大東&関東学院、いまだ勝ちなし 流経、全勝をキープして東海との決戦に臨む~関東大学リーグ戦 第10節

画像 関東大学リーグ戦は前年度優勝の流経、2位の東海が全勝街道を突き進み、2強を形成している。気かかりなのは関東学院、大東文化の低迷である。昨年の主力が抜けたり、故障者が続出したりと、致し方ない元凶があるのだろうけど、かつて黄金時代を築いた両校だけに、淋しい限りである。放送の中で「崩れるのはあっというまだ」という関東、櫻井勝則監督のコメントが紹介されていたが、男と女の別離を語っているかのようで、余計にもの悲しい気分になる。そういえば、集音マイクがいつも拾っていた関東ファンの子供さんが応援する声、「関東がんばれ~」という声が、11月10日の放送からは聞こえてこなかった。かつて、東海との対戦では、東海のメンバー外の部員が「東海がんばれ~」と応酬していたものだが。

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 【●大東文化大学5×47日本大学○】

 前半終了時点で0×35。日大が5トライを挙げ、大東としては心萎える立ち上がりである。9月29日、大敗した中央戦もそうだったが、ディフェンスがよくない。待ちの防御に終始し、このシステムを採用するのならジンワリとスペースを埋めて相手を端へ追い込んでいなければならないのに、個々のタックルの強さと守備範囲、隣り合うディフェンダー同士の連係に問題があって、かんたんに裏へ出られてしまう。0×7で迎えた前半15分、日大が残り10メートルのラインアウトモールから右展開で、№8高橋優一郎がパスアウトし、SH小川高廣、左WTB瀧水祥太とつないでカットパス、右CTBマイケル・バートロケが中央へ回り込んでフィニッシュした場面では、瀧水にプレッシャーをかけてほしかった。ボールを動かして攻めようとしているチームのチャンネル1、2のボールキャリアーには、周囲の陣形が整う中、どのプレーヤーにパスすればチャンスが広がるのか、それとも彼らを囮にして自らランで勝負すればいいのか――といった具合に、複数の選択肢がある。ここがノープレッシャーだと、判断とプレーの精度にそうそう狂いは生じない。日大としてはストレスの少ない前半だった。37分、日大が自陣22メートル過ぎ左のスクラムを起点に15フェーズくらいを重ねてトライにつなげた場面でも、大東は瀧水に余裕を与えてしまってワンパス、バートロケのハンドオフを駆使したゲインにより、22メートル内への侵入を許してしまった。最後の右展開は、防御ラインの整備が遅れて、FB冨樫玄がギャップを衝く形。セットの遅さも、目についた。前へプレッシャーをかける、すぐに立ち上がって守備につく。この2つを厳かに遂行したうえで、パスムーヴの要で個人技も怖い小川を潰しに行けば、競ったゲームになるのだけれども。

 しかし後半、大東は修正し、前へ出る足が俊敏になった。入り、バートロケにダブルタックルを決め、ハンドリングエラーを誘った1分、自陣22メートル過ぎのスクラムからSO碓井廉が右スペースへキック。処理する冨樫に右CTB新井智喜がいいプレッシャーをかけ、ロングキックを蹴らせなかった。2分、敵陣22メートルのラインアウトを得て、主導権を握る。5分、日大のラインオフサイドにより、残り5メートルのラインアウト。右WTB川瀬幸輝が近場で右PR江口裕太とのスネークでなだれ込んだものの、ヘルドアップインゴール。5メートルスクラムで再開されたあとの3フェーズ目、SH茂野海人が右の狭いほうのサイドへ放したが、守りの人数のほうが多かった。碓井が小川に阻まれ、遅れたサポートが倒れ込み。チャンスを逃してしまう。

 後半11分、大東は№8にフィリペ・フィナウを投入した。キックキャッチからカウンターで勝負してきた瀧水を捕らえ、ターンオーバー。駆けつけの仕事をすると、16分、日大のオフサイドによるPKをタッチへ蹴り出した残り5メートルのラインアウトで、モールを牽引する役割を果たす。モールドライブからHO岡田健人が左中間へトライ。東海戦、流経戦はノートライに終わっているので、中央戦以来のトライである。苦手とするナゴヤドームの中日戦で連敗したときの阪神タイガースみたいだ。

 大東のタックル成功率が向上したこともあり、試合は膠着した。日大は30分、右展開から瀧水がギャップを抜けたあと、内へサポートした右LOキテファカラウ・タウモエフォラウが右中間へトライ。5×40としたが、納得のいかない部分があったのだろう。ロスタイムが過ぎ、ゲームを切れば終了というところでも攻める。41分、左展開で小川と右FL大窪遥のループから高橋、バートロケのつなぎ。バートロケは新井のタックルを受けながら茂野の頭上を通すオフロードパス。キャッチした右WTB早川匠音が左コーナーへフィニッシュした。

 日大は後半、大量リードに気が緩んだ部分もあったかと思うが、ディフェンスで中途半端な詰め方をしてあっさり抜かれるシーンがあった。大東にミスが多かったおかげで1トライに防げたが、この勝利によって大学選手権が決まったことだし、いま一度、攻守の精度を整える必要があるかもしれない。小川近辺の崩しに、バートロケをペネトレーター、フィニッシャーとしてどう組み合わせていくかを観るのが、楽しいチームである。


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 【●関東学院大学12×76流通経済大学○】

 関東学院は10月28日、100点ラグビーで東海にショッキングな大敗。すでに惨状を晒してしまっている。東海と差のない力を持つ流経相手にこの大差負けは、仕方がないだろう。流経は放縦の限りを尽くすかのようにトライを重ねていった。モールから空いていた左サイドを抜けた右FL辻直幸の先制トライ(前半12分)、敵陣奥のラインアウトモールから、右ショートサイドで2対1ができたのを見たSH児玉大輔が持ち出し、右WTB廣瀬大河との連係で決めた3本目のトライ(前半20分)のような好判断のトライもあれば、31分にFB合谷和弘が決めたような嗅覚がモノをいうトライもあった。

 HO上村健太郎の推進力、№8高森一輝、辻のリアクションのよさと前へ出る力、合谷とSOオペティ・ファエアマニ、後半から右WTBに入ったリリダム・ジョセファの決め手が目立つゲームとなったが、両CTB、12番の矢次圭佑と13番の藤沢典迪のディフェンスもいい。オペティはペネトレーター系、合谷がSOに入るとトヨタにいたオレニ・アイイを彷彿とさせるファンタジスタ系の司令塔となるが、強烈なSOとWTBがいる中(SHの児玉もときに変則的、テクニシャンぶりを発揮する)、CTBが堅実派というのがバランス上、好ましく思える。SOクリスチャン・リアリイファノ、WTBジョー・トマニ、ヘンリー・スパイトがファンタジスタで、CTBにパット・マッケーブが座るスーパーラグビーのブランビーズを想起した。流経はどこからでもトライが取れるチームだ。ただ、この試合や水戸でおこなわれた大東戦の印象をいえば、イケイケになりすぎてブレイクダウンの厳格さに欠くきらいもある。最終の11月25日、優勝を賭けた東海戦はラックの多いゲームになるはずなので、勝敗もさることながら、ブレイクダウンにおける流経の立ち回りを注視したい。慶應のタックルにしてやられた昨年の大学選手権1回戦を忘れてはいないはず。ラグビー臭いプレーをしっかりやれれば、破壊力は底知れないだけに今後、台風の目として選手権における大暴れを期待したくなる。

付記 本文中、選手名の敬称は省略としました。


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