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zoom RSS 関学、逆転勝利! 立命、ブレイクダウンで本領発揮も〜関西大学Aリーグ 第1節(2)

<<   作成日時 : 2015/10/02 06:00   >>

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画像 9月27日に開幕した関西大学Aリーグ。第2グラウンドでおこなわれた2試合は関大が天理相手に健闘(35×31で天理が勝利)、そして近大が同志社を22×19で下した。ドラマチックな光景が繰り広げられたようだ。関西の大学ラグビーは、戦前予想とは異なるスコアの結果を見ることがよくある。意外性が魅力のリーグといえよう。

 関西協会は近年、大学ラグビーの広報活動にも力を入れている。メディア向けのプロモーションもそうだし、ウェブサイトも昨年にリニューアルして充実、試合の前日には出場チームのメンバー表が掲載されるようになった。メンバー表下部にある各大学の首脳陣が執筆した「見どころ」も楽しみ。プリントアウトしてTV観戦のお供とするのがお勧めである。


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 【○関西学院大学21×17立命館大学●

 前半3分、関学は倒れ込みのPKにより、敵陣10メートルと22メートルのあいだでラインアウトの好機を迎えた。5分、SO清水晶大がインゴール中央へ向けてハイパント。昨年も公式戦でこの形によるトライを演出したように、彼の得意とするプレーである。チェイスの反応が鈍かったものの、オフサイドのアドバンテージがあり、関学は残り7メートルでラインアウト。ピッチ左の近場をワンパス、清水晶に左CTB鳥飼誠をスイッチで入れるアタックなどで攻めた4次、9−13の右でフィニッシュした。6分、右CTB勝川周がラックサイドへ走り込み、裏へ抜けて左中間へトライ。立命はラックサイドの1人目、右FL小原稜生がSH徳田健太を見ていて、2人目の右LO沖原賢人も同様だったと思われる。あるいは沖原は、近場に立つFWをケアしていたか。いずれにせよ、勝川がノーマークとなっていた。これは徳田が自ら仕掛けていくプレーを得意とするからでもある。

 右WTB中野涼のコンバージョンも決まり、7×0とした関学は12分にもトライを挙げる。キック処理のFB川上剛右がカウンターラン。自陣10メートルのラックから徳田が右サイドの突破を図り、左PR渡邉彪亮のコンタクトを受けながらオフロードパス、4−11と右へつないだ。ここで、さらに右ショートサイドの極小スペースへ右WTB市橋誠が回り込んだのは好プレー。前進した市橋はカバー防御の動きを見てチップキックを蹴った。立命は藏田知浩がセービングに走ったが、ボールをこぼしてしまう。チェイスの右FL岡部崇人が右中間でボールを押さえた。ゴールも成功し、14×0。

 立命は18分、自陣スクラムを起点に攻める関学の4フェーズ目、右チャンネル2のHO須田悠介に対し、左FL南友紀が好タックル。10、2が凄まじい勢いでポイントを乗り越え、ターンオーバーした。直後、9−10−7−11と右へ回した際、左WTB山口匠が左LO松尾壮也のタックルを受けてノックオンしたのが惜しい。しかし19分、ブレイクダウンの攻防で関学のプレーヤーの腕が首にかかる反則があり、立命は残り5メートルでラインアウトの絶好機をつかむ。小原がスローをキャッチし、モールと見せかけて1−9の左、SH高木虹輝が右リターンパスを放す。ラインアウト直後で注意が散漫になりがちな場所ではあるが、関学は左PR野宇倖輔が反応して止めた。立命がそこからチャンネル0の近場を4フェーズ。20分、渡邉がラック左サイドへ潜り込み、右中間へトライ。SO大城海のコンバージョンも決まり、14×7とした。

 22分、関学はキックキャッチの中野が右へワンパス、川上が縦を突いた。立命は先ほどトライを記録した渡邉が好タックル。後続が乗り越えていった。被ターンオーバーの危機に焦った関学はハンドを犯す。敵陣22メートル内でラインアウトとチャンス到来の立命だったが、HO原山光正のスローが曲がり、ノットストレートで逸機。24分、立命は自陣10メートルのラインアウトで、スローをキャッチした沖原から手渡しでもらった南が左サイドへ。関学は徳田が南を倒し、右LO小林達矢と左FL野村祐太がポイントを乗り越えていくカウンターラック。ターンオーバーして右へ展開した。立命は藏田が勝川を止め、カウンターラックでボールを奪い返す。2フェーズ後の右展開で山口が中野に捕まり、岡部に絡まれてノットリリースザボールとなったが、ここは裏が空いていたこともあり、山口は裏へキックを蹴って自ら追う手もあった。中野がクイックタップで仕掛けてハーフウェイまで前進した関学。しかし、右チャンネル1で松尾がクラッシュしたあと、ボールを持ち出した徳田が小原の火を噴くようなタックルに襲われた。サポートプレーヤーに倒れ込みの笛。27分、立命は敵陣22メートルでラインアウトを得てループを入れた左展開から、右チャンネル1を2フェーズ。そして左逆目へ振った。9−10、大城がカットパスを投じたが、関学はそこに徳田が躍り出てきた。インターセプトに成功し、ピッチ右を一目散。立命は山口が追いかけ、残り5メートルで倒した。徳田は後ろへボールを転がす。鳥飼が拾って左へ放し、勝川が右中間へトライと思われたが、片手でボールを叩きつけるように置こうとして、直前にノックオンしていた。なんとも惜しい場面だったが、一連のプレーでは徳田のインターセプトが殊勲だ。SHがBKラインに並ぶシステムはヤマハや大東大が採用している。SHの総合的ラグビーセンスがチーム内で1、2を争うチームにはとくに向く防御法だと思う。

 幻のトライはあったものの、立命のタッチキック後、31分、関学は敵陣22メートルでラインアウトとなおチャンス。後ろにスローを合わせてピールオフ、野宇の前進を皮切りにチャンネル0をひたすら穿つ。須田が右ポスト下へ捻じ込みを図ったが、ヘルドアップインゴール。32分、関学は残り5メートル中央のスクラムから9−10の右、清水が右裏へゴロパントを蹴った。勝川がボールを追ったが、立命の右CTB宮田遼が先に体を入れてドロップアウト。キックキャッチを起点に再攻撃の関学はオフサイドのアドバンテージが採用された35分、ショットを狙った。しかし、PGは失敗。結局、攻め込んだ時間帯に追加点を挙げることはできなかった。逆に立命は41分、敵陣10メートルの位置から大城がオフサイドのPGを決める。14×10、関学の4点リードで前半が終了した。

 後半2分、関学は自陣へ攻め込まれたものの、ラックのアウトボールを右PR豊崎洸太がセービングしてターンオーバー。3フェーズ後、左チャンネル1のbW石松伸崇がすれ違いで前へ出て須田へオフロードパスをつなぎ、敵陣22メートル近くまで進んだ。直後、9−10−11の左展開、中野が左裏インゴールへキックを蹴り、川上がチェイス。戻る立命の右WTB三島藍伴との競争になった。グラウディングは認められなかったものの、先に須田がゲインしたラックで、立命は藏田が倒れたまま徳田の球出しを妨害するファールプレーを犯していた。藏田はシンビン処分を受ける。4分、関学はこのPKにより、敵陣22メートルのラインアウト。レシーバーの徳田から5−10の左、清水が右リターンパスを放し、市橋という連係で勝負した。ところが、清水が左CTB山田一輝に懐を抉られた分、パスが前方へ流れてしまう。立命はこのスクラムで関学をコラプシングに陥れてハーフウェイまで地域を戻した。しかし、ラインアウトでノットストレート。9分には関学の左展開、市橋を小原と三島がタッチへ出した自陣22メートルのラインアウトでは野村にスチールされるなど、起点が安定しない。対する関学も11分、自陣10メートルのラインアウトから左オープンへ振り、次フェーズでなお左ショートサイドを攻めて9−14、市橋が内へ切れ込んでタッチ際にスペースを拵え、中野がサポートランする好アタックを繰り出した場面でパスインコンプリート、ボールをタッチへ逃がすなど、主導権を握ってはいたとはいえ、仕留め切れない場面が続いた。

 13分、立命は大城がキック処理を誤り、触れたボールがタッチ外へ。敵陣22メートルでラインアウトを得た関学は15分、オフザゲートのPKによって残り5メートルへ進み、松尾にスローを合わせたドライビングモールで勝負した。寸前でラックになり、豊崎が左サイドを突いて右中間をうかがう。しかしラックアンプレイヤブルとなり、関学の5メートルスクラムで再開された。近場のチャンネル0〜1を7フェーズに渡って攻めたあと、徳田が左へ仕掛け、右へパスを戻して清水晶が走り込む。ところが、左中間インゴールを前に清水晶がHOへ投入されたばかりの江口晃平に止められたあと、ピック&ゴーの豊崎がボールを拾い損ねてノックオン。このスクラムでアーリープッシュの笛を吹かれた関学は一時撤退したが、21分にオフサイドのPKにより、残り10メートルでラインアウト。野村がスローをキャッチしてモールを組んだ。立命は押し返して抵抗。アンプレイヤブルにしてマイボールスクラムを得る。そして23分、立命は関学が敵陣10メートル中央のスクラムから攻めた2次、左チャンネル1の野村をbW中村亮介らがダブルタックルで倒し、ポイントを乗り越えてターンオーバー。25分にも相手ボールを奪う。ハーフウェイ付近右端で関学がスクラムのボールをキープしたブレイクダウンでファイト、ターンオーバーに成功すると、9−10−12−13−11−15−14の左展開で仕留めた。関学は急な攻守交替でドリフトし切れず、山口に対してタックルミス。2対1を作った立命は藏田が市橋を外し、関学の防御に後手を踏ませた。26分、三島が左隅から中央へ回り込むトライ。コンバージョンも決まり、14×17、立命が逆転した。

 28分、関学は相手ノックオンにより、敵陣22メートル手前中央でスクラムのチャンス。ここで立命が押し込み、関学からコラプシングのPKをもらってFWが大はしゃぎした。スクラムに組み勝ったFWの喜怒哀楽こそがラグビーであり、トライを取った人間のアピールポーズ以上に絵になる、と個人的に思う。敵陣10メートルと22メートルのあいだへ進出する立命。ところが、スローがまたも合わなかった。攻撃権を得た関学は敵陣へ進み、5フェーズ目にSHへ入っていた山戸椋介が左ショートサイドへ仕掛けてパス。捕球した石松が内へ切れ込みながら中野へパスを放したが、つながらずに相手ボールとなった。立命は31分、山田一輝のタッチキックでエリアを挽回しようとしたが、22メートルの外から戻して蹴る、テイクンバックのダイレクトキックとなったのが惜しい。2フェーズ前の右チャンネル1のラックは22メートル内。そこでキックを蹴っていれば、関学に敵陣22メートル内のラインアウトを与えずに済んだ。関学はここから攻めた3次、21−22−12の右展開で鳥飼がアングルチェンジ、裏へ抜ける。残り10メートルで捕まり、接点でノックオン。オフサイドの位置にいたプレーヤーがボールを蹴ってしまって絶好機を逃したものの、36分、オフザゲートのPKを自陣からクイックタップで仕掛け、18−22と左へ回してチャンスを広げた。途中出場の右CTB山田一平がギャップを抜いて残り5メートルまでゲイン。右チャンネル1を挟み、山戸がさりげないパスダミーを入れて左サイド、SHへ入っていた畠中優凪の内側へ潜り込んだ。ゴールも決まり、21×17。

 立命は39分、敵陣10メートルと22メートルのラインアウトから攻めた3次、21−22−23の左展開でハイタックルのPKを得る。ところが、このキックがタッチインゴール。41分、関学は自陣22メートルと10メートルのあいだ右でスクラム。インジュリータイムが4分半ほどあって、ボールキープで時間を遣うには長い。エリアキックを蹴ろうとしたが、相手防御に当たった。マイボールとした立命はタッチキックで地域を取りに行く。関学は自陣22メートル内のラインアウトで、一番前のプレーヤーにジャンプなしで合わせた(このプレーを「2直」と呼ぶ)。競った立命にノックオンがあり、関学は自陣5メートル過ぎ右でスクラム。立命は43分、山田一平のタッチキックをハーフウェイでクイックスローインして最後の攻撃を開始した。しかし45分、21−22−12の後ろを通した右展開で山田一輝がノックオン。大接戦の末、関学が開幕戦に勝利した。




 後半26分にターンオーバーを起点に三島がいったんは逆転となるトライを挙げたとき、「完全に立命の世界へ入った」と思った。試合を通じ、立命のブレイクダウン・ターンオーバーは7回をかぞえた(関学は3)。タックラーがすぐに立ち上がる動きが俊敏、後続がすぐに寄ってポイントを乗り越えていく一連の所作がよく鍛えられている。“ブレイクダウンの立命”を意識するようになったのは5、6年前からと記憶するが、メンバーが卒業で入れ替わっても、この長所にはずっと変わりがない。ブレイクダウン近辺のおかしな反則といえば後半4分に藏田がイエローカードをもらったプレーオンザグラウンドと、横入りのオフザゲートが2回ほどあっただけで、ノットロールアウェイをとられていない点を評価する。この種の反則がないチームはブレイクダウンが巧い。関西を見渡した場合、このブレイクダウンの力量がある限り、立命はどの相手とも好勝負を演じる力がある。優勝した2年前を除くと、シーズン中にスランプへ陥ることが多いのが懸念材料ではあるけれど。この試合の敗因には8/16の獲得率に終わったラインアウトの不振が挙げられ、数字の上ではブレイクダウン・ターンオーバーが無意味になったのが悔やまれる。関学の決勝トライも、起点はハーフウェイにおけるマイボールラインアウトの獲得ミスだった。アタックのほうはグループ分けした陣形でFWの縦とBKの横を織り交ぜながら攻めるオーソドックスなスタイルか。ややインパクトに欠けたが、まだ上積みがあるだろう。現時点で評価を下すのは早計だ。ピックアッププレーヤーは攻守にハードワーク、スクラムでもがんばった1トライの渡邉とする。

 関学は前半27分、徳田のインターセプトをきっかけに地域を制したチャンス、後半の入りのチャンスでトライを取り切っていれば、もう少し楽にゲームを運べたと思う。防御は立命のブレイクダウンが際立ったけれども、積極的に前へ出てタックルした関学の接点も水準にはある。相手ラインアウトへのプレッシャーも勝因の1つ。でも、ここでは関学の売りとしてアタックを特筆したい。徳田=清水晶のHB団が多彩なオプションを持っている。徳田の仕掛けには途中から立命の目が慣れた感じ。ただ、徳田にはショートサイド使いの巧さがある。ここで2対1を作ってパスをもらったプレーヤーが内へ切れ込み、サポートするWTBが走る道を作る攻めが実にこなれていた。各プレーヤーの動きを見ると、次フェーズ以降の局面を読んで、サポートが迷いなく動いている点に好感が持てた。後半、ラインアウト起点のサインプレーにおいて、HB団のあいだにFWを1人噛ませて清水にボールを持たせるパターンを何度か見たけれども、これは清水晶に間合いを持たせて判断する時間を与える意図だろう。清水晶はスペースを得た場所で仕掛けを入れながらベストプレーを選択することに関し、関西随一のSOである。終盤、インサイドCTBの位置に回るケースがときどきあったのも、同じくスペースでボールを持たせる意図か。公式MOMは徳田が受賞。文句のない選出だ。決勝トライのリザーブSH山戸もいい働きをした。昨年、優勝争いの渦中、同志社戦で徳田のケガにより先発出場して穴を埋めて余りある活躍をしたように、山戸も実力者である。あと、このチームはバックスリー、中野、市橋、川上に、乗せると怖いという印象を抱いた。FWからはラインアウトでいい働き、サイズがあって将来性豊かな野村を挙げておきたい。

付記 本文中、選手名の敬称は省略としました。

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