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zoom RSS 早稲田、一時5点差に迫るも 総合力で上回る明治が逃げ切り勝ち〜関東大学対抗戦 第14節

<<   作成日時 : 2015/12/12 06:00   >>

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画像 6日、秩父宮は2万2342人の観客で溢れ返った。毎年のことながら早明戦の熱気には、映像を通して観戦しているこちらも気分が高揚してくる。独特の雰囲気の中で試合をおこなうせいか、下馬評が当てにならないのもこのカードの特徴だ。今年は勝てば帝京と6勝1敗で星を並べ、対抗戦優勝となる明治が有利という見方が大半を占めていた。苦戦が予想された早稲田ではあったが、それでも一時は5点差に詰め寄って満員の観客を興奮の坩堝へいざなった。伝統の1戦らしい、好ゲームだった。


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 【●早稲田大学24×32明治大学○

 早稲田は3分、SO横山陽介が敵陣10メートルから右奥を狙ったラインオフサイドのPKがタッチインゴール。このスクラムで明治は早稲田をコラプシングに陥れたものの、敵陣10メートルと22メートルのあいだのラインアウトキャッチにミスしてノックオンした。直後のスクラムで明治は左PR植木悠治がトイメン3番、千葉太一の内組みによって弾かれて膝を着いてしまうニーリングを犯し、PKで敵陣10メートルまで地域を進めた早稲田はラインアウトを確保できずと、お互いに主導権を握り損ねるバタついた入り。しかし明治は8分、敵陣22メートル手前のクイックスローインを起点にテンポよくボールを動かし、10分にFB田村煕がラインオフサイドのPGを決めて3点を先制。対する早稲田は13分、敵陣10メートルのラインアウトから連続攻撃を仕掛け、ラインオフサイドのPKを得た15分、22メートル付近で左WTB山岡篤樹が速攻した。左斜めに走ってから順目へパス。15分、左FL宮里侑樹がタッチ沿いを走り切り、左隅へトライ。5×3となった(横山のゴールは不成功)。

 明治はリスタートを左へ蹴り、右LO桑野詠真のノックオンによって敵陣10メートルと22メートル中間左でスクラムを得ると、bW松橋周平が左ショートサイドへ飛び出し、残り10メートルまでビッグゲインした。縦と横をバランスよく織り交ぜながら敵陣奥を席巻して残り5メートルへ迫った8次、9−10の左、SO堀米航平が桑野に止められたポイントで地面のボールを奪おうとしたbW佐藤穣司にラック成立のハンドの笛が吹かれると、田村がタップキックをその場から仕掛けた。右へワンパス、右FL田中真一がクラッシュしたあと、9−8の右、松橋がピラーとポスト(ラックサイドの内から1人目の防御をピラー、2人目をポストもしくはフローターと呼ぶ)のあいだを狙ってアングルチェンジで走り込む。第一線のディフェンスを突破して裏のマッチアップがSH杉本峻。これは早稲田としてはどうしようもなかった。19分、松橋がフィジカルの差を見せつけて左中間へパワフルなトライ。

 コンバージョンの2点を併せ、5×10とされた早稲田は24分、キック処理の右WTB成田秀平に山岡が襲いかかった。田村がボールを持ち出してキックを蹴った明治だったが、ブレイクダウンでアクシデンタルオフサイドがあり、早稲田は敵陣22メートルを越えた位置左端でスクラムの好機。フラットな右展開を2フェーズ、ピッチを端まで使い切ったのち、左チャンネル1を挟んで、9−10−7−12−2と左へ展開した。左CTB岡田一平がループ状に回り込んでボールを手にし、外が余った形を確定させたが、そこへ走り込んだデコイランナーがオブストラクション。ピンチを脱した明治は27分にトライを追加する。早稲田のキックカウンターの2次、左チャンネル1、千葉がクラッシュしたポイントのこぼれ球に右PR塚原巧巳が反応した。3−6−10−12と右へ回し、ハーフウェイ手前でラック。クイックボールを出して右へ展開、9−10−15−14と素早くスペースへボールを運び、成田がミスマッチの左LO加藤広人を外して敵陣へゲインする。山岡のタックルを受けながら左へサポートした田村にオフロードパスを放し、その左に来た田中真が田村のパスをもらって中央へ切れ込むトライ。ターンオーバー直後、トランジッションと呼ばれる攻守の切り替えにおける強さを発揮したうえ、成田のゲイン後、サポートがしっかり現われ、最後にバックローの選手がパスをもらってインゴールへ駆け込んでフィニッシュしたのは、現代ラグビーに追いついてきたニュー明治を象徴するシーンといっていいだろう。

 ゴールも決まり、5×17。早稲田は30分、キックカウンターの2次で横山が右奥へ好タッチキック。明治を大きく後退させると、堀米の右足キックにプレッシャーをかけ、利き足でない左で蹴らせて残り10メートルでラインアウトの絶好機をつかんだ。ムーヴを入れ、最後方で桑野がスローをキャッチしたモールから千葉が右サイドを突いて右中間へ捻じ込みを図ったが、ヘルドアップインゴール。しかし、モールコラプシングのアドバンテージがあり、32分、早稲田は残り5メートルでラインアウト。ここで2−4−8−2、前ピールオフのサインプレーで右ショートサイドへ細かくパスをつなぎ、HO貝塚隼一郎が11、9に来られながら右隅へグラウディングを果たした。今しがたムーヴを入れて最後方で捕球するラインアウトモールを明治に印象づけたばかりだけに、このサインプレーは効いた。トライ後のコンバージョンも成功し、12×17とした早稲田は36分、ホールディングのPKにより、敵陣22メートル手前でラインアウトの好機。2−4−9−10−12−11−15と右へ展開、オープン側へ躍り出たブラインドWTB山岡のパスの受け方が絶品だった。折り返しの左チャンネル1、千葉へラッシュした植木の立ち位置がオフサイド。千葉が落球してアドバンテージが採用され、37分、早稲田は残り5メートルでラインアウトを得る。ところが、最初に手前で飛んだジャンパーに貝塚が投入できず、ワンテンポ遅れて手前へ投げたスローは5メートルに届かなかった。

 このFKのタッチキック後、38分、早稲田は敵陣10メートルを越えた位置のラインアウトで仕切り直し。1次、9−10−12−13の左展開で岡田のフラットパスをもらった右CTB盛田志が縦を突いた。右CTB尾又寛汰と成田のダブルタックルに阻まれ、接点からボールがこぼれる。明治は左CTB梶村祐介がルーズボールを拾い、注目のマッチアップ、FB藤田慶和を粉砕してハーフウェイへゲイン。早稲田のディフェンスが内へ寄る中、3フェーズ後、9−2−10−12−13−14と右へ振って成田がスペースを走り、残り10メートルまで迫った。そこから左へツーパスの攻めを2フェーズののち、9−10−12−14と後ろを通した右展開で仕留める。ここでも早稲田の防御が内へ寄っていたうえ、12と14のあいだにデコイランナーを1人入れる念押しが効いた。40分、成田がカバーに来た藤田を外し、山岡のタックルを受けながら右隅へトライ。12×22(ゴールは不成功)、明治がリードを広げたところで前半が終わった。

 後半は明治のキックオフで始まった。明治は右LO小林航がキャッチャーに対するアーリーコミット。敵陣10メートルへ進出した早稲田はラインアウトモールから9−10−12−6−13と左へ展開した。岡田−宮里−盛田のあいだはいずれもショートパスで、これまで使っていなかったプレーだけに効果的。また、ショートパスは組織防御では対処できない面があり、アルゼンチンがラグビーチャンピオンシップで格上3チームを相手にショートパスを駆使してしばしばチャンスメイクするように、弱者が強者になれる戦術でもある。しかし明治は、追いかける堀米が盛田の左順目のパスコースへ入った。インターセプトして事なきを得る。直後、エリアキックがインゴールへ入ってドロップアウトとなり、キックキャッチを起点に主導権を握るかと思われた明治。しかし2次、9−2−6と左へ回した所で田中真が詰めてきた横山と佐藤のダブルタックルを食らってノックオンした。だが、明治は顕著になってきたスクラムの優位性を生かしてチャンスをつかむ。7分、ハーフウェイの相手スクラムを凄まじい勢いで押し込み、中で手を使う反則を誘った。残り10メートルでラインアウトの絶好機。8分、田中真にスローを合わせ、早稲田がモールへ入ってこないのを見たHO中村駿太が右サイドへ舵を切ったあと、右FL田中健太がピック&ゴーで左中間へ捻じ込むトライ。コンバージョンも成功、12×29とした。

 早稲田はラインアウトのエアチャージ、モールコラプシングと続けてPKを得た12分、残り5メートルでラインアウトの絶好機を迎えた。加藤がスローをキャッチしたモールをドライブし、佐藤が左サイドへ。中村らに仰向けに倒されて右中間でヘルドアップインゴールとなったものの、モールコラプシングのアドバンテージがあった。残り5メートル右端でスクラムを選択した早稲田は、プレッシャーを受ける前に早いフッキング、佐藤が真後ろの岡田へパスを放す。このポイントからフィールドモールを組んで押し込み、14分、岡田が右中間へトライ。ゴールも決まり、19×29とした。そしてリスタートをキャッチしてモールを組んだあと、佐藤が防御の薄くなったタイミングを見計らって右ショートサイドへ飛び出し、連動した右WTB本田宗詩へつないでハーフウェイまでゲイン。そこから9−10−13−12−15−11と左オープンへ振った。明治はディフェンスの動きが良好。17分、成田と尾又が山岡をタッチ外へ押し出したが、タッチを割ったボールへ最後に触れたのは明治のプレーヤーだった。早稲田はその後、ボールを奪われはしなかったものの、パスミスが出たり、タックルで下げられたりして型が安定しない攻めになり、5次で横山が右裏のスペースへキックを蹴って地域を稼いだ。29分にも藤田が明治を自陣5メートルへ追いやる右への好タッチキック。完全に主導権を握った早稲田は明治の激しいコンタクトに苦しみながらボールをキープし、24分、ノットロールアウェイのPKにより、残り5メートルでラインアウトの絶好機を迎えた。25分、加藤にスローを合わせたモールを左へズラしてドライブし、貝塚が右中間へトライ。24×29(ゴールは不成功)、5点差に迫った。

 明治は29分、ノットロールアウェイのPKを得て敵陣22メートルを越えた位置でラインアウト。ラインオフサイドのアドバンテージが採用された31分、田村が手堅くPGを刻んで24×34とした。この段階ではまだ勝利が確定したとはいえないものの、時間が経過すれば10点リードはフルタイム以前に安全圏となる。明治はとりあえず、ひと息ついた。早稲田は横山がリスタートをゴロキック。敵陣10メートルへ転がったボールを自ら拾ってマイボールとし、32分に横山が右奥を狙ったキック。ワンタッチがあったうえ、途中出場の左WTB齋藤剛希が後逸してタッチ外へ逃したことにより、早稲田は敵陣22メートルでラインアウトのチャンスをつかんだ。モールコラプシングのアドバンテージが採用された34分、残り5メートルへ。ここでもラインアウトモールで勝負した。しかしヘルドアップインゴールとなり、ピッチ右の5メートルスクラムで再開。明治がアーリープッシュを犯した36分、同位置でスクラムを選択する。明治のコンタクトに撥ね返され、38分、ノックオンのアドバンテージがある中、9−15の左で藤田が左裏へグラバーキックを蹴った。明治は田村が真横へ蹴り出し、39分、早稲田は残り5メートルでラインアウト。加藤がスローをキャッチしてモールを組んだ。BKも入って押し込む構えだったが、横に広がったモールになって押す力が分散。結局、ヘルドアップインゴールとなった。40分、残り5メートル左のスクラムから佐藤が右へ開いて走って盛田へ放し、岡田が右サイドへ。オフザゲートのアドバンテージがある中、9−10の右、横山が右端へ向けてキックパスを蹴った。田村にキャッチされたところでアドバンテージ採用。42分、早稲田はタップキックを起点に近場で勝負した5次、フィールドモールを組もうとした。明治は中村、途中出場の右LO古川満がボールへすかさず絡んでいく。早稲田はなんとかラックにして攻撃を継続した。ところが、3フェーズ後、佐藤が左へ放したパスを、左PRへ入っていた石川敬人がノックオン。ここで試合が終わった。




 早稲田はラインアウトモールが整備されていた。この強みを生かすべく、横山が抜群のキックコントロールを発揮して敵陣へ行くゲームメイクをしたのが、善戦の因。前半は先の慶應戦と同様、前後2列のアタックラインを敷いて相手防御を惑わすような面もあったが、途中からはのっぺりした守りやすい攻撃陣形になったし、パスの精度も乏しくなっていて、ハーフウェイあたりからの連続攻撃でトライを取り切る雰囲気がなくなってもいた。その分、ラインアウトモールにフォーカスしたエリア獲得のゲームメイクは賢明だったと思う。本当は早稲田らしいスリリングなパス回しを見たいところだが、過去にも指摘したとおり、FWにパスの名人がいなくなっているので、2季前の垣永組みたいな、FWとBKが一体となった縦横無尽の何をしでかすかわからない展開ラグビーはできない。ただ、ジャパン、7人制代表から戻ってきた藤田と周囲の連係がまだ合っていない感じで、ここに上積みが見込めると思う。改善されればBKの決定力が増すはずだ。昨年度は早明戦直後の大学選手権初戦、立命戦で、少し緩んだのか気楽に構えすぎ、みんなが次のアタックのことを考えてブレイクダウンのサポートが薄くなって苦戦、続く同志社戦も負けそうになったりしてチームが悪いリズムに入っていたけれども、今年は磨きをかけるべき部分が数多くあるので、選手権のプール3戦を厳しい態度で臨まなければならない。今後、早稲田のゲームを観る際のチェックポイントはまずその点になる。ディフェンスについては内側へ寄る場面が多々あった。明治にインサイドブレイクだけは許さない姿勢だったのか。過去、ラッシュした内側が空くという欠点が見えたのを修正してきたのかもしれない。明治にスペースを走られる結果となったが、半ば織り込み済みという気もしないでなく、現時点の早稲田の力を考えるといきなりすべてに完璧を求めるのは酷。外を攻略されたのは糾弾するほどのことはないと思う。ピックアッププレーヤーは横山。彼がいなければ、ここまでの接戦にはなっていない。

 明治はフィジカル、ディフェンス、BKのラインスピード、スクラム、攻守の切り替え局面におけるアタック準備の速さ……多くのファクターで早稲田を上回っていた。前述したように、横山にゲームを巧く組み立てられ、ラインアウトモールで失点して競ったスコアにはなったが、総合力の勝利という印象。相変わらず縦と横のバランスがとれたいいアタックをするし、ディフェンスも果敢に前へ出て相手にいいプレッシャーをかけていた。ただ、もうワンランク、アタックブレイクダウンの寄りを速くしてクイックボールが出る場面を増やすことは可能だと思う。そうすれば、もっとチャンスができるのではないだろうか。あと、早稲田を褒めるべきかもしれないが、ラインアウトモールのディフェンスがあまり巧くない。ジャンパーを着地と同時に倒すサックプレーができないし、ジャンパーとリフターのあいだへ瞬時に割って入るコツもつかみ切れていないようだ。また、反則が12と多かったのも苦戦を強いられた要因だ。大学選手権の力関係を考えると、ポゼッション(ボール保持率)で上回れば間違いなく勝てるという相手がほとんどなので、相手に余分な攻撃時間を与える反則はできるだけ少なくしたい。ラインアウトももう少し精度を高めたい。個人的MOMは1トライを挙げ、前半27分、田中真のトライへつながるビッグゲインも大きかった成田としたい。明治のBKはタレント揃いだ。FWでは田中真、松橋、タックルの的確さが光った中村の名を記しておく。

付記 本文中、選手名の敬称は省略としました。


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