徹底した予防対策をしています、とアピールしているのか、どちらかわからなくなる。いっそのこと、休館にすればいいのに。

 まあ、“濃厚接触”といえばこれ以上の商売はないと思われるフーゾクが堂々と営業しているみたいなので、フィットネスクラブがそれほど神経過敏になることもないのではないかな? うるさく騒ぎ立てるのなら、向ける矛先は他者よりもまず自分。感染が心配で夜も眠れないという人は、マスク着用のうえ、うがいと手洗いをこまめにおこないましょう

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