テーマ:しりとりエッセイ

経済効果→「彼氏」……………(しりとりエッセイ)

 彼氏という言葉を広辞苑に当たると、「①彼。あの人。からかいや親しみの気持を含めていう語。②転じて、恋人や愛人である男性の意」と記されている。そこには、昭和初期の新造語である、と由来が明記されていた。昭和初期というからおそらく、和服の服装習慣をやめて洋服姿で街を闊歩した当時の流行の最先端、モダンガールと呼ばれた女性たちあたりが彼氏という…
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ちゃん付け→「経済効果」……………(しりとりエッセイ)

 経済効果という言葉をよく聞く。新幹線開通やオリンピック招致の意義を説明するとき、新聞やニュースショーなんかで、経済効果は何百億といった話を耳にする機会が多い。  そのたびに僕は思う。経済効果を数値化しなければ物の価値がわからないのか、と。経済効果を一義的な指標にする風潮は危険だ。偏った見方を増長する可能性がある。  新幹線…
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街→「ちゃん付け」……………(しりとりエッセイ)

 〈アキコという名の女性が仲間うちで“アッコ”と呼ばれていたりする。メグミは“メグ”で、シンイチローは“シン”。僕はどうもこういった短縮名称、ってやつが苦手だ。ある程度うちとけた仲になっても、なかなか短縮できない。照れてしまう。〉  泉麻人さんのエッセイ『チトフナの男』(「地下鉄の友」講談社文庫所収)に以上のような文章があって、お…
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金玉→「街」……………(しりとりエッセイ)

 コンビニや外食チェーンの店が1軒もない街。今の時代にそんな場所は存在しないと思っていたら、関西の都心からさほど離れていない土地にあった。それはJR福知山線の篠山口駅から東へ約6キロ、篠山城跡の北側に広がる篠山の旧市街である。篠山口は大阪、神戸のベッドタウンの北のはてともいうべき所で、駅前やJRに沿って通る国道176号線、舞鶴若狭自動車…
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涙器→「金玉」……………(しりとりエッセイ)

 金玉フェチの女性は意外に多い、と知人の男が言う。女性と一緒にお風呂へ入って湯船に浸かっていると、彼の金玉を触りながら、気持ちいい、という感想を洩らす女性が多いのだそうだ。  僕たちがオッパイを触っていて気持ちいいのに似た、非日常的な独特の触り心地があるのかもしれない。また、この話を聞いて、湯船の中というのが肝なのではないか、と思…
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五郎丸→「涙器」……………(しりとりエッセイ)

 涙器。聞き慣れない言葉である。明鏡国語辞典には載っていないが、広辞苑には「涙を分泌する涙腺と、それを鼻腔にまで導く涙道との総称」とある。ここではタイトルが涙腺だと思って読んでいただきたい。涙腺とすると、タイトルをしりとりでつなぐ手前、末尾が「ん」で終わってしまって都合が悪いのである。  年をとると涙腺がもろくなる、とよく言う。先…
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流行語→「五郎丸」……………(しりとりエッセイ)

 当シリーズはタイトルをしりとりでつないでいく趣向である。「流行語」のあとに「五郎丸」とは、なんとも収まりがいい。なぜなら、2015年の新語・流行語大賞に「五郎丸(ポーズ)」がノミネートされたからである。すべては同年9月19日、ラグビーW杯で日本代表が南アフリカを相手に勝利するという、ラグビー史どころかスポーツ史上最大の奇跡をやってのけ…
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ズボン吊り→「流行語」……………(しりとりエッセイ)

 先日、インターネットで過去の新語・流行語大賞の一覧を眺めていた。第1回、1984年の新語部門に「特殊浴場」が入っていたことに、ちょっと驚いた。性的なサービスを伴う入浴施設はかつてトルコ風呂と呼ばれていて、在日トルコ人青年の訴えをきっかけに、この年に名称が変更された(当シリーズ「ソープランド」参照)。ただ、ソープランドではなく“お役所言…
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ウォーターボーイズ→「ズボン吊り」……………(しりとりエッセイ)

 小学生のころ、僕は1年中、半ズボンで過ごしていた。真冬も、である。子供は風の子というけれど、よくあんな格好で寒さに耐えていたと思う。だが、中学校へ入ると制服がある。詰襟に長ズボン。半ズボンを着る機会はなくなり、普段着も長ズボンになった。  僕が大学生になった時代には、半ズボンではなく短パンという言い方をされたけれども、このころの…
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自由→「ウォーターボーイズ」……………(しりとりエッセイ)

 「ウォーターボーイズ」はシンクロナイズドスイミングをする男子高校生を描いたテレビドラマ。のちに映画化もされた。女子専門の競技に男が青春を賭ける意外性が人気の一要素をなしていたと思うが、それは今、現実のものになっている。2015年から、男女混合のミックスデュエットが世界選手権の公式種目として採用されたのである。  メディアは滑稽味…
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女文字→「自由」……………(しりとりエッセイ)

 ふりかえってみれば、今まで僕は自由に結婚する権利をずいぶんと侵害されてきた。設楽りさ子(以下も敬称略)、渡辺典子、田中律子、小池栄子、吉岡美穂、山口智子、斎藤由貴、井川遥、佐藤江梨子、安めぐみ、関根麻里、山岸舞彩、TBSの女子アナである小倉弘子に同じく桝田絵理奈……結婚したかった女性の名前を挙げるとキリがない。  これを呼んで、…
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エロビデオ→「女文字」……………(しりとりエッセイ)

 書かれた文字を見れば、男が書いたものか、女が書いたものなのか、だいたいは区別がつく。筆圧の関係で曲線やはね方に男性性、女性性が表われるのだろうか。ただ、丸文字が流行った1980年代中期は、丸文字を好んで書く男子の文字に関しては性別の見分けがつかなかった記憶がある。もっとも、今となっては、丸文字の流れを汲むポップな字を書く人こそたまに発…
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じゃりン子チエ→「エロビデオ」……………(しりとりエッセイ)

 大学へ入って一人暮らしを始めたとき、エロビデオを存分に見られるぞ、と思った。  それまで僕はエロビデオというものを見たことがなかった。当然、興味津々である。入学式、オリエンテーション、最初の講義が終わってひと息ついたころ、さっそく近所のレンタルビデオ屋へ出かけた。まずは会員にならなければならない。  しかし、ここでいきなり…
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サテン生地→「じゃりン子チエ」……………(しりとりエッセイ)

 1981年春、アニメ映画として劇場で公開され、同年秋からテレビアニメで放映された「じゃりン子チエ」は、約2年間のテレビ放映が終わったあとも、関西地区ではフィルムがすり切れるのではないかという頻度で再放送されていた。物語の舞台が大阪の西成ということもあり、当時、「じゃりン子チエ」をノンフィクションだと思い込んでいた子供もいたくらいである…
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ジェンダー差→「サテン生地」……………(しりとりエッセイ)

 1970年代後半、女性アイドルの親衛隊(という言葉も死語に近いが)がよく蛍光色のサテン生地のはっぴを着ていた。また、79年夏以降、若者の風俗としてメディアに取り上げられた、東京の代々木公園へ日曜日ごとに集まり、ラジカセを持ち込んで音楽に合わせて踊る「竹の子族」のあいだでもサテン生地が大流行した。アラベスクやノーランズ、ボニーMの曲に合…
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ノスタルジー→「ジェンダー差」……………(しりとりエッセイ)

 2015年女子サッカーW杯で日本がアメリカに敗れ、準優勝に終わったあと、キャプテンの宮間あや選手が、  「女子サッカーの文化をもっと日本に根づかせたい」  という主旨の発言をした。  国内のなでしこリーグがもっと盛り上がり、女子選手がサッカーに専念できる環境が実現することを願っての発言であろう。前回大会で日本が優勝し…
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不精者→「ノスタルジー」……………(しりとりエッセイ)

 この稿を書いているのは夏。甲子園の高校野球が盛り上がりを見せていて、朝の6時40分に満員通知が出たと新聞にあった。もはや、ふらりと甲子園へ出かけることがままならない事態である。始発電車に乗ったとして、この時間に球場へ入ることができるのは阪神間とJR東海道・山陽線、大手私鉄の幹線沿いに位置する近隣都市在住の人に限られる。もちろん、中には…
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リムーブ→「不精者」……………(しりとりエッセイ)

 「地下鉄の友」(泉麻人著・講談社文庫)の『必殺仕切人』に、鍋料理や鉄板料理を前にすると周囲にあれこれと指図せずにはいられない人のことが書かれていた。コラムの締めは、こんなふうに結ばれている。  〈ところで、逆に不精者同士で鉄板に向かうというのも、それはそれで妙なもんだ。以前、TVガイド誌の記者をしていた頃、NHKの某ディレクター…
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ゴキブリ→「リムーブ」……………(しりとりエッセイ)

 リムーブというのは、ツイッターで、それまでフォローしていた人のフォローをやめることを意味する。  だいぶ前に、ネットメディアで、友人間において「リムーブするならブロックしてね」と頼む女子高生だか女子大生の話を読んだ。相手のアカウントを詳しく見れば、自分がフォローを外されたことがわかってしまうけれど、返信やリツイート等の個別のやり…
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稚児→「ゴキブリ」……………(しりとりエッセイ)

 1984年、近鉄バファローズ(現在はオリックスと合併)にドン・マネーという外国人打者が入団した。ところが、開幕直後から元メジャーリーガーの触れ込みにたがわぬ活躍を見せたものの、約1ヵ月で突然退団してアメリカへ帰ってしまった。  退団の理由は、自宅マンションにゴキブリが出るから、というものだった。  家にゴキブリが出たのをき…
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羞恥→「稚児」……………(しりとりエッセイ)

 ひとくちに稚児といっても意味がいくつか存在するが、ここでは寺院に召し使われた少年について記したい。仏教寺院では、平安時代から僧侶と稚児の男色関係が日常化していた。  日本に定着した仏教はもともと、女色も男色も禁じていた。しかし、寺院内が女人禁制となる中、同じ敷地内にいる男に対する情欲に甘くなるのは仕方のないことであろう。ただ、当…
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尻出し→「羞恥」……………(しりとりエッセイ)

 90年代後半、田舎から大阪へ遊びに来た高校生の従妹を連れて、なんばグランド花月へ出かけたことがある。  トリの新喜劇の前に、2人組の芸人によるコントがあった。このコントがちょっと(どころかかなり)しょっぱかった。同じギャグを延々と繰り返すばかりで、話がなかなか先へ進まない。くどい芸風に観客が飽き飽きし、劇場内には、早く新喜劇が始…
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思い出し→「尻出し」……………(しりとりエッセイ)

 昔のプロレスによくあった両者リングアウトという結末は味気なかった。観客から、アーアという落胆の溜め息が洩れるのが常。しかし、場外乱闘に気をとられすぎたレスラーが相手のタイツをつかんでリングの中へ戻させまいとする際、タイツをつかまれたほうのレスラーの尻が半分見えてしまうことがたまにあって、このときばかりは観客から笑い声が上がった。尻出し…
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好悪→「思い出し」……………(しりとりエッセイ)

 泉麻人さんのコラム集「地下鉄の友」(講談社文庫)の『不意な鼻唄』に、思い出し笑いについて書かれた箇所がある。そこには、仮に「何がおかしい」と尋ねられても、うまく説明できないような極私的なネタの場合が多い、と記されていた。  〈たとえば、さっき乗り換え駅の階段でつまずいて転んだサラリーマンの、転び際のウオーとかいう叫び声がおかしか…
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漫湖→「好悪(こうお)」……………(しりとりエッセイ)

 大阪の毎日放送ラジオで阪神タイガースの中継を聴いていたときの話である。ゲストに“ますだ・おかだ”の増田英彦さんが来ていて、リスナーからメールで意見等を募る企画が組まれていた。そこで、こんなお題が出された。「タイガースの次に好きなセリーグの球団はどこですか?」。  メールを送りはしなかったが、ラジオに向かって僕は、  「De…
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辻褄→「漫湖」……………(しりとりエッセイ)

 沖縄本島に漫湖という湖(実際は大きな池くらいの大きさか)がある。読みは何のひねりもなく、“まんこ”。エロ地名業界(?)の横綱ともいえる場所だ。あたりは公園になっていて、日本でもっとも早く桜が満開になることから、NHKの朝のニュースで中継されることもある。そういえば現在はフリーのキャスターとなってTBSに出ている膳場貴子さんがNHKにい…
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窮屈→「辻褄」……………(しりとりエッセイ)

 当欄にたびたびご登場いただく知人の現役フーゾクプレーヤーの話を聞いていると、フーゾクへ行く目的は単にいやらしいことをするためだけではないような気がしてくる。お嬢さんと楽しく会話することを重視しているフシがあるのだ。かつてNHKのドキュメンタリーでデリヘル嬢を話し相手として利用する客の存在が取り上げられていたけれども、かの業界は性欲処理…
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交尾期→「窮屈」……………(しりとりエッセイ)

 ずいぶん前の話になるが、札幌はススキノ、無許可で営業しているSMクラブに北海道警の捜査員が踏み込んだら、客としてプレイの真っ最中だったのは道警の警察官だった、という出来事があった。  これに対する反応は、しょうもない人間であるか否かを見分ける格好の“踏絵”だと思う。公序良俗を守るはずの警察官がけしからん、と責めるのはたしかに正論…
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ウンコ→「交尾期」……………(しりとりエッセイ)

 以前、最古の人類の化石が発見されたというニュースに関し、テレビでコメンテーターを務めていた国際日本文化センター教授・副所長の井上章一さんが、こんなことを言っていた。  「最古の人類の話題とは離れますが、私にはかねがね疑問に思っていることがあるんです。人間の先祖、猿には発情期があるじゃないですか。でも、人間にはない。その境目はどこ…
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台風→「ウンコ」……………(しりとりエッセイ)

 科学の発達によって将来、ウンコを食べることができるようになれば、食糧難や飢餓の問題は解決するのではないだろうか。  子供のころ、そんなことを考えた記憶がある。1980年くらいまでに生まれた子供には、日本が世界有数の技術大国へと駆け上っていく中、メディアが喧伝する科学万能主義やSFアニメの影響を受けたのか、バラ色の未来を描く傾向が…
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